乗ったシチュエーション
いつものレンタル819南箱根店で一時間レンタル。ひとコケ15万円にビビりながら試乗。気温は20℃程度だが、直前まで屋内に置かれていたのでタイヤの温まりに10分ほどかかった。
ポジション
幅広でやや低めなストファイらしいハンドルにやや高めのステップという組み合わせ。軽度の前傾姿勢で街乗りでも問題ないレベル。
タンクの形状が良くて太ももがピッタリとフィットする。
足つきはシートの前方に座れば身長180センチで両足裏まで着くが、そんなに余裕はない。足つきが良い部類ではないだろう。ちなみにシート形状は非常にフラットで、腰の移動がしやすい。
エンジン
低速トルクが細いから発進でエンストしてコケる人が多いとお店の人に脅かされてたので、恐る恐るクラッチを繋いだが、言うほどではない。確かに油圧クラッチ特有のミートポイントの分かりにくさはあるものの、昔乗ってたTDM850のほうがよっぽど発進に気を使った。
とはいえ低速トルクが細いのは事実で、3000回転以下はほぼ使いものにならないと思ったほうがいい。クランクマスが小さいのでレスポンスがいい反面、低回転での粘りもない。そのため遅い車について40キロ以下で走らなければならないような場面では、1 速で過敏なアクセルレスポンスに気を使いながら走るか、2速で半クラ当てながら走ることになる。
5000回転を超えると本領発揮。ツインらしからぬ伸びやかな吹け上がりを見せる。9000回転くらいまでしか回せなかったが、おそらくそれ以上の回転域まで淀みなく回るだろう。
ハンドリング
乘ってまず感じるのはフロント周りのどっしり感。まるで直4SSのよう。そのため街中を走るようなペースだと寝かし込みはもっさりしてるし、寝かしてからもイン側のハンドルに力を入れ続けないとバランスが取れないような感じがある。ついでにその速度域だとサスもゴツゴツである。
逆にちょっと強めにブレーキをかけて、そこからフォークが伸びないようにブレーキレバーをリリースしつつ寝かせるとスッと軽く寝てくれる。ハンドリングもニュートラルになる。そしてアクセルを開けてリアにトラクションをかけるとグイグイ曲がる。サスの路面追従性もいい。
ただブレーキリリースのタイミングだったり、重心移動のタイミングだったりがちょっとズレると同じような反応が得られない。前にムルティストラーダに乗った際も若干感じたが、この辺がドゥカティはライダーに正しい乗り方を教えてくれるという所以なんだろう。日本車にはない特性であるが、ちょっとシビアだ。
少し気になったのはブレーキ。ムルティストラーダの時も感じたが、レバーの動きがちょっと渋い気がする。サーキットで飛ばしたりすれば気にならないのかもしれないが、ゆっくり走ってるときはややコントロールしにくい印象だった。
まとめ
文面だけ見るとなんだかやたらととっつきにくいバイクのように思えるかもしれないが、昨日免許取ったばかりの人だって問題なく乗れる。ただ面白さを引き出そうとするとそれなりの乗り方が求められるだろうし走る場所も選ぶ。他は全て我慢してもコーナー1つに快楽を求める人には最高のバイクだろう。
その他
スタンドがアルミでできてて、シートの高いオフ車に乗るときみたいに左ステップに足を乗せて跨がろうとすると、ポキンと折れてしまうらしい。そんなに繊細に作らんでも…。
リアタイヤは180/60という珍しいサイズ。自分が乗るとしたら55扁平に変えて少しリア下がりにするかな。