バイクインプレ日記

電動バイクTC MAXインプレ

前回の記事から半年以上空いてしまった。書くことがないわけじゃないんだけど、ぶっちゃけちょっと面倒になってきて放置してしまった。今回ちょっと面白いものに乗ったので久々書いてみる。

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乗ったシチュエーション

いつものワインディングを20キロくらい、1時間試乗。気温は20℃程度。

 

ポジション 取り回し

MT-03あたりと比べるとややハンドルが高く幅が狭いごく普通のネイキッドという印象。

足つきは良好で、車重も軽いので取り回しはとても楽。小柄な人でも扱いやすそう。

 

エンジン(モーター)

当たり前だけど止まってると無音。アクセル開けてもムイーンって音が僅かにする程度。50ccの4ストスクーターよりも音は小さい。

電動モーターは開け始めからマックストルクなのでドンと出るのかと思ったらそうでもなくて、スクーターみたいにアクセルの開け具合にワンテンポ遅れてついてくる感じ。体感的なパワー感も125ccのスクーターくらいで、250ccのバイクよりは遅いかな。

モードが3つあってハンドルのスイッチで切り替えられるんだけど、別にトルクの出方が変わるとかじゃなくて、単に最高速度を制限するだけ。なんでそんなものがあるかというと、最高速度を制限することで航続距離を伸ばそうってことらしい。

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実際航続距離は短くて、アクセル開け気味とはいえ最高速度制限なしのモードだと20キロくらいの走行距離でもバッテリー残量は半分だった。

 

あとこのモーター回生ブレーキがないんだよね。だからアクセル戻すとスーっと惰性で進んじゃう。ニュートラルに入れたまま走ってるみたいに。これはなかなか慣れないし、アクセルで荷重コントロールできないからどうにかしてほしい。回生ブレーキがあれば多少電費も伸びるだろうし。

 

ハンドリング 車体

アクセル開けた時にタイムラグがあるからアクセル開けてもタイヤを路面に押しつけてる感覚が希薄。これもスクーターに似てる。

車体が軽いので寝かし込みは軽く変なハンドルの切れ込みもない。素直なハンドリングではあるんだけど、アクセルオンで車体を安定させる力が弱いのでなんか終始フラフラしてる感じがする。サスがあんまり上等なモノは使ってないので余計にそんな感じがする。

 

気がついたことが一つあって、ミッションがなくて足の使い方が左右で同じだととてもコーナーリングに集中できる。それならスクーターでいいじゃんって思うかもしれないけど、スクーターだとタンクを挟んで身体を安定させられないからダメなのよ。現行のミッション付きバイクをリアブレーキだけハンドルに移すだけでもだいぶ違うと思うけど(ドゥーハンのサムブレーキみたいに)、いずれにしろ足でブレーキを踏むのはコーナーリング中のブレーキングがやりにくてしかたない。

 

まとめ

電動っていう新しい技術は興味深いけど、バイクとしての完成度は今一つ。もう少しダイレクトにトラクションを感じられるようになって、もう少し航続距離が伸びれば面白いものになると思う。

ディテール

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モーター部分。外からは見えない。

 

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スイッチ。車のキーレスエントリーみたいにワイヤレスの鍵を持って長押しするとオンになる。

 

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左がリアブレーキ。

 

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スイングアームのエンド部分は別体の溶接でちょっと凝ってる。

 

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一応倒立フォーク。カートリッジ式ではないと思う。

 

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フロント90/80、リア120/70というサイズ。この車格にはこのくらい細い方がいいと思う。

 

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右のステップ。リアブレーキはハンドルにあるのでレバーはない。

 

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左のステップ。オートマなのでシフトレバーはない。

CB400SF(2019)インプレ

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乗ったシチュエーション

レンタルバイクで1時間、ワインディング中心に試乗。気温12℃でタイヤの温まりはすこし悪かった。

 

ポジション 取り回し

ハンドルがやや遠め。ステップ位置はやや高めで後ろ。最近のハンドルが近くてステップが低いバイクに比べると古風なポジション。

 

シートは初期型CB400SF(NC31)がフニャフニャで全然腰がなかったのに対して、この型はしっかり腰がありリアに荷重がかけやすいし、サスからのフィードバックも得やすい。また変に前下がりになっていないのでブレーキングで尻が前にずれてこない。このシートはとても気に入った。

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足つきはかなりいい。180cmだと両足べったりで膝も曲がる。

 

取り回しは車重なりといったところ。

 

エンジン

2バルブと4バルブに切り換わるHyper-VTECのおかげで低回転でも400の4気筒にしてはアクセルに対するツキがいいが、本領発揮は6000回転くらいから。8000回転以上は4気筒らしい胸のすくような加速感が味わえる。

ちなみにバルブが切り換わる瞬間は分からなかった。どこかの回転域で急に加速が良くなるわけではなく、下から上までスムーズな回転の上がり方だった。

感心したのはマフラーからの排気音がとてもいいこと。心地良い低音の効いたサウンドを奏でてくれる。年々厳しくなる騒音規制をクリアしながらこの音を作るのは相当大変だったと思う。これならリプレイスマフラーは要らないだろう。

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ハンドリング 車体

寝かし込みは軽く、腰のアクションだけで適度な舵角がつく。ゆっくりとした車の流れになるような速度域でも曲げることを楽しむことができる。

逆にペースが上がってバンク角が深くなると寝かし込みに少々重さが出てくる。ただその領域は公道ではやや速すぎるペースなので安全に楽しむ分にはこれでいいと思う。

ちなみに試乗車にはゴツいバンパーがついてたので、これがなければもう少し軽やかなハンドリングだったんじゃないかと思う。結構剛性に影響しそうだからね。

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低速でも切れ込みはないので初心者でもUターンは楽だと思う。

 

サスは思ったより硬めだが乗り心地が悪いというほどではない。ただフロントはやや動きが渋く、多少基本設計の古さを感じる。

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ブレーキは対向4ポッドにダブルディスクという立派な設定の割には効きもコントロール性もイマイチ。最近出たバイクは片押し2ポッドでシングルディスクでも効きもコントロール性もすごくいいからね。

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まとめ

さすがに長年教習車として使われてきただけのことはある。乗りやすさは突出している。そうかと言ってつまらないわけではなく初心者からベテランまで誰が乗っても楽しめる。

大型に慣れてしまうとエンジンの低速トルクの細さはやや感じるものの、初めて乗るバイクなら特に感じないだろうし、大型からの乗り換えでも慣れれば特に不満も感じなくなるだろう。

僕が今乗ってるMT-07もそうだが、これも誰が買っても後悔しないバイクだと思う。

XJR400(1993)インプレ

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乗ったシチュエーション

1995年に中古で購入。街乗りが8割、ワインディング1割、高速1割。事情があって半年くらいで売却してしまったんだが、本当にいいバイクだった。状況が許せばかなり長く乗り続けていたと思う。

 

ポジション 取り回し

ごく普通のネイキッドといった印象。同じ頃に出た初期型CB400SFに比べるとステップ位置が前で低めだが、このくらいの方がハンドル位置とのバランスがいいし、どこを走るにもコントロールしやすい。CBが後ろ過ぎるのだ。

 

タンクの形状が良くて、太ももから膝頭にかけてのフィット感が非常に良かった。

 

当時のバイク全般に言えることだが、シートは柔らかすぎてバイクからのインフォメーションが得にくい。柔らかいからお尻が痛くなりにくいかと言えばそうでもなくて、3時間くらい乗ってるとけっこう痛くなる。やっぱりある程度腰があった方がいいのだ。

 

取り回しはそこそこ車重がある(乾燥175kg、装備だと200kgくらいか)のでそれなりに重い。今のバイクほどマスの集中化が進んでいないので、同じ程度の重さの今のバイク(SV650等)と比べると重く感じるだろう。

 

足つきは当時のバイク全般そうだが、シート高がかなり低く良好。小柄な女性でもそんなに困らないのではないだろうか。

 

エンジン

空冷らしいゴリゴリした吹け上がり感が魅力的。スムーズさでは水冷に負けるかもしれないけど、このフィーリングは空冷でなければ味わえない。

 

低速トルクはCB400SFよりやや上だった印象。逆に高回転での伸びはCBの方が良かった。とは言え同じ400cc4気筒なのでさほど違いはない。基本的には誰が乗っても乗りやすい。キャブ車なので今のバイクほどレスポンスは良くないが適度に鈍い感じが乗りやすさにつながっている。

 

ハンドリング 車体

このバイクで最も秀逸なのはハンドリング。初期型CB400SFが低速でやや切れ込み気味なのに対してXJRは実に素直。低速のUターンからある程度高速のコーナーリングまで本当に乗りやすい。なおかつ直進安定性も高い。自分が所有した約30台のバイクの中でハンドリングの良さではトップクラス。

乗りやすいバイクっていうとつまらないと思う人もいるようだけどそんなことは全くない。どこでも自由自在に腰で操れるハンドリングは本当に楽しかった。

 

サスはやや柔らかめだが、僕のレベルなら飛ばしてもなんの問題もなかった。

 

ブレーキはフロントがダブルディスクに片押し2ポッドキャリパーで可もなく不可もなくというところ。その後モデルチェンジしてXJR400Rになってからは4ポッドキャリパーになってコントロール性が良くなったが、初期型でも実用上なんら問題ない。

 

まとめ

 このバイクを一言でいうと「すごく乗りやすくて楽しいバイク」という小学生並の表現になってしまうのだけど、その「楽しい」を言葉にするのってすごく難しい。

例えば、同じ400ネイキッドだとVTECを装備したNC39型のCB400SFはすごく乗りやすいんだけど、楽しさでいうとXJRにちょっと劣る気がする。その差は、知識やテクニックのある人だったらサスの動きとかフレームのしなりとかで表現できるのかもしれないけど、素人にはなんとなくこっちのが良い、くらいしか言えないんだよな。

それに何を楽しいと感じるかは当たり前だけどその人の主観によるし(だからせめて何か基準があればと思って、僕がインプレ記事を書く時は他の車種をよく引き合いに出すんだけど)。

 

ちょっと話がそれたが、このバイクは本当にいいバイクで、XJR1300を手放して次のバイクに乗り換える時にこれにしようかと真剣に考えたほどだ。同じ4気筒から排気量ダウンすると物足りなく感じるかもってことと、中古価格が高騰してる(バイクブロスで調べたらノーマルで100万円超えてるのもあった)ことで結局MT-07にしたんだけど、それくらい好印象なバイクだった。

NC750X(2019)インプレ

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乗ったシチュエーション

いつものワインディングで1時間試乗。車が多かったのでペースはやや遅め。気温は18℃。

 

ポジション 取り回し

ハンドルが幅広で高くてやや遠め。正しくアドベンチャーっていう感じ。アイポイントが高くて視界が広く気持ちいい。タンクのフィット感も良好。シートも変に前下がりだったりしないから尻の座りがいい。ポジションがこのバイクで一番気に入った点かも。

 

足つきは180cmで両足裏が全部着いてなおかつ少し膝が曲がる程度。このクラスとしては標準的ではないだろうか。

 

取り回しは、シリンダーがめちゃくちゃ前傾してること、タンクがシート下にあることなどから重心が低く車重(231kg)よりは軽く感じる。

 

エンジン

車みたいでつまらんという評価をしばしば目にするが、中低速トルクが太くアクセルを開けたら開けた分だけ加速してくれてなかなか楽しいエンジンだと感じた。レッドゾーンは6500回転とかなり低いがそこまで回してもツインにありがちな高回転になるといきなり加速の伸びが悪くなるようなこともなくフラットにトルクが出る。

MT-07と同じ270°クランクだが、MTより鼓動感は強い。

振動も少なくゆっくり走ってもそこそこ飛ばしても快適。

残念なのは2000回転以下での粘りがちょっと足りずにスナッチーなこと。渋滞路ではこの辺りもけっこう使うしね。6500回転しか回らないのだからその辺りでももう少し頑張ってほしかった。

 

ハンドリング 車体

一番気に入らなかったのがハンドリング。ホンダらしいというか、寝かすと即座にそのコーナーの曲率に合わせて舵角がついてそれ以上寝かそうとしてもうまく寝かせられない感じ。まるでホンダが「このカーブはこのくらい寝かせば十分ですよ。あとはこっちでやっておきますんで」って言ってるようだ。ホンダってこういうハンドリング多いんだよなあ。初期型CB400SFとか、この前乗ったCB250Rとか、CB400SSとか教習所で乗ったCB750とか。確かに目線を送る程度の体重移動でハンドルが切れて、あとはアクセルを開ければ勝手に曲がってくれるのだが、肩の力を抜いて目線を送るだけで曲がってくれるってのは面白くはない。

そういうハンドリングだからタイヤが冷えてる時はけっこう切れ込み気味。空気圧が低いのかと思ってわざわざガソリンスタンドで空気圧チェックしたけど特に問題なかった。 

 

こちらのブログによると、700の時には強い切れ込みがあったが、750にモデルチェンジしてタイヤを銘柄変更することにより切れ込みがかなり解消されたとのこと(車体自体は変わってないらしい)。

ただそれは言い換えればハンドリングがタイヤの銘柄ならびに状態に依存するということでもある。上記ブログにも同様のことが書いてあるが、そういう車体設計はどうなんだろう?(ちなみに今回の試乗車のタイヤは上記ブログとはまた違う銘柄)

 

サスペンションはストロークが長く柔らかめで乗り心地はいい。ただ減速のための波状路に乗ったりするとやや跳ね気味だった。

 

ブレーキは効きは普通だけど、タッチがイマイチ。無駄なストロークが多すぎてコントロール性が悪い。

 

まとめ

僕はバイクは寝かせてる時間こそが至高と考えているので、ハンドルが先行して切れて立ちが強いバイクは好きじゃない。あんまり寝かさなくても曲がれるという言い方をする人もいるけど、寝かせて遠心力に拮抗して曲がるからこそ楽しいんであって、寝かせず曲がりたいなら車にでも乗っとけって話だ。

400Xはフロントが19インチになったけど、おそらくそちらの方が自然な操安で、アドベンチャー的キャラクターにも合っているのではないだろうか。プラットフォームはほぼ共通のようだから、400Xのフロントホイールを移植するのも面白いかもしれない。

ディテール

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フローティングでない、ホイールに直付けであんまり高級感のないディスクに片押2ポッドキャリパー。効きは普通だがタッチはイマイチ。

 

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62°も前傾したシリンダー。低重心化には貢献するが、ホイールベースは長くなる。バイクのキャラクターには合ってると思う。

 

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普通のバイクならタンクがある位置にトランクがある。フルフェイスが入るという話を聞いたが僕のは入らなかった。頭がでかいからか?(XLサイズです)

 

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タンクはタンデムシート下。

 

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ここでトランクやタンクを開閉する。

 

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意外と腰のあるシート。座面が広く長時間乗ってもお尻が痛くなりにくそう。変に前下がりになってないのもいい。

 

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最近のバイクはウインカーの位置が車種によってまちまちだから困る。これも昔とウインカーとホーンの位置が逆なんだよなあ。ウインカーキャンセルしようとしてホーン鳴らしてしまった。

GSX250R(2019)インプレ

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乗ったシチュエーション

レンタルバイクで1時間、いつものワインディングに加えて狭い舗装林道も走ってみた。

気温は18℃。タイヤの温まりはまあまあだと思う。

 

ポジション 取り回し

ポジションは同社のジクサーSF250に近い軽度の前傾。シートがジクサーほど前下がりではないので足つきはジクサーよりやや悪いかもしれない。タンクのフィット感がよくてニーグリップしやすい。これもジクサーに近い。

取り回しはこのクラスとしてはやや重め。車重も重めだしね。ただ後述するけどこの重さが必ずしも悪い方向には作用していない。

 

エンジン

絶対的なパワーはない。同じフルカウルスポーツでツインエンジンのYZF-R25あたりと比べれば高回転の伸びの差は歴然としている。ただ回り方はスムーズで振動も少ない。実にシルキーなエンジンである。R25がよく回るものの低中速域ではややガサツなのとは対称的だ。

パワーはないもののミッションがクロスしているのでシフトアップしても回転が落ちない。だから加速がいい。シフトダウンの際も変速ショックが小さい。

トルクバンドが広いのでほとんど直線がないような狭い舗装林道でも3速固定でスイスイ走れた。

 

ハンドリング 車体

250にしては寝かし込みはやや重め。車重が少し重いので仕方ないんだろうが、でもそれが安心感につながってて悪くない。

僕が最も気になるフロントの動きは実に自然。寝かせば切れすぎず切れなさすぎずちょうど良い具合にハンドルが切れてくる。さほど前輪荷重が大きいわけではないと思うけど、フロントの接地感もしっかりしてる。

 

サスはやや柔らかめだけどダンパーが効いてるのでフロントブレーキをかけてもガツンと沈み込むようなことはない。僕のMT-07より良い。

今回は交通量が多くてあんまり飛ばさなかったけど、飛ばしたとしても常識的なレベルであれば破綻するようなことは絶対ないだろう。

 

ブレーキは前後とも効きは特別良くはないものの、無駄なストロークがなく素晴らしくコントロールしやすい。非常に秀逸である。

 

まとめ

極めて良くできた普通のバイク。誰にでも勧められる。他社がスペック勝負に走ってるのにあえてそれに乗らなかったスズキの英断は正解だったと思う。

ただ惜しむらくはキャラクターが若干中途半端なこと。前述したこととちょっと矛盾する部分もあるんだけど、突出したところがないのがマイナスと言えばマイナス。スポーティーさでは同社のジクサー250SFの方がやや上だし、ゆったり走るなら同じ車体を使うVストローム250の方が向いてる。

とは言え見方を変えればどんな用途にもある程度対応できるということでもある。スタイルが気に入れば買っちゃって後悔しないと思う。

ディテール

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スズキはシングルディスクを左につけたがるんだよな。シングルだけど効きは十分で、コントロール性は優秀。

 

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レバー調整はブレーキ側だけ。

【番外編】インプレッサスポーツ1.6i-L(FF) 1ヶ月で3000km走ってのインプレ【車】

 

 

購入のきっかけ

一年ほど前から事情があって片道60kmの道のりを車通勤することになった。初期型フィットに乗ってたんだけど、ある日、ブラインドカーブを曲がった先で軽自動車が横転していて、すんでのところでかわした(かわしてなければ車の後ろに立っていたドライバーを相手の車と自分の車でプレスしていたろう)という経験をしてからできるだけ安全な車に乗ろうと考え始めた。

手の届く範囲ではインプレッサが最も衝突安全性や予防安全性に優れるのではないかと思い中古を探していたところ、2018年式で走行1万8千キロ、諸費用込みで150万円というディーラー車が見つかり即決した。

今まで車にあんまり興味がなくて、50万円以下の中古車しか乗ったことなかった身にはなかなか勇気のいる決断だったが、安全には代えられない。

 

アイサイト

この機能がほしくて購入したと言っても過言ではない。

 

アイサイトはざっくり言って、ACCと衝突軽減ブレーキから成る機能だが、衝突軽減ブレーキについては残念なことにと言うか幸いなことにと言うかまだ経験したことがない。ただ下のような状況では作動しなかった。

 夜間、雨、側方からの微妙な角度の進入という条件が重なったからかもしれない。いずれにしろ過信は禁物である。

 

accの方は大変優秀で高速道路や渋滞時がとても楽になった。一つ前の型は時速30キロ以下はクルコンが対応してくれなかったが、現行式はちゃんと停止までやってくれる。再スタートはスイッチを操作するかアクセルを踏むだけ。やろうと思えば渋滞中スマホ見ながらだって運転できる(やっちゃダメ)。僕の通勤路の約1/3は高速(自動車専用道)だから通勤での疲労がかなり軽減した。

ただ機械の運転と自分の運転は当然違いがあるので、もうちょっと発進加速良くしてくれない?とかちょっとブレーキ急過ぎない?ということはあって、それが若干ストレスになることはある。特に停車は時々けっこうな急減速をしてくれるのでちょっと怖い。そういう時は自分で早めにブレーキをかけた方がいい。クルコンは解除されるけどスイッチひとつでまたすぐ復帰できるし。

それと、高速道路のかなり前方で渋滞の最後尾が見えたなんて場合は自分でブレーキをかけないとおそらく追突する。遠方で止まってる車はうまく認識できないみたい。

 

それからレーンキープアシスト機能もあって条件のいい高速道路ではかなり良好にラインをトレースしてくれるんだけど、白線の途切れた箇所なんかはうまく認識できないし、カーブではうまく対応できないこともある。ハンズフリーにできるわけじゃないから結局ハンドルは握ってなきゃいけないのでほとんど使ったことはない。アクセル操作がオートになるだけでも十分だ。

 

エンジン

1600ccの排気量で1300kgの車体を引っ張らなきゃいけないのでややパワー不足感はあるが、Mモードにしてパドルシフトで4000回転以上をキープしてやればかなり速い。Dモードに入れたままでも特に実用上困ることはない。ちなみに計算上初期型フィットとパワーウエイトレシオは同じくらいだけど、アクセルに対する反応はインプレッサの方が上。エンジンよりCVT制御の差だと思う。

 

ハンドリング 車体

これはさすがスバル、なかなか秀逸。今どきの車は駆動方式で旋回性が変わるなんてことはないとよく言われるが、フィットはわずかだがFF特有のトルクステアというか、アクセルを踏み込んだときに思ったラインを外してしまう感じがあった。でもインプレッサは同じFFでも本当にきれいに狙ったところをトレースしてくれる。車高の割にトレッド幅が広く、重心が低いボクサーエンジンを積んでるためか無駄なロールがない。このコーナーリングの気持ちよさは昔乗ってたR32スカイライン(GTSのノンターボ)に勝るとも劣らない。

 

この型のインプレッサからSGPという新しいフレームが採用されているが、そのおかげかどうかはよく分からないが、直線でもカーブでもとにかく安定性がいい。

 

サスはやや硬めな印象だけど、フィットと違ってただ硬いだけじゃなくて、衝撃は伝わるものの衝撃の角がとれている。サスがきちんと仕事をしてくれている証拠だ。

 

ブレーキは効きもタッチも良好。最近の車(スポーツカー除く)はタッチがスポンジーなものが多く、そういうのは個人的にはコントロールしにくくて好きじゃないのだが、この車はしっかりと踏みごたえがある。

 

燃費

自動車専用道1/3、峠道2/3(平地から頂上までで1/3、頂上から平地まで1/3、下りはほぼノーアクセル)というかなり特殊な通勤路を走ってリッター14~15キロ。車重1300kgを考えればまあまあかな。FFだからってのもあるかもしれない。4WDならもう1割くらい悪いだろう。ちなみに市街地オンリーだとリッター10キロ。

 

まとめ

かなり気に入ってます。もうリッター1キロくらい燃費が良ければなと思うけど、この充実した運転支援機能とハンドリングの楽しさを考えれば多少の燃費の悪さなんて目をつむってもいいかな。毎日通勤で120km、年間で3万km以上走っちゃうから、せいぜい5年か6年のつきあいだろうけど、大切にしていきたい車です。

ディテール

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この辺りがなかなかカッコいいと思う。LEDじゃないのがちょっと残念。まあ社外のやつを後付けでもいいからね。

 

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ホイールは16インチ。17インチのがカッコいいけどタイヤがバカ高いからね。実用上は16インチで十分。

 

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オプションなんにもなし。その分安かったからまあいいや。カーナビはスマホで十分だし、バックモニターはなくてもバックソナーがついてるからOK🙆‍♂️

 

GSX-S750(2019)インプレ

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乗ったシチュエーション

レンタルバイクで1時間、ワインディング中心に走った。気温14℃。タイヤの温まりにかなり時間がかかった。本当はカタナに乗りたかったんだけど、メンテ中だそうで、各所で評判のいいGSXを選択。

 

ポジション 取り回し

ネイキッドとしてはハンドルがやや低めで遠め。ステップはやや後退気味のスポーティーなポジション。

取り回しは車重なりといったところ。

 

エンジン

下から上までウルトラフラット。1000回転ちょっとからアクセルについてくる。ツキはいいけどドンツキじゃない。

116馬力もあるから公道じゃ高回転はほとんど使えないが、5000回転くらいでも十分パワフル。

6000回転くらいで微振動が出るが、気になる程じゃない。音がジェット戦闘機のようでその気にさせる。

 

ハンドリング 車体

このバイクに装着されてたタイヤがブリジストンの S21っていうややスポーティーなタイヤだったんだけど、これがクセ者で温まりに時間がかかるうえに温度依存性がけっこう高い。冷えてる間はちょっと寝かすとハンドルがガクッと切れてそれ以上寝かせられない。無理に寝かそうとするとフロントが滑りそうな感じがする。1時間の試乗のうち45分くらいそんな感じだったから正直全然楽しくなかった。気温がやや低めだったとはいえ本来の性能を発揮するまで45分も走らなきゃいけないってどうよ?

タイヤが温まってからは素直なハンドリングだけど、4気筒らしいフロント周りの重さというか安定感は感じる。2気筒に慣れちゃうとどうにも4気筒は重く感じる。

タイヤが温まっても、切れ込むわけじゃないけど、フロント主導で曲がる感じは変わらず。進入速度を速くして深く寝かすよりも、コーナーの奥まで突っ込んで腰のアクションで舵角を一気につけ、あまり深く寝かさずなるべく早くアクセルを開けていく走り方が向いているようだ。とは言えそういう走り方ができる状況は公道では限られるわけだが。

 

サスはリアに多少の突き上げ感はあるものの、衝撃の角が取れている感じで乗り心地は悪くない。フロントはブレーキングでけっこう沈むが一気に沈むのではなく減衰がしっかり効いてて安心感がある。

 

ブレーキはフロントはコントロールしやすく効きも良好。ラジアルマウントの剛性感がいい感じ。ABSもついてて安心。リアはごく普通。

 

まとめ

とにもかくにもタイヤがなあ。このバイクの性格からすればツーリングタイヤでも良かったんじゃなかろうか?最近のツーリングタイヤってけっこうグリップするし。せめてBSじゃなくてミシュランのスポーツカテゴリータイヤだったら、もう少し違った印象になったと思う。BSはケース剛性命で、表面のコンパウンドに仕事させないと全然良さが出てこないのに対して、ミシュランは比較的ケースが柔らかくてタイヤ全体で仕事する感じだから、タイヤが冷えててもそこそこ性能を発揮できる(あくまで大まかな傾向です)。

と言うわけで今回の試乗は全く楽しくなかったです。

ディテール

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タイヤ。こいつがもう少し良かったら。

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コストダウンのためとはいえ、このスイングアームのエンド部分は少々安っぽすぎないか。

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テーパー形状のハンドル。なかなかカッコいいです。ネイキッドとしてはやや低め。

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レバー調整はブレーキだけ。

 

追記 

こっちでは全く反対のインプレになってるなあ。僕が試乗した車体の空気圧が低かったとかだろうか?

バイクを寝かし込んでいく時に車体の立ちを生む強い舵角がつかないのに、寝かし込んでいくとグイグイ向きを変える

プロと素人の技量の差はあろうが、さすがにあの挙動を強い舵角がつかないとは表現できないと思うのだが。

【決定版】これで完璧!究極のバイクエア抜き法

 

 

エアは抜くのではなく押し出せ

バイクのエア抜きの方法はネットや雑誌でしばしば取り上げられるが、レバーを握ってキャリパーのブリーダーから抜くという方法を紹介しているものが多いと思う。だがこれは間違いとは言わないが非効率的だ。なぜならエアはフルードより軽く、上に登ってくるからだ。上に登る性質のあるものを下に送るのはいかにも効率が悪い。ではどうすればいいのかと言うと、注射器を使ってエアをフルードとともにキャリパーからマスター側に押し出してやるのだ。

 

具体的方法

1.まずは注射器とシリコンホース、フルードを購入

「ブレーキ 注射器」とか「エア抜き 注射器」でググれば色々出てくる。

フルードは純正と同じDOTのものを選ぶこと。

 

2.注射器に新しいフルードを充填

シリコンホースを注射器につけて新しいフルードを充填。

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(分かりやすいようフルードではなく麦茶を使ってます。当たり前ですが、実際はフルードを使ってください)

3.注射器をキャリパーのブリーダーにつける

フルードの入った注射器をキャリパーのブリーダーにつける。

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4.フルードを注入

ブリーダーを緩めて注射器でフルードを注入。

 

5.ブリーダーを締める

ちゃんと締めてから注射器を外さないとエアが入る。

 

あとは2〜5をレバーに手応えが出るまで繰り返し。最後の仕上げでちょこっと伝統的やり方でキャリパー側から抜いてやればいい。ダブルディスクであれば左右両方で上記工程をやること。

 

 

注意点

1.シリコンホースと注射器•ブリーダーの間からエアが入らないようにすること

シリコンホースの内径が大きすぎるとエアが混入することがあるので注意。できればシリコンホース接続部にクリップをかけると良い。

 

2.フルードを注入する際注射器は必ず下向きに持つこと

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フルードではなく水なので分かりにくくて申し訳ないが、上の写真のように上向きに持つとエアが上に登ってしまいエアを混入させてしまう。必ず下の写真のように下向きに持つこと。

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また上の写真で分かるように、注射器の上側にエアが溜まることがある。注射器のピストンを最後まで押し込んでしまうとこのエアが混入するので、ある程度まで押し込んだら新しいフルードを充填すること。

 

3.フルードが溢れないようにすること

このやり方だと当然リザーバータンクにフルードが上がってくる。溢れないように注意すること。

 

ラジアルマスターの場合

ラジアルマスターの場合、マスターにブリーダーがあることがあるので、最後にキャリパー側ではなくここから抜いてやるといい。

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シリコンホースにワンウェイバルブをつけて上の写真みたいにやると、ブレーキをニギニギするだけでエアが抜けるし、フルードもリザーバータンクに還流させられるのでフルードを継ぎ足すこともなく超楽チン。

 

プラスアルファのコツ

エア抜き作業を始める前にキャリパーを外してキャリパーのピストンを押し込んでおくとブレーキラインの容積が小さくなる=エアが入り込む余地が小さくなり、エア抜きが楽になる。

なおこの時フルードが上に上がるので、リザーバータンクの蓋を開けてあらかじめ少しフルードを抜いてから行うこと。

 

エア抜きでお困りの方はぜひお試しを。

テキストばっかりで分かりにくいので、不明な点はメッセージください。

 

【MT-07カスタム】中華製スクリーン装着

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右下に写ってる怪獣(4歳)がいっときも僕を一人にしてくれず、バイクに乗ることも許してくれないので、仕方なく以前に買った中華のスクリーンを装着することにした。

 

説明書はないけど取り付けは簡単、なはずだが怪獣がまとわりつくので1時間以上かかってしまった。

 

中華製だけに工作精度は推して知るべしで、ステーとスクリーンの曲面が全然合わなかったけど無理矢理取り付けた。まあ外れなきゃいいや。

 

見た目はまあまあカッコいいでしょ。3000円台でこのクオリティなら十分だね。

 

あ〜、それにしてもバイク乗りたいなあ。もう2ヶ月以上乗ってない。これじゃもうすぐ冬になっちゃうよ。

 

【追記】

高速で走ってみたけど防風効果は全くなかった。

 

【MT-07カスタム】ラジアルマスター導入(取り付け編)

こちらでちょっと書いたんだけど、

今回ラジアルマスターを取り付けるにあたり少々手こずった場面があったので今回はその辺について触れてみたい。ちなみにブレーキ関係をいじってる時は写真なんか撮ってる余裕がないのでほとんどテキストです。

 

 

マスターだけの交換なら理論上、バンジョー付近にちょっとエアが入るだけだから、レバーをニギニギするだけでリザーバータンクにエアが抜けて楽勝、と最初は考えたのね。

 

ところがいくらレバーをニギニギしても一向にエアが抜けてくる気配がない。そこでレバーを握ってキャリパーのブリーダーからエアを抜くという伝統的方法を試みてしまったのが無間エア抜き地獄の始まり。

 

言うまでもないがエアは上に登ろうとする性質がある。それを下に送って抜こうってのはどう考えても効率が悪い。ましてやマスターのバンジョー付近にあるエアならキャリパーまでの距離が長い分たくさん移動させなきゃいけないし、ダブルディスクなら途中で分岐したりして余計にエアが抜けにくい。

 

まあそうは言っても下に送り続ければいつかは抜けてくるんだが、あまりにもレバーの手応えがないので、注射器で下からフルードを圧送する方法に切り替えたんだけどやっぱりダメ。仕方ないんでまたキャリパー側から抜いてみたりして、これじゃエアを上下させてるだけで抜けるわけないんだが、フェンダーにフルードをこぼしたりしてプチパニックになってたからそんな簡単なことにも考えが及ばなかった。

 

そんなこんなでいくらやってもレバーに手応えがないので今日はやめようかと思ってたところに目に入ったのが、

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そう、ラジアルマスターは構造上マスター近辺のエアが抜けにくいからマスターにブリーダーがあるんだった。

 

ここからエア抜きしたら程なくしてレバーに手応えが出てきましたよ。最初に気づいてりゃこんなに苦労しなかったのに。。。

 

ラジアルマスターは初めてだからこんなに苦労したけど、今回のことで効率的なエア抜きの方法をマスターしたので近いうちにまとめて公開したい。

 

【追記】

エア抜きについてまとめました。


CBR400RR(1993)インプレ

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(写真がないのでホンダのプレスリリースより拝借)

 

 

乗ったシチュエーション

1994年から1年くらい所有。友達から中古で買った。

ほとんど街乗りであとはツーリング、ワインディングが少々。

 

ポジション 取り回し

この頃のバイクらしくシッティングポジションが低い上に低重心をウリにしていたため足つきは素晴らしくいい。今の250フルカウルスポーツよりいい。 

 

当時のレプリカ全般そうだけどハンドルはだいぶ低い。それでもNSRあたりと比べればまだマシで、街乗りや長距離ツーリングにも使えないことはなかった。

 

取り回しは車重が軽いうえに重心が低いので楽なんだけど、ハンドルが低いのでそういった意味ではシビアだった。

 

エンジン

低回転から高回転までアクセルに対するツキが最高にいい。高回転でのパワーは400とは思えない。僕の乗っていた型は規制前の59馬力(規制後は53馬力)だから尚更である。今の2気筒CBR400Rなんてあっという間にバックミラーの点になると思う。そうかといって神経質さはなくツーリングでも使いやすい。キャブでよくここまでチューニングできたものだと思う。

カムギアトレインのキュイーンっていう音が、当時一般にはあんまり好かれなかったんだけど、メカニカルな感じがしてこれも良かった。

 

ハンドリング 車体

コケる気がしない。低重心でどんな場面でもビシッと安定している。変に切れ込むこともなく誰が乗ってもうまく走れる。フロントの動きの素直さは今まで乗ったバイクの中で1、2を争うくらい良好。素直だからといってつまらないわけではない。本当によくできたハンドリングだ。

寝かし込みも軽い。多分いまの250スポーツと同程度。LCG(low center gravity)フレームで当時としては驚異的にマスが集中していることによるのだと思う。

 

ブレーキはキャリパーが片押し2ポッドで当時のレプリカにしてはプアな設定だが全く不満はなかった。

 

サスはやや柔らかめだが僕がワインディングで走る程度ならなんの問題もなかった。

 

まとめ

これほどまでに完成度の高いバイクはそうはない。まさにホンダテクノロジーの結晶といった感じ。

 

しばらく乗っていてなんだか乗りにくくなったような気がして手放してしまったのだが、多分フロントタイヤの空気圧が低くなっていただけだと思う。当時は空気圧の重要性すら分からなかったから実にもったいないことをした。ただそんな人間が乗っても乗りやすく速かったのだ。

 

バイクに乗ることをずっと反対してた母親を後ろに乗せて走った(駐車場で8の字走行した程度だが)のも今となってはいい思い出だ。後ろに人を乗せても安定感は全く損なわれなかった。

 

アラフィフの今乗ったとしたら前傾がキツく感じるだろうが、それでもお金に余裕があって、程度のいいのがあればまた乗ってみたいバイクだ。

【MT-07カスタム】ラジアルマスター導入(インプレ編)

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3ヶ月ほど前なんだけどMT にラジアルマスターを導入した。今回はそのインプレ編。

 

最近、色々なバイクを試乗していると、どれもブレーキのコントロールがしやすく、自分のMTもそんなふうにしたいと常々思ってた。そんな折、ヤフオクを漁ってたらFrandoの17mmラジアルマスターを発見。9000円で落札した。

 

 

 

取り付けは少々てこずる場面もあったんだけど、それは後日書くとして、とりあえずインプレ。

 

まずラジアルマスターに関してよく言われることだけど、コントロール性は非常に良くなった。今までのコントロール幅が3段階くらいだとしたらそれが10段階くらいになった感じ。

 

効きに関しては一般的にはそんなに変わらないって言われるけど、良くなってる感じがする。これはノーマルのマスター径に対してFrandoのマスター径がやや小さいことによるのだと思う。油圧ブレーキはパスカルの原理で作動してるから、マスター径が小さい方が握る力が同じなら、ストロークは長くなるものの、大きな効力を発揮できる。

 

不満な点は効き始めまでのストローク(要するに遊び)がやや大きいこと。ノーマルと同程度なんだけどもう少し早く効き始めてほしい。

それとブレーキランプのスイッチが油圧なんだけど、これがかなり深くまで握らないとランプが点灯しない。街中だとそこまで握り込むことはほとんどないので、リアブレーキ使用は必須。まあ街中でリアブレーキ使わないことはないんだけど。いずれ機械式にしようと思う。

 

そんなわけで今回のカスタムは概ね満足。これで9000円ならなかなかのコスパだと思う。ブレーキ関係は効果が実感しやすくていいね👍

 

 

MT-03(2018)インプレ

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YZF-R25(2019)と同日に試乗。新型もあったんだけど、あえて旧型に試乗。

 

排気量の違い、新型旧型の車体の違いなどR25との比較を交えてインプレ。

 

ポジション 取り回し

ネイキッドとしてはややハンドルが低め。また幅も250としてはけっこう広い。CB250Rと同じようなストリートファイター的ポジション。

 

新型はこのモデルより45mm高くなってるとのことで、跨るだけはしてみたんだけど、新型の方が個人的にはしっくりきたな。

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足つきはR25同様めちゃくちゃいい。155センチくらいあれば両足の母趾球くらいまでは着くんではないだろうか。

 

取り回しはR25より車重が軽いうえにハンドルが高くなってるのでR25よりさらに良い。

 

エンジン

R25との違いをもっとも感じさせるのはやっぱりここ。

具体的には低中回転域でのトルクの厚みが全然違う。R25とまったく同じコースを試乗したんだけど、上りのコーナーでR25だと2速では吹け切っちゃうし、3速ではトルクが細いという場面で、03では躊躇なく3速を選べる。このクラスで70ccの排気量の差は大きい。

 

ハンドリング 車体

10km/h以下くらいでの極低速でのターンでは思ったよりガクッとハンドルが切れてくる。切れ込むってほどじゃないんだけど、R25の方が自然な舵角のつき方だと感じた。そのためR25の方がハンドルが低いにも関わらずUターンはやりやすい。

速度が乗ればそういう傾向は減るんだけど、それでもR25と比べると若干だがハンドルが切れたがる傾向はあると感じた。

この差はメーターやライトがステアリングにマウントされてることによるのではないかと思うけど、新型と旧型の車体の差かもしれない。それと今回試乗した車体にはエンジンガードがついていて、それがかなり剛性に影響しそうな形なので、それも関係あるかもしれない。

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サスは新型が倒立フォークを採用しているのに対してこの型は正立なのでこっちのが柔らかいかと思ったがそうでもない。新型の方がむしろしなやかかも。これは旧型がコストの低いダンピングロッド式なのに対して新型がカートリッジ式だからだろう。とは言え旧型のサスでも特に不満はない。

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ブレーキはR25同様コントロール性は悪くないが、効きはもう少し強くてもいいかも。

 

まとめ

雑誌やネットでは250とそんなに変わらないという評価も目にしていたのだが、実際に乗ってみるとまったくそんなことはない。サーキットのように先が分かっていて、常にトルクの出る領域をキープして走れるならそこまでの差はつかないのかもしれないが、公道ではそうはいかない。70ccの効果は公道でこそ大きい。MTでもYZFでも車検のコストを考えても絶対320を選んだ方が後悔しないと思う。

 

車体に関しては新型と旧型の差なのか、MTとYZFの差なのかは分からないが、今回試乗した限りにおいてはYZF-R25の方が乗りやすいと感じた。とは言えMTでも乗りにくいわけでは全くないので、どちらでも好きな方を選べばいいと思う。

 

今回の試乗はエンジンをボアアップした場合にどのような効果が現れるか知ることができ、なかなか貴重な体験だった。

YZF-R25(2019)インプレ

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先日乗った同じフルカウル250であるジクサーSF250との比較も含めつつインプレ。

 

乗ったシチュエーション

レンタルバイクで1時間、箱根周辺のワインディングを試乗。気温30℃でタイヤの温まりに問題なし。

 

ポジション 取り回し

ハンドルがけっこう低め。ジクサーSF250と比べるとハンドルバー2本分くらい低いか。また絞り角や垂れ角も大きくかなり本気のスポーツモード。雑誌とかのインプレでは街乗りでも苦にならない程度の前傾とか言われてるが、個人的にはこれで街乗りはちょっときついな。まあリッターSSとか90年代レプリカに比べれば全然マシなんだけど。モデルチェンジ前の方が良かったな。

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ステップの位置もジクサーと比べると高めで後。相当大きく腰をずらすようなハングオフスタイルをとってもアウト側の足でしっかり踏ん張れる。

 

タンク(正確にはタンクカバー)の形状が良くて普通に乗っててもハングオフしても太腿によくフィットする。でもジクサーの方がもっと良くフィットしたかな。

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足つきはめっちゃいい。ジクサーよりいい。身長180cmで両足裏がべったり着いて、なおかつ膝が曲がる。最近のバイクはシートが高めなのが多いけど、こいつはなかなかフレンドリー。

 

取り回しはマスが集中しているのでとても軽い。

 

エンジン

下から上まで淀みなく良く回る。直4に近い印象。昔のVTなんかと比べればずっと軽い回り方をする。上の伸び切り感はシングルのジクサーよりさすがに一段上。トルクを上に振ってるのでツインでも低速でギクシャクしない。この辺も直4ぽい。サウンドもアイドリング以外はツインらしいパルス感はなくてこれまた直4ぽい。

 

3000回転以下は使えないが、ギア比の関係でそこを使うことはほぼないので問題なし。

 

下から上までフラットな出力なので明確なトルクの盛り上がりみたいなのは感じないんだけど、ある程度速く走るには8000回転以下はキープしたいところ。

 

ただ残念ながら絶対的なトルクは排気量なりで、なおかつ高回転で絞り出してるので登り坂ではどうしてもアクセルに対して一歩遅れてスピードが乗るような感じになりやすい。

ジクサーほどミッションがクロスしてないのでシフトアップの度に加速が鈍っちゃうから尚更。公道メインなら多少トップスピードを削っても、もう少しクロスミッションにしても良かったのではないだろうか。

 

クラッチ操作は軽くてミートポイントも分かりやすい。シフトダウンでかなりラフにクラッチをつないでもホッピングしたりしないので、スリッパークラッチが入ってるのかと思ったが、そういうわけではないらしい。クラッチ容量が大きいのかな。250でバックトルクが小さいっていうのもあるだろうけど。

MT-07もこのくらいクラッチ操作がやりやすいといいんだが。

 

ハンドリング 車体

ハンドリングは秀逸。寝かしこみは軽く、フロントの舵角のつきも極めて自然。高速コーナーでもアクセルをちょっと戻せばそれをきっかけにスッと軽く寝てくれる。それでいて低速コーナーでもふらつくことはない。

タイヤがバイアスなのでちょっと硬い感じはするけど、接地感は十分。同じサイズでラジアルに変えても面白いかもしれない。

ただ惜しむらくはやはりトルクの細さ。2速だとコーナーの途中で頭打ちだし、3速だとトルクがかからず良好な旋回性を発揮できないっていう場面がけっこうあった。

 

サスは適度な硬さで動きもいい。フロントの倒立フォークはやりすぎじゃないかと思ったんだけど、意外にもしなやか。後日インプレするけど、同日に乗った旧型MT-03の正立フォークよりもしなやかに感じた。カートリッジ式になったのが効いてると思う。それとトップブリッジを肉抜きして適度に剛性を落としているらしい。

僕のMT-07よりはるかにいい動きのサスだ。

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ブレーキはタッチはややソリッドなもののコントロール性はいい。効きはもうちょっとだけ強くてもいいかなと感じた。

 

その他

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R1、R6と同様にMダクトを設けてレーシーイメージを出したとのことだが、個人的にはちょっと間が抜けて見える。前モデルの方が良かったな。


2014 Yamaha R25 product video with Valentino Rossi- Nieuwsmotor.nl

こんな風に完全にレーサー化してライトをなくすとかっこいいんだけど。

 

まとめ

非常によくできたバイクだが、250という排気量ゆえのトルクの細さが惜しい。まあ平地とか下り坂なら問題ないんだけど。それと今回のモデルチェンジはサーキットも視野に入れたらしいけど、そこはキープコンセプトで公道での楽しみを追求してほしかった。CBR250RRが豪華装備で思いっきりスポーティーな方向に振ってきたからそれに対抗したんだろうけど、90年代の先鋭化したレプリカがユーザー離れを起こし、ひいてはライダー人口の減少を招いたようなことにはならないでほしい。

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【MT-07カスタム】LEDヘッドライトを導入

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タイトルどおりです。

車検のついでにやってもらいました。

 

スフィアライトのライジング2というやつです。

 

LED取り付けはライト後方のスペースが必要ですが、こいつはコンパクトなのでMTではなんの問題もなく装着できました。

 

別に見た目を変えたくてやったわけじゃないんです。僕は機能性重視なので、あんまり見た目気にしないし、ましてやライトなんてエンジンかかってなきゃつかないし。

 

じゃあなんでかっていうと、他車からの視認性を良くしたかったんですね。車のようにアクティブセーフティ機能が装備できないバイクにとっては、自身を目立たせるってのは有効な安全策になると思うわけです。

 

実際、明るいですね。写真だとあんまり分からないけど、感覚的にはハロゲンの10倍くらい明るいです。

 

LEDの光は指向性が強いので遠くまで届きます。だから遠くの車からも視認しやすいです。

 

さっき見た目は気にしないって書いたけど、やっぱカッコいいはカッコいいですね。見た目がいいに越したことはないです。

 

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ところでLEDは色んなメーカーから色んな種類が出てますが、安物は避けた方がいいです。安いやつは寿命が短かったり、最悪レギュレターなどの電装系にダメージを及ぼすこともあるらしいです。