250ccは比較的初心者にも乗りやすい車種が多いカテゴリーですが、ここでは自分が乗った中で特にお薦めできるバイクを記していきたいと思います。
- 初心者にお薦めできるバイクって?
- 街乗り+時々ちょっとロングツーリングも
- ほぼ街乗りオンリー
- 街乗り+ちょっとスポーティーに
- 街乗り+もうちょっとスポーティーに
- スズキのバイクは万能性が高い
- 他のバイクはどうなの?
- まとめ
初心者にお薦めできるバイクって?
本題に入る前に、まず初心者の定義をしておきます。この辺あいまいだと誰に向けて書いているのか分からなくなってしまうので。この記事での初心者とはバイクに乗り始めて1年以内くらいの人を想定しています。まあほぼ免許取り立ての方ですかね。そういう方向けに最初の1台としてのお薦めできるバイクを挙げるという趣旨です。
お薦めの基準はまずは扱いやすいこと。難しいバイクを乗りこなす楽しみもあるでしょうが、仮に最初の1台とすれば、最初から難しいのに乗ると楽しくなる前に降りてしまうこともあると思うので「扱いやすい」は重要だと思います。
次は操っている実感を得やすいこと。抽象的な表現になってしまって申し訳ないんですが、実際に、乗りやすいんだけどイマイチ面白くないとか、速いんだけどイマイチ楽しくないみたいなバイクがあるんですよね。そういうバイクに共通してるのは操ってる実感に乏しいことなんです。まあさらに高いレベルまで到達すると楽しさを感じられるバイクもあるのかもしれませんが、そういったバイクは初心者向けではないので、当然除外しています(もっとも250ccクラスにそういうバイクはほぼないですが)。
さらに、(また抽象的になってしまうんですが)爽快感があること。結局バイクの魅力ってこれに尽きると思うんですよね。それは必ずしも速いことを意味しません。数字上のスピードはそんなに出てなくても爽快感を感じられるバイクもあるんです。
さて、250ccのバイクは比較的万能なバイクが多いですが、それでも用途によって多少の向き不向きはありますので、用途別に記したいと思います。
それでは本題へ。
街乗り+時々ちょっとロングツーリングも
Vストローム250
ツーリングといえばやはりVストローム250でしょう。かなりローギヤード(最高速は130km/hくらい)なので高速巡行時はエンジンの回転数がやや高いのが難点ですが、積載性の高いキャリア、小ぶりながらうまく走行風をいなしてくれるスクリーン、189kgと250にしてはやや重めな車重も安定性に貢献しており、250カテゴリーではツーリングに必要な要素を最も満たしているバイクだと思います。エンジン回転数が高くなりがちと書きましたが、高回転でもシルキーなエンジンなので、回して走ってもさほど疲れないと思います。純正オプションのパニアケースを使えば63リットルもの荷物を積むことができ(さらにキャリア上に積載可能)、最近流行りのキャンプツーリングなどにも最適ではないでしょうか。
ほぼ街乗りオンリー
レブル250
最高の足つき性でストップ&ゴーの多い街乗りでは非常に乗りやすいです。乗車姿勢も楽で、ゆっくり走っても疲れません。太いフロントタイヤは多少クセはありますが、大型アメリカンのように切れ込んでくるわけではなく、基本的には素直です。エンジンも低速トルクが太く、なおかつ振動も少ないので扱いやすいです。半面、上体が起きた姿勢になるので、高速でのクルージングはややしんどいです。またアメリカンにしては比較的高く後ろにステップがありますが、それでもSSやネイキッドに比べればバンク角は少な目なので、ペースを上げて峠を走りたい場合などは多少不満が残るかもしれません。
街乗り+ちょっとスポーティーに
GSX-250R
はっきり言ってパワーはあんまりないので、絶対的な速さで言えばYZF-R25とかニンジャ250の方が速いです。ただ低いパワーながらミッションの設定が絶妙なのでシフトチェンジで加速が途切れにくいです。ですので、峠でも体感的にはかなり速く感じます。また無理に高回転域にトルクを振っていないので見知らぬワインディングで回転数が落ちてもモタつくことはないし、市街地でキビキビ走るのも得意です。乗車姿勢もライバル達より上体が起きて楽なので、街乗りでも疲れにくいです。
街乗り+もうちょっとスポーティーに
ジクサーSF250
GSX-250Rに似たキャラクターですが、サスの設定や軽量な車体など、もう少しスポーツ寄りです。エンジンもパワー的にはGSX-250Rと同等程度ですが、高回転でのダイレクト感が強調されています。とは言えYZF-R25やニンジャに比べるとポジションは楽ですし、シングルなので低速トルクも太く、それらよりもっと万能なバイクと言えます。
スズキのバイクは万能性が高い
ここまで挙げた4台のうち3台がスズキですが、別にスズキ党っていうわけではなく、実際に乗った感想で選ぶとこうなっちゃうんですよね。スズキの250は全体的に無理に高回転・高出力を追求せず、実用域での扱いやすさに割り切ってエンジンを設計していると思います。こう書くとなんか遅いバイクみたいですが、ミッションをローレシオかつクロスミッションにすることで最高速を捨てる代わりに加速はライバルに劣らないどころか、体感的にはむしろ速いんじゃないかとすら感じます。
またポジションも、どのバイクもどんなシチュエーションでも対応できるように設定しているので、エンジン特性と合わさってあらゆる用途に使える万能性を備えていると思います。例えばVストロームで峠をガンガン攻めることもできるし、ジクサーをロングツーリングに使うことも(積載性を除けば)特に問題なくできるでしょう。
他のバイクはどうなの?
上に挙げた以外で乗ったことのある250ccバイクはMT-25、YZF-R25、CB250R、CBR250RRです。
MT-25、YZF-R25はともにいいバイクですが、250ccというキャパシティーや排ガス規制という制約のなかでちょっと無理に高回転・高出力にしすぎている感じがします。別に低回転のトルクが扱いにくいほど細いっていうことはないんですが、スズキの250の方が高出力を捨てた代わりに実用域が力強く公道ではアドバンテージがある気がします(速いという意味ではない)。YZF、MTにはそれぞれR3、03があるので、車検が気にならないのであればそちらの方をお薦めします。
CB250Rはレブルと同じエンジンで低速トルクも太く、ハンドリングも適度にスポーティーな万能バイクですが、乗り心地がやや硬いのが少々気になりました。
CBRはかなりスポーツに割り切ったバイクで、峠のみならずサーキットでも十分通用するエンジンや足回りですが、ポジションがきつく、エンジンもヤマハ以上に高回転・高出力に振っているので初心者が乗ることを楽しむにはやや敷居が高い印象です。
まとめ
シチュエーション別にあえて1台挙げるとこういう結果になりましたが、250ccクラスはCBR250RRを除けばどのバイクも扱いやすく様々な用途に対応しやすいです。CBRも80年代、90年代のレプリカほど実用性を無視した設定ではないので、初心者でも乗りにくいというほどではないと思います。特にお薦めは上記4台ではあるものの、それ以外のバイクを選んでも後悔することはないと思います。