バイクインプレ日記

RZ50(1984)インプレ

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乗ったシチュエーション

1996年から1998年まで所有。従兄弟からタダでもらった不動車をレストアした。初めてエンジンを分解したバイクなので思い入れがある。書類上51ccにボアアップしたことにして、小型二輪登録して乗ってた。最後はチャンバーを盗まれてしまいヤフオクで売却した。

街乗りにしか使わなかったが、郊外だったので近所にちょっとしたワインディングっぽい場所があり、たまにそこを流したりしてた。

 

ポジション 取り回し

前後18インチのホイールなのでかなり大柄に見える。またがってもNS50Fより少し大柄な感じで身長180cmの僕が乗っても窮屈感はなかった。

取り回しは車体が軽量なので楽々。

 

エンジン

2スト50ccとしては異例に低速トルクがある。同じ2スト50のNS50Fは発進の時かなり回転を上げて気を使いながらクラッチを繋がなくてはならなかったが、こいつはラフにクラッチを繋いでそのままアクセルを開ければグングン加速した。車体が軽量なこともあって、発進加速は4スト125より良かった。この低速トルクの太さはおそらくYEIS(Yamaha Energy Induction System)によるものだと思う。

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YEISはキャブレターとリードバルブの間に設けられたサブチャンバーで、低中速での充填効率を高めるもの。他のメーカーも似たような研究はしていたらしいが、形状や容積にノウハウがあるようでヤマハ以外は採用されなかった。結果として2ストらしからぬフラットトルクなエンジンになったのである。低速トルクが太いからといって上が吹けないわけではなく、2ストらしく高回転ではパワー感が増してレッドゾーンまできれいに回る。原付は1983年頃から60km/hのスピードリミッターがつき始めたんだけど、この型はまだリミッターがなくてスピードメーターも90km/hまで目盛りがあった。実際にメーター振り切るくらいのスピードは出た(クローズドコースで試したってことにしてください)。

 

ハンドリング 車体

前後18インチのためか同じフルサイズ50のNS50Fと比べると安定感があった。軽量な車体に細いバイアスタイヤだと、ともすると無機質なハンドリングになりがちだが、原付でもヤマハらしいしっとり感があった。ただIRCのハイグリップタイヤを履いた時は寝かせてもハンドルが切れず、どんどん寝てっちゃうようなハンドリングになってしまった。空気圧を半分くらいにすると普通のハンドリングになったんだけど、なんとなく気持ち悪くてノーマルに近いタイヤに戻した。タイヤの剛性が高すぎたのかもしれない。

 

サスは前後ともめちゃくちゃ柔らかかったが、これは多分経年で抜けてたんだと思う。

 

ブレーキはタッチも効きも今ひとつ。パッドを良いものに変えれば多少マシになってたかもしれない。

 

まとめ

パワーもハンドリングも原付とは思えないワンランク上のものだった。80年代半ばから90年代初めにかけてはバイクメーカーのラインナップも豊富で、50ccスポーツもホンダはNS50FとNSR50、スズキはRG50Γ、カワサキはAR50と各メーカーしのぎを削っておりキッズたちの心を熱くしたものだ。あれから30年、あんな時代はもう訪れないだろう。日本は本当に貧しくなった。