バイクインプレ日記

【注意喚起】箱根新道は追い越しバカに気をつけろ!

 

 

本日、ドゥカティのムルティストラーダをレンタルして伊豆箱根方面へツーリングに行ってきた。その試乗記はまた後日書くとして、今回危うく死にかけたのでその顛末を注意喚起ならびに自戒として記すことにする。

 

目の前に対向車が!

7月27日11時頃、私は箱根新道の上り(静岡方面行き)を走っていた。登坂車線で先行車をパスして前方がクリアになり、左コーナーの立ち上がりでドゥカティのスポーツ性を試すべくアクセルをワイドオープン。すると目の前に信じられない光景が!

私の走ってる車線上を何故かベンツがトラックと並走しながらこちらを向いている。トラックを追い越そうと対向車線を逆走していたのだ。恐怖心を感じる間もなくパニックブレーキ!しかしなかなか減速しない!迫り来るバカベンツ!万事休すかと思った時、かろうじてバカベンツが自車線に戻りなんとか正面衝突を避けることができた。

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場所はここ。下から上っていくと、大観山に通ずる分岐のちょっと手前辺り。直線の距離は200m程度しかない。仮に自車と対向車が80キロで走っていた場合、直線の始まりから追い越しをかけても4.5秒以内に追い越しを完了しなければ衝突する。実際は直線に入ってすぐというわけにはいかないだろうから時間的猶予はおそらく2、3秒だろう。そんな所でもセンターラインを割って追い越ししようとするバカがいるのだ。

 

箱根新道特有の危険性

こうした事は箱根新道に限らずどこでも起こりうることだが、箱根新道では特にその危険性が高い。

箱根新道という道はライダー諸氏にとっては著名なツーリングルートだが、物流の大動脈という側面も持つ。そのため大型トラックやダンプ、トレーラーなどがひっきりなしに通る。本当は東名や246などを通ってもらいたいが、経費やルートの問題もあるだろうし、重量制限で箱根新道を通らざるを得ない場合もある。

箱根新道は急なカーブが連続するので、大型車は下りでもスピードを出すことができない場合がある。慣れないドライバーだと40キロ以下になってしまうこともある。

上り(登坂)は譲り車線が4ヶ所あるが、下り(降板)はずっと一車線で追い越せる場所はない。

そうするとそういう大型車を強引に抜きにかかるバカが出てくるのである。

実は私は通勤で毎日箱根新道を通っていのだが、そういうバカは数えきれないくらい見てきた(ダンプにでもぶつかって死んでくれりゃいいのにと思うが)。幸いなことに衝突事故になった例は見たことがないが、今回は自分自身が犠牲者になっていたかもしれないのだ。

 

自分自身の反省点

今回は対向車のはみ出しということで、ほぼ100%相手の責任といっても言いわけだが、それでも自分自身にも反省すべき点があった。

今回の乗っていたのはドゥカティのムルティストラーダ。言うまでもないが、ドゥカティはその高いスポーツ性が売りである。そのためダラダラ走っていても正直あまり楽しくはない。ムルティストラーダはドゥカティとしては比較的間口の広い多用途に使えるバイクではあるが、それでもやはりダラっと走っているといまひとつ面白くないのである。そのため普段よりかなりペースが速かったのは否定できない。少なくとも公道で常識的に許容される範囲は逸脱していたと思う。

振り返ってみると今回は「開けないとつまらないバイクなんだから開けるのはしょうがない」という自分勝手な理屈を正当化していた気がする。開けないとつまらないバイクなら我慢して淡々と走るべきだったのだ。上記のように箱根新道特有の危険性を承知していたのならなおさらだ。

 

正面衝突という事態であれば50キロでぶつかろうが100キロでぶつかろうがダメージに大した差はないのかもしれない。それでも50キロだったらなんらかダメージ回避のための手段を講じる余裕はできるだろう。

 

今回の件で得られた教訓

過ぎたことをいつまでも反芻して怖がっていても進歩はない。大事なのはそれをどう生かすかだ。以下に今回の件で得られた教訓を自戒の念を込めて記したい。

まずはとにもかくにも公道での常識的な速度を逸脱しないこと。いつも制限速度を守れというわけではなく、自分自身の限界の50%程度で、常に心に余裕を持って走ることが大切だ。峠も「攻める」のではなく「流す」程度にしなければならない。

それから装備には最大限の配慮をすること。今回はレンタルバイクということで普段装着しているエアバッグを使っていなかった。にもかかわらずジャケットのプロテクター類を動きにくいからという理由で外していた。これは慢心以外のなにものでもない。またグローブもレーシンググローブが破れてからプロテクターがついたものを使っていなかった。これも早急に対処しなければならない。

またワインディングを走る際には前に車がいない時こそ注意が必要だ。前に車がいないとつい気分よく飛ばしがちだ。だが正面衝突はほとんどが前に車がいない時に起こるのである。正面衝突自体まれなことではあるが、いざ起きてしまえばそのダメージは計り知れない。気持ちよく走れる時にこそ心にブレーキをかけ、しっかりと先を予測しながら乗ることが重要だ。

 

バイクで飯を食っているレーサーなら命をかけてバイクに乗らなければならないこともあるだろう。だが、我々素人ライダーがバイクに乗るのはあくまで趣味、楽しみのためなのである。楽しみの手段で人生が台無しになっては本末転倒ではないか。

私の夢は一生バイクを楽しみ続けることだ。そのためにはバイクで命を落としたり、大きなケガを負ったりすることはあってはならないのだ。

無事これ名馬。この言葉を肝に銘じたい。


追記

動画を撮ってみた。バカベンツ側からの視点。制限速度プラスアルファ程度の速度だが、直線の始まりから終わりまで8秒くらいしかない。こんな所でセンターライン割るバカがいるのだ。