乗ったシチュエーション
いつものレンタルバイクでワインディングを1時間試乗。気温20℃でなおかつ直前に乗ってた人がいたのでタイヤの暖まりに問題なし。
ポジション 足つき
足つきは身長180センチで両足裏べったりで膝もかなり余裕がある。このクラスとしてはかなりいい方ではないか。
ポジションはトップブリッジ下についたハンドルがかなり低そうな印象を与えるが、実際にはそこまで前傾姿勢ではない。ニンジャ400のハンドルをちょっと遠くしたくらい。同クラスのYZF-R7と比べると全然楽。市街地でもさほど苦にならないはず。
シートは後端がやや盛り上がっているが、さほど前下がりではない。
タンクは4気筒の幅広エンジンを包み込んでるだけあってかなり幅が広い。普通に座るとタンクに接するのは膝頭だけで太ももは接しないが、ハングオフの姿勢をとるとアウト側太ももの内側がピタッと接する。
エンジン
さすがにこのクラスになると4気筒でも低中回転域からアクセルにちゃんとついてくる。4000回転以上回していれば十分スポーティーに走れる。
高回転域での伸びは昔の600ccスーパースポーツと比べるとやや頭打ち感が早いが、それでも十分パワフル。本領発揮は8000回転くらいからだが、この回転域になると相当速度が出ているので公道ではなかなか使えないだろう。
全域で振動が少なく、アクセルに対するドンつきもないので非常に扱いやすい。2000回転以下くらいの極低回転でも粘りがあってスナッチーな感じが全くない。いかにもホンダの4気筒といった感じだ。
ハンドリング
寝かすとけっこうしっかりと舵角がつくタイプのハンドリング。かといってむやみに切れ込むわけではなく、コーナーリングの最中ずっとイン側のハンドルを押し続けなければならないとか、ハンドルが切れすぎて車体が起き上がってしまうようはことはない。
寝かし込みは4気筒故にクランクマスが大きいこと、前述したように舵角がしっかりつくことから、それなりに手応えがある。ただ闇雲に軽いよりは多くの人にとって安心感のあるものだと思う。
寝かせてからアクセルを開けていくときれいに狙ったラインをトレースしてくれる。ホンダのハンドリングはオンザレール感覚などと昔よく言われたが、まさにそんな感じ。適度につく舵角のお陰で無駄に深く寝かさなくてもきれいに曲がれる。
サスは前後とも柔らかめで乗り心地がいいが、フワフワした感じはない。特にフロントは秀逸で柔らかめにも関わらず強めのブレーキでもしっかり踏ん張ってくれる。
ブレーキは、フロントは特筆すべきことはないが効きもコントロール性も及第点といったところか。リアは低速で走っているときには効力の立ち上がりがやや唐突に感じられたが、速度がある程度乗るコーナーではスピードのコントロールがしやすかった。
まとめ
非常に完成度の高いバイクだ。市街地から長距離ツーリング、ワインディングは言うに及ばず、おそらくサーキットでもかなり走れるだろう。
ただ、もうちょっとプラスアルファがほしいのもまた事実。例えばブレーキをうまく使うとスパッと寝かせられるとか、アクセルを開けるとグングン曲がるとか。
とはいえ大型初心者にとってはベストチョイスになりうるし、ベテランでも大きな不満を持つことはないだろう。ホンダの直4は伝統的に間口が広いものが多いが、このCBR650Rもまさにその系譜である。
ディテール
CBRシリーズ共通イメージのフロント。大変かっこいい。
フロントサスはSFF-BP。とてもいい動きをする。
リアサスはリンクレスだが、何の問題もない。
スイッチ類は指のかかりが良くて扱いやすい。
フロントのマスターシリンダーは普通の横型。
昔のCBR600Fはアルミフレームだったけど、650Rは鉄フレーム。