バイクインプレ日記

NIKEN(2019)インプレ

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乗ったシチュエーション

レンタルバイクにて2時間試乗。市街地とワインディングを半々程度に走った。気温は20℃くらいでタイヤのグリップは良かったと思うけど、このバイクにはそういうのあんまり関係ないかも。

 

取り回し ポジション

大柄だが、マスが集中してるのか、意外と取り回しは軽い。今乗ってるXJR1300より軽く感じるくらい。

フロント周りがでかいが、乗ってみても同様な印象で、まるで車に乗ってるみたい。当然すり抜けは無理。

ポジションはハンドルがかなり幅広でやや近め。上半身だけだとちょっとモタードっぽいかも。ステップはやや低めのネイキッドという感じ。タンクの形状が良くて太ももで挟みやすい。

足つきは最悪。ライディングにちょうどいい位置に座るとシートの幅が広すぎて、そこから両足を下ろすと身長180cmで足指のつけ根くらいまでしかつかない。シートの前が絞られてるので目一杯前寄りに座れば多少マシになるもののそれでも踵は浮いちゃう。片足でもお尻をずらさないとベタ足で着くのは無理。シート高が高いっていうよりシート幅の影響が大きい。コーナーリングでシートから荷重するには好都合なんだけどね。唯一救われるのは重心が低いからグラっとはこないこと。今回初めて足つきに困るという体験をして、小柄な人が大きなバイクに乗るのにいかに困難があるか、少し分かった気がする。

 

エンジン

実は3気筒エンジンに乗るのは初めて。2気筒と4気筒の中間のような特性ってよく言われるが、どっちかっていうと4気筒に近い印象を受けた。ツキのいい4気筒って感じで、昔乗ってた’02のR1に似てる。等間隔爆発だしね。

モードが3つあって3が一番穏やかで1が最もツキがいい。モード3だと全閉からの開け始めのレスポンスが悪すぎて、交差点を曲がる時なんかにアクセルについてこなくておっとってなることがある。市街地ではモード2が乗りやすい。

クランクが軽くてレスポンスのいいエンジンは一定の速度で走るのが苦手。低回転から粘りがあって扱いやすいんだけど、アクセル一定だとつまらなくてつい加速したくなるっていうか、ちょっと急かされるような感覚がある。

中〜高回転の吹け上がりは猛烈で、たとえモード3でも7000回転以上を使いこなすのは、少なくとも僕の腕では公道じゃ無理。モード1に設定して直線で大きくアクセル開けてみたんだけど、この巨体を弾丸のように加速させる。体感的には'02R1より強烈な加速だった。

 

ハンドリング

普通の二輪と変わらない。フロント二輪を感じさせるのは停止直前の極低速でやたら安定してるってことくらい。あんまり安定してるからそのまま足出さないで止まれるんじゃないかと思うくらい(本当にそうなら便利なのに)。

操舵感覚自体は普通の二輪となんら変わるところがないんだけどフロントの接地感は絶大で、何があってもフロントから逝くことはない気がする。実際に下の動画みたいにリアが相当流れる状況でもフロントは安定してるから(10:35あたり)、素人が乗ってフロントからスリップダウンさせることはほぼ不可能だろう。


NIKENのLMW機構とウェット路面のスライド走り@伊豆サイクルスポーツセンター|丸山浩の速攻バイクインプレ

これもすごい。


ヤマハ ナイケンにタイヤチェーンを装着して雪道を走ってみた!

舵角は割と大きくつく方だけど、切れ込むわけじゃない。ちゃんと必要な分だけ切れて止まる節度のあるもの。イン側の手で押さえないとバランスがとれないなんてことはない。

サスは前後とも硬くて、特にフロントは全然動いてないんじゃないかと思うほど。だからけっこう突き上げは感じる。

寝かし込みは車重相応に重さを感じるもので、XJR1300あたりのリッターネイキッドと同じような感じ。椿ラインみたいな細かいカーブが続くワインディングを軽快に走るのは苦手かもしれないけど、伊豆スカイラインみたいな大きなカーブが多い道では、安定感に身を任せて大きな体重移動でダイナミックにマシンを操る楽しさがある。

 

まとめ

一言で言えばフロントに絶大な信頼のあるツアラーって感じか。何度も言うけどこのフロントのグリップ感は半端なく、車重が70kgも軽いMT-09とサーキットでのタイムがほとんど変わらなかったってのも分かる気がする。


NIKEN=ナイケンでサーキットを全開走行してみた

ただすごく贅沢を言うと、せっかく新しいテクノロジーを導入したのだから既存の二輪とは違う、誰も体験したことのないような新しいハンドリングを見せてほしかったなとは思う。まあそれだけ違和感のない二輪のハンドリングを実現してるってことなんだけど。

とにもかくにもヤマハすこいぜ。