乗ったシチュエーション
いつも通り箱根周辺のワインディングで1時間試走。気温は14℃くらいでタイヤのグリップやや低め。寒くてライディングの方もイマイチ調子が出なかった。
ポジション 取り回し
ハンドルに特徴があって、かなり幅が広くて低め。なおかつ絞りが少ない。ドゥカティのモンスターシリーズのようないわゆるストリートファイター的ポジション。ハンドル幅は725mmもあってXJR1300の680mmより広い。
それに対してステップ位置はごく普通のネイキッド。このハンドルならもう少しステップ位置が後方で高めの方がバランスがいい気がする。
跨ってみるとシートとかタンクの太腿に接する部分が、角が取れてないような感じがする。ホールドしにくいわけじゃないんだけど、ちょっと気になる。
取り回しは車重が144kgしかないことに加えてマスが集中してるのでとても軽い。
足つきはMT-07と同じくらい。まあまあってところか。最近のバイクは80年代、90年代のバイクと比べるとシッティングポジションが高いね。
エンジン
上から下までトルクの出方が極めてフラット。ジクサー250もフラットだったけど、ジクサーの方が上の伸びが少しいい気がする。ただ、僕が今回乗った個体がたまたまそうだったのかもしれないけど、妙にスロットルが重くてそれが感覚的に吹け上がりが悪いような気にさせる。あくまで感覚的なものだけど、そういうのってけっこう重要だと思う。例えばメンテしてなかったクラッチレバーをグリスアップして動きが軽くなるとそれだけでバイクが軽やかに感じたりするし。
ハンドリング 車体
寝かし込みは車重相応に軽いんだけど、なんだかフロント周りがやけに重ったるい感じがする。多分低めのハンドルでフロント荷重が大きいことに加え、剛性のめちゃくちゃ高そうな倒立フォークを採用しているからだと思う。安心感があるといえばその通りなんだけど、キャラクター的にはもう少ししなやかな方がいいんじゃないかな。
ハンドリングはフロントの動きが素直で扱いやすい。ただ、ジクサーと比べるとあっちは向きを変えるのにそれなりのアクションを要するのに対して、CBは目線だけ送ればあとは勝手に曲がってくれるような感じがある。
舵角のつき方はジクサーに比べるとやや大きめだけど、切れ込むってほどじゃない。
サスは前後とも動きが良くて、板みたいに薄っぺらいシートなのに突き上げを感じることもなくうまくギャップを吸収してくれる。ビギニングがいいのに奥でも踏ん張る。なかなか良くできてる。ここはジクサーより一段上(MT-07と比べると二段くらい上)。
ブレーキはストロークが少なくかなりカチッと効く感じ。だからといって唐突に制動力が立ち上がるわけではないのでコントロールもしやすい。ラジアルマウントの4ポッドキャリパーと高剛性倒立フォークの組み合わせで絶対的な制動力も十分。
まとめ
素直で扱いやすい。広い駐車場で8の字描いてみたんだけど、とてもやりやすくてこれならジムカーナーにも向いてるなと思った。実際JAGE B級の方のこんな記事もあるし。
ただ面白いかと聞かれるとちょっと微妙。「ホンダのバイクは優等生すぎてつまらない」みたいな主語のでかい言説に与するつもりはないけど、このバイクに限って言えばそれも当てはまるかもしれない。試乗を終わって自分のMT-07で帰る時、ジクサーは「あぁあっちにしておいても良かったかも」と一瞬思ったけど、CBは「やっぱMTで良かった」って思ったからね。250単気筒っていう限られたキャパシティの中じゃ仕方ないのかもしれないけど、エンジンフィーフィーリングでもハンドリングでもいいから、もう少し突き抜けた何かがほしかった。
追記
この写真でわかる通り試乗車はフォークの突き出しがかなり大きかった。これがノーマル状態なのかと思ってたんだがこちらのブログによるとどうもそうではないようだ。
ノーマルの突き出しは2mmだそうだが、こいつは多分1cmは突き出してる。1cmも突き出せばハンドリングは相当変わる。というか1cmは許容範囲を超えている。試乗した時、フロントの動きがちょっと過敏だなと思ったんだけど多分これが原因だろう。ノーマルならきっともっとバランスのいいハンドリングのはず。