先日書いた記事と同じようなことなんだけど・・・
ちょっと興味深い記事を読んだ。
内容をざっくり書くと、複数メディアでパイロットロード5とロード6の比較インプレッションが掲載されて、元GPライダーの原田哲也さんとライドハイ誌の小川編集長はロード6をロード5と比較して「軽快」「スポーティー」と評しているのに対して、和歌山利宏さんはロード6を「穏やか」と評しているとのこと。
僕はロード5もロード6も履いたことがないので実際は分からないのだが、記事全体を読んで想像するに、
ロード5:寝かした際の舵角が比較的大きくつく特性。ある意味切れ込み気味なので速度が低いとロール方向への動きは軽快感を欠く。速度を上げてブレーキングでしっかりフロントに荷重をかけ、スパッと寝かしこむと切れ込み感は弱まり、それでいてフロントはしっかりインを向くのでアクセルを開けるとしっかり曲がる。
ロード6:ロード5に比べると舵角は積極的にはつかないので、どんな速度域でもロール方向には軽快。半面フロントがインを向く力は弱いのでアクセルを開けて曲がっていく特性はやや弱め。
といったところではないか。
お三方とも技量に関してはプロなので感じたことに相違はないと思う。しかし表現の仕方が違うのだ。そしてこの表現の仕方が違うことこそがメディアにおけるインプレ記事の最大の問題点である。
つまり「軽快」だの「スポーティー」だの「穏やか」だの抽象的な言葉を使うから同じことを表現してもまるで正反対のようになるのだ。「軽快」だの「穏やか」だのというのは人によって定義が違う。あるいは着眼点によっても違ってくるかもしれない。例えばスパンと寝かしこめる、つまり1次旋回性能が高いのをスポーティーという人もいるだろうし、アクセルを開けた時にグイグイ曲がる、つまり2次旋回特性が高いのをスポーティーという人もいるだろう。またロール方向に軽いのを「軽快」という人もいるかもしれないし、寝かした途端ズバッと舵角がつくのを「軽快」という人もいるだろう。
結局、あいまいな言葉を定義づけすることもなしに使うからマズいのだ。両方読んだ読者がいたとしたら混乱するだろう。
せっかくの比較試乗会なんだから、僕が上述したようにポイントごとに比較して具体的に記述した方が分かりやすくないか?せめてロール方向とヨー方向の動きぐらい具体的に書いてほしいよ。
さて、今回この記事を書くにあたっていくつかロード6のインプレ記事をネットで漁ってみたのだが、面白い記事を見つけた。
webikeの記事で、webikeスタッフ、原田哲也さん、元GPライダーの岡田忠之さんがインプレしているのだが、webikeスタッフの方のインプレが一番分かりやすかった。
ロード6は、ハンドリングで例えるなら、フロントタイヤの空気圧が少し高くなったような感覚があります。
これだけでほぼ完璧じゃないですか。この一文があれば自分のタイヤでフロントタイヤの空気圧を上げたり下げたりすればおおよそハンドリングの傾向の違いが分かるんだから。
まあ色々事情はあるんでしょうけど、なるべく具体的な記述をお願いしますよ、インプレで飯食ってる皆さん。