エアは抜くのではなく押し出せ
バイクのエア抜きの方法はネットや雑誌でしばしば取り上げられるが、レバーを握ってキャリパーのブリーダーから抜くという方法を紹介しているものが多いと思う。だがこれは間違いとは言わないが非効率的だ。なぜならエアはフルードより軽く、上に登ってくるからだ。上に登る性質のあるものを下に送るのはいかにも効率が悪い。ではどうすればいいのかと言うと、注射器を使ってエアをフルードとともにキャリパーからマスター側に押し出してやるのだ。
具体的方法
1.まずは注射器とシリコンホース、フルードを購入
「ブレーキ 注射器」とか「エア抜き 注射器」でググれば色々出てくる。
フルードは純正と同じDOTのものを選ぶこと。
2.注射器に新しいフルードを充填
シリコンホースを注射器につけて新しいフルードを充填。
(分かりやすいようフルードではなく麦茶を使ってます。当たり前ですが、実際はフルードを使ってください)
3.注射器をキャリパーのブリーダーにつける
フルードの入った注射器をキャリパーのブリーダーにつける。
4.フルードを注入
ブリーダーを緩めて注射器でフルードを注入。
5.ブリーダーを締める
ちゃんと締めてから注射器を外さないとエアが入る。
あとは2〜5をレバーに手応えが出るまで繰り返し。最後の仕上げでちょこっと伝統的やり方でキャリパー側から抜いてやればいい。ダブルディスクであれば左右両方で上記工程をやること。
注意点
1.シリコンホースと注射器•ブリーダーの間からエアが入らないようにすること
シリコンホースの内径が大きすぎるとエアが混入することがあるので注意。できればシリコンホース接続部にクリップをかけると良い。
2.フルードを注入する際注射器は必ず下向きに持つこと
フルードではなく水なので分かりにくくて申し訳ないが、上の写真のように上向きに持つとエアが上に登ってしまいエアを混入させてしまう。必ず下の写真のように下向きに持つこと。
また上の写真で分かるように、注射器の上側にエアが溜まることがある。注射器のピストンを最後まで押し込んでしまうとこのエアが混入するので、ある程度まで押し込んだら新しいフルードを充填すること。
3.フルードが溢れないようにすること
このやり方だと当然リザーバータンクにフルードが上がってくる。溢れないように注意すること。
ラジアルマスターの場合
ラジアルマスターの場合、マスターにブリーダーがあることがあるので、最後にキャリパー側ではなくここから抜いてやるといい。
シリコンホースにワンウェイバルブをつけて上の写真みたいにやると、ブレーキをニギニギするだけでエアが抜けるし、フルードもリザーバータンクに還流させられるのでフルードを継ぎ足すこともなく超楽チン。
プラスアルファのコツ
エア抜き作業を始める前にキャリパーを外してキャリパーのピストンを押し込んでおくとブレーキラインの容積が小さくなる=エアが入り込む余地が小さくなり、エア抜きが楽になる。
なおこの時フルードが上に上がるので、リザーバータンクの蓋を開けてあらかじめ少しフルードを抜いてから行うこと。
エア抜きでお困りの方はぜひお試しを。
テキストばっかりで分かりにくいので、不明な点はメッセージください。