バイクインプレ日記

サーキットは安全なのか

痛ましい事故が起こった。

 

 

情報によると30台ほどが走行していたとのことで、ネットでは台数が多すぎたのではないかとの声もあるようだ。確かに全長1.2kmのミニバイクコースよりやや大きい程度のサーキットにしては台数が多いと思うし、多重クラッシュなので台数が少なければ起こる確率は相対的に小さかったとも思う。またこの走行会について調べてみると主催者はメーカーや販売店、メディアなどではなく同好の士の集まりのようで、安全配慮が不十分だった可能性もあるかもしれない。だが、それは本質的な問題ではない気がする。そもそもの話、サーキット走行は危険が伴うのだ。

(※以下は主にサーキット走行未経験者および走行会を数回体験した程度の初心者を想定して書いています)

 

自身の経験

2006年頃だったと思うが、富士スピードウェイ(FSW)のショートコースで走行会があり、僕はミニバイク(4スト125ccならびに2スト80ccまで)のカテゴリーにKSRⅡでエントリーした。当時ホームにしてたミニバイクコースでは週1くらいのペースで走っていたし、筑波の(ファミリー走行だが)ライセンスも一応持っており、それなりにサーキット走行の経験も積んだつもりだった。FSWショートコースもYZF-R1で2回ほど走ったことがあったのでさほど緊張もせずに走り出した。しかし走り出してすぐにどうにも普段と勝手が違うことに気づいた。当然だがR1とKSRではパワーも車重も違う。R1で走った時と同じような感覚で走るとバイクが軽すぎてどうにもコーナーでバイクが安定しない。パワーがないのでアクセルを開けてもトラクションがかからない。FSWショートコースは小規模のサーキットとは言え四輪も走れる幅があり、ミニバイクコースに比べればずっと広い。広いコースを小さいバイクで走るちぐはぐさに慣れず、ジタバタしているうちに1コーナーに入ったところで後方から何か音がしたような気がした。その直後何かが僕のバイクに衝突した。何が起きたか分からないうちにバイクがスリップしその後ハイサイドで体が路面に投げ出された。どのような形で投げ出されたのかは分かりようもないが、後ろでんぐり返しのように転がって思わず「グエッ」と声が出たのは覚えている。呆然として立ち上がろうとするが地面が揺れるような感じがしてうまく立てない。脳震盪を起こしたようだ。周りを見渡すと僕のKSRとNSR50が転がっていた。どうやらアウトからクリッピングにつこうとした僕のバイクに、後ろからインをつこうとしたNSRが驚いて握りゴケし、滑って僕に衝突したようだ。

結局走行会は赤旗中断、僕は救急車で病院に運ばれた。幸い大きな怪我はなかったが2、3日はなんとなく頭がぼんやりして調子が悪かった。

今思えばR1と同じ感覚でラインどりしたのがまずかったとは思う。大きなコースを軽量なバイクで走るのだからもっとインベタに近いラインで小さく回れば良かったのだ。そうすればラインが交錯することもなかったろう。

その後、誘われて筑波でのミニバイクレースなどにも出たが、この出来事がトラウマになって全く楽しめなかった。

 

サーキットの危険性

メディアなどでこんな話を聞いたり目にしたりしたことはないだろうか。「サーキットはいきなり車が飛び出してくるような不測の事態が起きないから公道より安全」。メディアもモータースポーツの裾野を広げたいからこういうことを言うのは分かる。それがいずれ自らの利益になって返ってくる可能性があるわけだしそれは当然だ。だがこうした言説は本当に正しいのだろうか。

確かに公道に比べてサーキットはアクシデンタルなことは起きにくいかもしれない。だが言うまでもないことだがサーキットは速度域が公道に比べればはるかに高い。何らかのアクシデントが起きてしまえばその結果は公道より重大なものになる可能性もあるのだ。

サーキットで最も重大な事故になりやすいのが他車が絡んだ場合である。サーキットにおける単独でのスリップダウンで大怪我をすることはまずないし、万が一ハイサイドになっても初心者レベルの速度域ならそこまで大きく飛ばされることはない。しかし他車が絡んだ場合はたとえ速度域が低くとも重大な結果を招くことがある。

公道には厳密な交通ルールがあるが、サーキットにそうしたものはない(フラッグルールはあるが、あれはあくまでアクシデントが起きた後のルールである)。一応抜く際のマナー的なものはあるがルールとして定めらているものではない。公道よりはるかに広い道幅を縦横無尽にラインどりしてもマナー違反にはなってもルール違反ではないのだ。その結果、僕のように他車のラインと交錯して衝突することも多々ある。

また特に走行会に特有の危険もある。それは技量が異なるライダーが性能の異なるバイクに乗って同時に走ることだ。レースであれば技量やバイクの性能はある程度同じレベルに収まっているが、走行会だとクラス分けがされていてもあくまで自己申告であることが多い。また排気量のくくりも250cc以上、以下程度の大雑把な区分であることが多い。その結果直線でハイパワーのバイクに速度差100km/h以上で抜かれたり、軽量バイクとビッグバイクでブレーキングポイントが50m以上違うなどということが起こる。こうした状況が追突、接触を生む要因となる。そしてそのダメージは大変甚大なものになりやすい。

和気あいあいを売りにしたような走行会でも実際に走ってみるとかなり殺伐とした空気を感じることもある。サーキットはそもそも速く走るための場所であるし、速く走った結果アドレナリンが分泌されまくって闘争心を掻き立てられることもある。それによってレースではない走行会であっても危険な追い抜き、インへの強引な突っ込みなどはしばしば起こる。高い参加費を払って走ってるわけだし、前に遅いバイクがいて自分のペースで走れなければストレスもたまるからなおさらだ。これもサーキットならではの危険性と言えるだろう。

 

接触、追突などは公道では「あってはならないこと」だ。だがサーキットではそれは「あっても仕方ないこと」なのだ。サーキットとはそういう場所なのだ。

そういったリスクを認識せず安易にサーキットを走ることはやはり危険だと思う。

 

サーキットを安全に走るために

それでも一度はサーキットを走ってみたいという方もいるだろう。そんな方のために安全にサーキット走行できるよう押さえておくべきポイントを記したい。

 

メーカー、大手用品店、メディア主催の走行会に参加する

メーカーやメディアなどが主催する走行会で重大な事故が起こればブランドイメージが棄損する。そのためこうした主催者は安全にはとても力を入れる。サーキット初心者はまずはこうした走行会から参加するのがいいだろう。

 

小規模サーキットから始める

鈴鹿や茂木、富士など大規模サーキットはトップスピードが尋常じゃなく速い。そのためストレートからコーナーに入る際のブレーキングが非常に難しい。過去に茂木の走行会でストレートからノーブレーキでコースアウトしタイヤバリアに激突するという死亡事故があった。これはおそらく経験したことないスピード(ストレートエンドでおそらく200キロ以上出てる)に体が硬直してブレーキがかけられなかったのだろう。サーキット慣れしてない人はまずトップスピードがそこまで出せない小規模サーキットから始めるのがいいと思う。関東近郊だと

筑波コース1000

FSWショートコース

茂原ツインサーキット

スポーツランド山梨

日光サーキット

那須モータースポーツランド

あたりのコース全長1000m程度のところから始めるのがいいだろう。

 

安全装備は上質なものを

フルフェイス、革ツナギ、レーシンググローブ、レーシングブーツはレギュレーションで決められているので当然だが、それぞれの質にもこだわりたい。ヘルメットは必ずスネル規格のものを、ツナギ、グローブ、ブーツもダイネーゼやアルパインスターなど有名メーカーのものを選ぼう。

 

•  エアバッグを使おう

最近はサーキットでも着用する人が増えているようだが、着るタイプのエアバッグを使おう。有名メーカーの革ツナギだと最初から機能としてついているものもあるようだが、ツナギの上から着るタイプでも十分だ。アルパインスターなどのように加速センサーで作動するものと、ヒットエアのようにワイヤーで作動するものがあるがどちらでもいい。ハイサイド時のダメージ軽減に非常に有効だ。

 

レコードラインを大きく逸脱しない

サーキットにはレコードラインと呼ばれるそこを走れば最もタイムが出やすいラインがある。多くのライダーがこのラインを走るので、そこから大きく逸脱しなければ他車と接触する可能性は小さくなる。

 

後続に譲らない

後続車に悪いと思ってラインを急に変えたり減速すると追突される危険がある。上手い人はどこかで勝手に抜いてくれると信じて自分のペース、ラインどりを守ろう。

 

周囲に気を配る

わざわざ後方を振り向いたりしなくてもいいが、意識の上で前だけでなく横や後ろにも注意を向けよう。意識するだけでも違うはずだ。

 

最初の2、3周は6割、その後も8割で走る

走り初めはスピードに目がついていかない。走行会であれば先導がついてくれることも多いが、そうでなくても最初は全力の6割程度、その後も8割程度で余裕を持って走ろう。8割程度で走っても公道で走るよりはずっと速いはずだ。

 

BSMを使う

これは番外編のようなものだが、最近バイク用のBSM(ブラインドスポットモニター)が発売された。BSMとは死角になる後方や側方に他車が接近していることを知らせる装置である。車のサイドミラーに小さいウインカーのようなライトがついているのを見たことがある人も多いと思うがあれである。先ほど書いた通りサーキット走行でも周囲に注意を払うことは大切だ。しかしサーキットでは転倒時の飛散防止のためにバックミラーを外さなければならない。四輪ではF1ですらサイドミラーがついているというのに。後方や側方の確認は非常に重要であるにも関わらずバイクにおいてはそれが軽視されてる気がする。そこでBSMを使ったらどうだろう。実際に自分が使ったことがあるわけではないので断定的なことは言えないが、それなりに有効なのではないだろうか。少なくともバックミラーがない状態よりはよっぽどマシなはずだ。仮にこれから僕がサーキット走行に復活するなら是非とも使いたいと思う。

 

思い切って楽しめ

今まで言ってきたことと違うじゃないかと思う方もいるかもしれないが、やるべきことはやったうえであとはは全力で楽しんで走った方がいい。オドオドしながら走ってると楽しくないばかりかラインが定まらなかったりして危険だ。コースに出たら頭はクールに心はホットに楽しもう。

 

 

バリオスⅡ(1997)インプレ

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乗ったシチュエーション

2011年に職場の人から不動車をただでもらってレストア。半年ほど所有。イマイチ調子が出なくて峠を2、3回走ったのみ。

 

ポジション 取り回し

足つきはベッタリ。前オーナーは150cm台の小柄な女性だが足つきには困らなかったようだ。

ポジションとしては初代バリオスよりハンドルが高くステップの位置が前でリラックスした姿勢。まあ一般的なネイキッドのポジションと言っていいだろう。

取り回しは4気筒エンジンなので最近のツインやシングルのバイクと比べるとやや重めだが、所詮は250なので大したことはない。

 

エンジン

残念ながらレストアがうまくいかなかったのでエンジンの性能を100%発揮させることはできなかった。なので正確なインプレをすることは難しい。一応レッドゾーンまで回ったのだが、吹け上がりがダルくて加速が非常に悪かった。

ただ一つ明確に言えるのは排気音がなかなか勇ましかったこと。ホンダのホーネットあたりと比べると低音が効いている印象だった。

 

ハンドリング 車体

先述した通りエンジンがダメでほとんど走ってないからあんまり詳しくは分からないのだが、少なくとも寝かしこみでハンドルが切れ込んだり重く感じたりすることはなかった。エンジンが良ければ2次旋回の感じも分かったんだろうが。

ブレーキやサスもあんまり印象に残ってないんだけど、少なくとも特別悪い印象はなかったと思う。

 

まとめ

完調ではなかったので半端な印象しかお伝えできなくて申し訳ないんだが、あんまりクセはなかったと思う。本来の性能を発揮できればそれなりに楽しいバイクだったんではないだろうか。もう一度修理しようとも思ったんだが、4気筒はキャブを外すだけでも面倒でね。

それにしても当時は250cc4気筒なんてオモチャみたいな扱いだったのに今じゃ希少車だからなあ。グーバイクで調べたら一番安い中古でも40万円近くする。高いのになるとプレミアがついて80万円くらい。新車価格が509,000円だったのに。そんな時代を知ってると2気筒の30馬力ちょいしかないようなバイクが60万円以上するなんてありえないと思ってしまう。まあ騒音とか排ガス規制で開発費が高騰してるってのは分かるんだけどね。これも時代の流れか。

 

【MT-07カスタム】初期型MT-07乗りのマストアイテム!K&Hハイシート導入

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MT-07は非常に楽しいバイクなのだが、 シートが前下がりで着座位置が強制されてしまうのが難点だった。 着座位置が強制されてしまうとコーナーリング中に効果的にシートから荷重ができず、 また尻の座りが悪いので腕などに無駄な力が入ってしまいがち。どうにかしたいなと思いつつ、まあどのバイクも足つき重視でこんなもんだしなと諦めかけていたところネットでK&Hのハイシートを見つけた。
最初は5万円以上する値段に「さすがにちょっと高いかな。。。」 と思っていたのだが、僕はバイクはコーナーリング中にシートから荷重している時間こそ至高だと考えているので、思い切って購入してみることにした。 結果は予想を遥かに超えて大満足!

シートのどこに座っても腰が安定してるし、前下がりでないのでブレーキングでも腕に無駄な力をかけずに済む。また適度な硬さでシートからリアタイヤに荷重をかけやすく、さらにシートからサスの動きや路面状態のフィードバックを得やすい。バイク歴35年、シートの重要性は分かってるつもりだったが、ここまで変わるとは正直驚き。

上がノーマル、下がハイシート。K&Hブログ(https://kandh.co.jp/blog/yamaha-mt07-hiseat-recommend/)より

唯一の弱点はハイシートであるが故に足つきが悪くなることだろう。僕は比較的背が高いのでそこまで気にならないのだが、 背の低い方だとちょっと厳しい面もあるかもしれない。でも前寄りに座ればノーマルとさほど大きくは変わらないと思うし 、なんならローダウンリンクを使って車高を下げてでもこのシートを導入することを優先した方がいいと思う。 それほどまでにこのシートはいい。初期型MT- 07乗りのマストアイテムと言っても差し支えないほどだ。
シート高が上がる分、ハンドルは相対的にやや低くなるが、個人的にはそのくらいの方がフロントに荷重をかけやすく好み 。 ハンドル位置に合わせるためにバックステップを導入したところ、 非常にバランスのいい、適度にスポーティーで、なおかつ疲れないポジションになった。

座面はノーマルよりやや硬めだが、長く乗ってもノーマルよりお尻が痛くなりにくい。多分お尻との接触面積が増えたことで体圧が分散されるんだと思う。

今まで30台以上のバイクを所有してきたが、このシートを装着したMT-07は過去最高のバイクだ。初期型MTで良かった。

マジでお勧めです❗️

 
【追記】
K&Hさんにシートの感想をメールしたところ、ローシートもあることを教えていただきました。足つきが気になる方はこちらを検討してみてはいかがでしょうか。

カブのブレーキ強化について

 

 

2年前まで通勤にカブ90を使ってたんだけど、これがブレーキが効かなくて。その効かなさたるやもう危険と言っていいレベル。はっきり言ってママチャリ以下。

僕の乗ってたカブは98年以降のいわゆる「デカドラム」という径の大きいドラムブレーキだったんだけどそれでも全然ダメ。

普段僕はバイクに乗るとき常に人差し指と中指をブレーキレバーに置いておいて、かける時はその2本でかけるんだけど、2本がけだと全く止まらないから、カブに乗るときは常に4本がけでバカ握りだった。

 

一度追突事故しちゃったことがあって、まあそれは自分の不注意が原因なんだけど、普通のバイク並みにブレーキが効いてればぶつからずに済んだんじゃないかとも思う。

 

というわけで僕がやったブレーキ強化をご紹介。

 

ブレーキアームを交換

SP武川の強化ブレーキアームキットに交換。ノーマルより長いので同じ力でブレーキを握っても強くかかる。その分ストロークは長くなるが、コントロール性が増すとも言える。無駄に鍛造で高いけど、それだけの価値はある。

 

ブレーキシューを交換

デイトナのブレーキシューに交換。ノーマルよりコントロール性も効きもいい。

 

この2つで体感的にはノーマルの2倍くらい効く。それでもやっと最低限安心感が得られる程度。指2本がけじゃまだ心もとないレベル。

 

というわけで、カブ乗りはブレーキ回りのグレードアップはマストだ。安全のために是非。

 

CB400SFシリーズを振り返る

先日Twitter見てたらこんなまとめが流れてきて、

 

まあ噂はされてたけど、ついに来る時が来たなと。個人的に最初期型NC31を3台乗ったことでもあるし(ヘッダー画像はその1台)、自分の体験なんかも交えながらCB400SFについてちょっと振り返ってみようと思う。

 

 

初代CB400SFが誕生した背景には、知ってる人なら言うまでもないけど、ゼファーの大ヒットがある。ゼファー誕生の前、1980年代後半バブル真っただ中の日本市場はレプリカブームの最盛期で、今じゃ考えられないけどホンダのNSR250なんか87年から90年まで毎年フルモデルチェンジしてた。そんな熾烈な性能争いの中、何を考えたのかカワサキが空冷2バルブ、2本サス、バーハンドルにカウルなし丸目一灯という売れそうもないバイクを出してきた。ところがこれが大方の予想に反して大ヒット。各メーカーもあわてて追従してきたんだけど、その対抗馬の一番手がCB400SFで、その後XJR、インパルスと続くことになる。

話はちょっとそれるけど、ゼファーが出た1989年にはホンダはCB-1、スズキはバンディットというネイキッドを出している。どちらもレプリカとは方向性が大きく異なるもののゼファーほどには懐古的じゃなくて、性能面でも妥協していない感じだった。良くも悪くもゼファーほど突き抜けられなかったんだね。結果としてセールス面ではそれがマイナスに響いてゼファーの後塵を拝することになる。とは言えカワサキ以外も今までと異なるアプローチをしてきたってことは、業界全体にこのままの性能至上主義じゃいずれユーザーがついてこれなくなるっていう危機感はあったんだろう。

 

話をCB400SFに戻す。ゼファーに遅れること3年、1992年の4月に初代CB400SFが発売される。当初「プロジェクトビッグワン」として1991年の東京モーターショーでCB1000SFのコンセプトモデルが展示されて、それが最初に発売されるんだろうと思ってたら400の方が先だった。ちなみに「ビッグワン」って英語のスラングだと「でかいうんこ」という意味があるらしいんだが、開発陣がそれを知ったのは発表しちゃった後だったのででそのまま通したとか。まあ普通の意味では「でかいヤツ」だからね。

CB-1の失敗から徹底的にゼファーを研究した感じで、バーハンドルに2本サスというスタイルながらタンクにボリュームを持たせてモダンなデザインに仕上げたり、フライホイールを重くして低中回転ではアクセルに過敏にレスポンスしない穏やかさがありつつ高回転での伸びを両立したり性能もデザインも妥協のない作りだった。

で、肝心の乗り味だけど、詳しいことは下のインプレを見ていただきたいが、

エンジンは確かに穏やかさとシャープさを両立させてて流石ホンダって感じだったんだけど、ハンドリングに関してはちょっと切れ込み気味であんまり好きになれなかったな。

話がちょっと脱線するけど、ホンダのバイクは、寝かすとそれに合わせてハンドルが切れてくるっていうよりハンドルが先に切れてその切れ角に合うところまで寝かす(っていうかそこまでしか寝かせられない)感じのものが多い気がする。寝かさず曲がれるっていう言い方もできるのかもしれないけど、人間主導じゃなくて機械主導な感じがして、面白いかって言われるとちょっと微妙。他社でもそういうハンドリングのバイクはあるけど、ホンダはそういうハンドリングの割合が高い気がする。おそらく狙ってそういう味付けにしてるんだと思う。ところがこれがレーサーレプリカ、今ならスーパースポーツだとちょっと話が変わって、比較的人間主導的なバイクが増えるんだよね。この辺も多分ライダーがバイクに望むものによって変えてるんだと思う。

さて、そんなエンジンが特徴的だった最初期CB400SFだけど、94年になるとマイナーチェンジして、低回転での穏やかさをあっさり捨ててしまう。あえて重くしていたフライホイールを軽量化し、さらに点火タイミングやキャブセッティングのみならずピストン形状なんかも見直して低回転からビュンビュン回るようになった。友達が持ってたからちょっとだけ乗せてもらったことがあるんだけど、全域でアクセルレスポンスが別物っていうくらい良くなってた。フライホイールが軽くなってエンジンのジャイロ効果が減ったせいか、寝かしこみも少し軽くなってた気がする。初期型の穏やかさを捨てちゃうのはもったいない気がしたけど、人気が出るとより分かりやすい高性能を求める人が増えるんだろうね。XJR400もXJR400Rになってエンジンも車体も「走り」の方向に振ってきたし。まあマーケティングの結果だ。

 

そうやって高性能を求めた先にあるのは、そうレースである。CB400SFが出てしばらくしたころからNK-4という鉄フレームの400ccクラスのレースが各地で行われるようになった。雑誌などのメディアでおなじみの梨本圭さんや丸山浩さんはこのカテゴリーを主戦場としていた。余談だけど、梨本圭さんのお父さんは亮さんといって、CB400SFの開発スタッフの一人なんだよね。圭さん主催の梨本塾という走行会で一緒に走ったことがあるんだけど、当時還暦を過ぎていたにも関わらずかなり速かったのを覚えてる。圭さんも走りのアドバイスをくれたりヤンチャな見た目より気さくな方だった。

話を戻して、このクラスは改造範囲が狭くてエンジン本体は触っちゃいけないし、キャブレターにもかなり制限があったと記憶してる。そうすると各チームほんの僅かな重箱の隅をつつくようなチューニングをしてストレートでの最高速の1キロ2キロを競うみたいなことになるんだけど、そうなるとノウハウってものが重要になってくる。で、売れてる車両が最もノウハウが集まるので、どのサーキットでもほぼCB400SF(NC31)のワンメイクレース状態(こんな感じ)。ベース車両としてはFZ400なんかはエンジンも足回りもポテンシャルは高かったんじゃないかという気がするんだけど、発売された時はもうNKレースが下火になってたからね。で、このNK-4レーサーをイメージしたver.Rっていうのが出るんだけど、

ホンダのプレスリリース(https://www.honda.co.jp/news/1995/2950220.html)より

これが売れなかった。実際のNK-4レーサーってこんな感じでもっとハンドルが低くてそれに合わせてカウル(ゼッケンプレート)の位置も低いのよ。

https://happy.ap.teacup.com/hondainlinefour/19.html

それに対してこいつはカウル風ヘッドライトが通常のライトと同じ位置にあるもんだから変に間延びして見える。結局みんなライトを丸目にしちゃうから、そんなら丸目のまま売った方がいいってんでver.Sっていうのが出て、これはすごく売れた。無印CB400SFと併売されてたんだけど、売れてたのはほぼver.Sだった。ちなみにver.Sは試乗会でちょっとだけ乗ったことがある。狭い駐車場での試乗会だったから低速でのハンドリングくらいしか分からなかったんだけど、無印にあったような切れ込みが軽減されてて乗りやすかった記憶がある。ハンドルが少し低くて無印よりポジションのバランスが良かったこと、シートの前下がりが軽減していたことに加えて、無印がキャスター角27度15分、トレール109mmなのに対してver.S(およびver.R)はキャスター角26度45分、トレール104mmと変わってて、このあたりがハンドリングの違いの要因なんじゃないかと思う。

 

僕もNK-4レーサーに憧れてこんなの作って筑波走ったりしたんだけど、

タイム的には13秒台がギリギリで、雰囲気だけという感じだった。まあ一番ダメなのはライダーの腕なんだけど。ちなみに筑波で行われたN-NK(NK-4で最も改造範囲の狭いカテゴリー)のレコードは1分4秒台とのこと。やっぱ腕だ。

 

その後NC31はちょこちょこマイナーチェンジしながら1999年にフルモデルチェンジしてNC39になる。

ホンダのプレスリリース(https://www.honda.co.jp/news/1999/2990222.html)より

NC39を最初に見た印象はずいぶん小ぶりになったなあというものだった。寸法で言うとNC31が2080mm、NC39が2050mmとそんなに変わらないんだけど、数字以上にコンパクトに感じたのを覚えてる。NC39は教習所で行われた試乗会で乗ったことがあるんだけど、NC31とは比べものにならない乗りやすさに驚いたもんだ。ハンドリングは低速からナチュラルだし、Hyper-VTECのおかげで400cc4気筒としては異例に低回転でのアクセルレスポンスが良く、今振り返っても非常に完成度の高いバイクだったと思う。唯一気になったのはメーターのステーがトップブリッジについてるんじゃなくてライトステーから伸びてる点。まあ些細なことなんだけど、伝統的な形に慣れた身には奇異に映ったんだよね。

NC39はその後VTECⅡ、VTECⅢとマイナーチェンジしていくんだけど、VTECⅢのカチ上げテールは受け付けなかったなあ。メーカーがヤン車作ってどうすんだよっていう。もっとも当時の2chでそういうことを書いたら、「このテールの良さが分からないやつがバイク作っても絶対売れない」みたいに散々叩かれてしまった。まあ僕の感性が古かったんだろうね。

 

2007年にはフルモデルチェンジしてNC42「VTEC Revo」となる。

ホンダのプレスリリース(https://www.honda.co.jp/news/2007/2071218-cb400sf.html)より

NC42はちょっと前にレンタルバイクで乗ってインプレを書いた。

最初はキャブからインジェクションになった程度の違いだろうと思ってたんだけど、ハンドリングもNC39とはけっこう違った。なんというか、NC39と比べると若干切れ込み気味になった気がする。まあNC31ほどじゃないんだけど、NC39の乗りやすさを知ってるからちょっとがっかりした。調べてみると車体も少し変わってるようで、NC39がキャスター角25度15分、トレール89mmなのに対してNC42はキャスター25度05分、トレール90mmとほんのちょっとだけ違いがある。またホイールベースもNC42の方が5mmだけ長い。まあ売れたし、大きなモデルチェンジもなしに15年間(!)も販売されたんだからこれが正解だったんだろう。

 

ところでCB400SFは教習車として使われてるのはご存じだと思うけど、今教習所で使われてるCB400SFは実はNC39またはNC42とNC31のハイブリッドになってるものが多い。近所の教習所のやつもそういう仕様。具体的に言うとホイール、ブレーキがNC31、エンジンはNC31だったりNC39だったりNC42だったり。NC39またはNC42のエンジンでもHyper-VTECはオミットしてあるものとそうでないものがあるらしい(この辺未確認)。

 

振り返るとCB400SFの歴史って日本経済衰退の歴史、つまり失われた30年と重なるんだよね。この30年間バイクを取り巻く環境は大きく変わった。排ガスや音量規制が厳しくなったり、コンプラ的問題で峠ではっちゃけて走るのが難しくなったり、娯楽が多様化して若者がバイクに興味を示さなくなったり。そしてなにより日本が貧しくなった。今言ったことと矛盾するかもしれないけど、いくら娯楽が多様化しても金さえあればまだまだバイクに興味を示す若者はいると思うんだよね。でも税込み90万円もするモノ今の大学生や社会人なりたての子が買えますか?そんなの買えるのおじさん(それも一部のそれなりに順調に人生を送ってる)だけだよ。ライダーの平均年齢が50オーバーらしいけど、まあそういうことなんだよな。

デビュー当時はスタンダードだったバイクがやがて高嶺の花になりそして消えていく。なにか示唆的な感じがするよね。

RZ50(1984)インプレ

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乗ったシチュエーション

1996年から1998年まで所有。従兄弟からタダでもらった不動車をレストアした。初めてエンジンを分解したバイクなので思い入れがある。書類上51ccにボアアップしたことにして、小型二輪登録して乗ってた。最後はチャンバーを盗まれてしまいヤフオクで売却した。

街乗りにしか使わなかったが、郊外だったので近所にちょっとしたワインディングっぽい場所があり、たまにそこを流したりしてた。

 

ポジション 取り回し

前後18インチのホイールなのでかなり大柄に見える。またがってもNS50Fより少し大柄な感じで身長180cmの僕が乗っても窮屈感はなかった。

取り回しは車体が軽量なので楽々。

 

エンジン

2スト50ccとしては異例に低速トルクがある。同じ2スト50のNS50Fは発進の時かなり回転を上げて気を使いながらクラッチを繋がなくてはならなかったが、こいつはラフにクラッチを繋いでそのままアクセルを開ければグングン加速した。車体が軽量なこともあって、発進加速は4スト125より良かった。この低速トルクの太さはおそらくYEIS(Yamaha Energy Induction System)によるものだと思う。

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YEISはキャブレターとリードバルブの間に設けられたサブチャンバーで、低中速での充填効率を高めるもの。他のメーカーも似たような研究はしていたらしいが、形状や容積にノウハウがあるようでヤマハ以外は採用されなかった。結果として2ストらしからぬフラットトルクなエンジンになったのである。低速トルクが太いからといって上が吹けないわけではなく、2ストらしく高回転ではパワー感が増してレッドゾーンまできれいに回る。原付は1983年頃から60km/hのスピードリミッターがつき始めたんだけど、この型はまだリミッターがなくてスピードメーターも90km/hまで目盛りがあった。実際にメーター振り切るくらいのスピードは出た(クローズドコースで試したってことにしてください)。

 

ハンドリング 車体

前後18インチのためか同じフルサイズ50のNS50Fと比べると安定感があった。軽量な車体に細いバイアスタイヤだと、ともすると無機質なハンドリングになりがちだが、原付でもヤマハらしいしっとり感があった。ただIRCのハイグリップタイヤを履いた時は寝かせてもハンドルが切れず、どんどん寝てっちゃうようなハンドリングになってしまった。空気圧を半分くらいにすると普通のハンドリングになったんだけど、なんとなく気持ち悪くてノーマルに近いタイヤに戻した。タイヤの剛性が高すぎたのかもしれない。

 

サスは前後ともめちゃくちゃ柔らかかったが、これは多分経年で抜けてたんだと思う。

 

ブレーキはタッチも効きも今ひとつ。パッドを良いものに変えれば多少マシになってたかもしれない。

 

まとめ

パワーもハンドリングも原付とは思えないワンランク上のものだった。80年代半ばから90年代初めにかけてはバイクメーカーのラインナップも豊富で、50ccスポーツもホンダはNS50FとNSR50、スズキはRG50Γ、カワサキはAR50と各メーカーしのぎを削っておりキッズたちの心を熱くしたものだ。あれから30年、あんな時代はもう訪れないだろう。日本は本当に貧しくなった。

【やってしまった】カスタムURLをいじった時の戻し方

先日、カスタムURLを変えればGoogleサーチコンソールでどのページが閲覧されているか分かりやすいのではと思って一部カスタムURLをうっかり改変してしまった。

 

その結果、ちょっと考えればすぐ分かりそうなことだが、Google検索でヒットしていたものが、URLが変わってヒットしなくなってしまった。

 

こんな感じに。

焦って元に戻したのだが、その対処法を備忘録として一応残しておく。

 

カスタムURLを元に戻す方法

早い話がカスタムURLの欄に元のURLを入れるだけ。

記事設定→カスタムURLに進み、ここに元のURLを入れて更新する。

 

 

元のURLの確認方法

元のURLはGoogleなどにひっかかっていればそこから引っ張ってくればいいし、はてなは投稿日時がカスタムURLになっているので、PCからアクセスできれば記事の管理から投稿日時を確認して入力してもいい。

上の記事であればカスタムURL欄に「2022/04/21/122614」と入力する。

 

以上。

 

【教訓】

カスタムURLをいじるのは記事作成時だけにしよう。

FZ400(1997)インプレ

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乗ったシチュエーション

1999年にトリコロールカラーのやつを中古で買って一年ほど所有。街乗りが8割くらいで峠と高速が1割くらいずつ。

 

ポジション 取り回し

ハンドルの高さや遠さはXJR400やCB400SFなどと比べるとやや高めで遠め。ステップ位置は他のネイキッドと比べるとやや低めだった。そのため寝かし込むと割とすぐにステップを擦ってしまった。

ハーフカウルがついているので高速巡航では多少風の抵抗が少なかったが、見た目ほどの効果はなかった。

 

足つきは当時の他のネイキッドと比べるとシートがやや高めだった記憶がある。

そのシートはやたらスポンジが柔らかくて今だったらかなり不満に感じたろうが、昔はどのバイクもそんな感じだったので当時は気にならなかった。

 

取り回しは車重が200kg近くあり、今のバイクほどマスの集中化が進んでないのでそれなりの重さを感じるが、まあたいしたことはない。

 

エンジン

当時の400ネイキッドの中では最も速かったといっていい。加速ではSV400、高回転での伸びではFZが最強だった。CB400SFより速かったと思うがNK-4という400ネイキッドのアマチュアレースが下火になりつつあったこともあってあんまりその辺クローズアップされなかった。速いといっても神経質さは微塵もなくて全域で扱いやすかった。

7000回転くらいからは微振動があってそれがカウルをビビらせるのがちょっと気になった。

それからこれはほぼ持病なんだけどアイドリングが不安定になりやすい。一応メインジェットを対策品に交換すると直るのだが、しばらくすると再発することもあるらしい。

あとライバルに比べてちょっと燃費が悪くて、リッター15kmくらいだったと思う。

 

ハンドリング

ハンドリングは本当に素晴らしかった。とにかく素直で良く曲がる。程よくステアリングの切れる寝かし込みにアクセルを開けてからの気持ちいい2次旋回。どんなシチュエーションでもハンドル切れ方が一定。接地感が高く無用に軽くないので安心感がある。もしサーキットを走らせたら他のネイキッドなんて目じゃなかったろう。海外輸出用の600cc版(96馬力)と車体が同じなのでCBや XJRに比べるとフレーム径が断然太く剛性感が半端ない。おそらく限界は相当高かったと思う。

 

サスの動きも良くて、フロントはまあ普通だけどリアの動きの良さは2本サスじゃ絶対に真似できない。当時のオートバイ誌で、宮崎敬一郎さんが某峠(おそらく椿ライン)で他の2本サスのバイクじゃ路面の荒れが怖くてフルバンクなんてできないが、こいつならできるといったことを書いてた。

 

ブレーキもフロントにブレンボキャリパーを採用したりして効きもコントロール性も良かった。

 

まとめ

性能では400ネイキッドの中では圧倒的だったにも関わらずセールス的にはイマイチ奮わなかった。当時は丸目一灯に2本サスという古典的スタイルが主流だったので、ハーフカウルにモノサスというFZは消費者への訴求力がいまひとつ足りなかったのだろう。ただ実用を重んじるヨーロッパでは600cc版が好セールスを記録した(そういう意味ではSVも同じか)。ちょっと前まで中古のタマ数もそれなりにあって安く購入できたのだが、最近はそれもめっきり少なくなってしまった(あっても高い)。諸事情で手放してしまったができることなら長く乗りたかった。

【タイヤ】BT021インプレ

既に売ってないタイヤのインプレシリーズ。過去にXJR1300に履いてたのを記憶を頼りにインプレ。

 

 

グリップ

ツーリングタイヤとしてはかなりのグリップ感を感じさせる。今、MT-07に履いているPILOT POWER2CTと感覚的にはそんなに変わらないんじゃないかと思うくらい。もちろんサーキットなどで限界まで攻めればPILOT POWERの方が上だろうが、公道での感覚としてはそんなに変わらないくらい安心感があった。

 

ハンドリング

最初のうちはとても素直だが、しばらくするとフロントがいわゆる三角減りになってきて、そうすると激変。めちゃくちゃハンドルが切れ込んでくる。当時ネット上では同じような話がチラホラあったと記憶している。

 

乗り心地

ツーリングタイヤとしてはかなり硬め。スポーツタイヤのBT016の方がしなやかだったのではないかと感じるほど(車種が違うので単純には比較できないが)。

 

耐久性


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5000kmでフロントがこの状態。前述したとおりこうなると切れ込みがひどくて乗ってられない。リアはまだまだ余裕があったが、嫌になって前後とも在庫セールで安売りしてたPILOT ROAD2に交換。

 

まとめ

グリップはいい。だがそれ以外全部ダメ。ツーリングタイヤとしてライフ5000kmはありえないでしょ。そういう声は多かったのか早々に後継のBT023が出たね。BT023は2022年現在もまだ一応ラインナップに載ってるところ見ると021で見られたようなネガは解消したのかな。でもこれ以来ブリジストンが嫌いになって一切履いてない。

CRF1100L アフリカツイン(2020)インプレ

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乗ったシチュエーション

普段は箱根のレンタルバイクで1時間借りて試乗してるんだけど、今回はレンタル819のキャンペーンを利用して8時間たっぷり試乗。高速5割、ワインディング3割、市街地2割くらい。気温は24℃でタイヤの温まりに問題なし。絶好のツーリング日和だった。

 

ポジション 取り回し

さぞかし足つき性が悪いんだろうと思っていたら身長180cmで両足べったり+膝に余裕あり。シート高が830mmと810mmで選べるのだが、おそらく810mmになっていたんだろう。足つき性にまったく不安はなかった。160cm台の方でも足つきはなんとかなるだろう。

 

ポジションとしてはアドベンチャーらしくハンドルが高く幅が広い、堂々とした乗車姿勢。スタンディング姿勢も取りやすい。ステップ位置はシートが低いためかやや高めでなおかつけっこう前寄り。シフトやギアのペダルがスタンディングにも対応できるようにかなり上向きにセッティングされてるが、慣れればどうということはない。

 

シートは思ったより硬めでコシがあるが、このくらいの方がフニャフニャなシートより長距離でもお尻が痛くなりにくい。

 

リーンウィズでもハングオフでもどんな乗り方も許容する万能ポジションだが、多少上半身をリーンアウト気味にした方がシートに荷重をかけやすい。

 

車重が226kgもあるので取り回しはそれなりに重いが、同じ程度の重さのXJRなど4気筒ネイキッドに比べればマスが集中しているので軽く感じる。

 

エンジン

1100ccもある2気筒はどれほどトルクの塊かと思ったが、そこまで手強さはない。もちろんトルクは太いのだがアクセルに対するツキが過敏ではないし、トルクの立ち上がり方も穏やかなので扱いやすい。

270°クランクは加速中のパルス感が非常に心地よい。不快な振動はまったくない。

おいしいところは3000~6000回転くらい。この辺りがアクセルに対してダイレクトに車速が乗る領域。それ以上の高回転も問題なく回るがあんまりトルク感はなく、やや惰性で回っている印象。レッドゾーンは8000回転から。

エンジンのモードがアーバン、ツアー、グラベル、オフロードと4つあるんだけど、正直あんまり違いが分からなかった。ホンダの資料によるとアーバンが一番穏やかでツアー、グラベル、オフロード の順にアクセルレスポンスが良くなるようだが、むしろ開け始めのツキはアーバンが最も良かった気がする。

一応クルコンがついているのだが、アイサイトみたいに前車に追従してくれるわけではなく一定の速度で走るだけなので、あまり役に立たない機能かもしれない。スイッチ類も操作しにくいし。

ひとつ気になったのはアクセル全閉からほんの僅か開けた辺りをキープしにくいこと。自分では動かしたつもりがない程度にアクセルがちょっと閉じる方向に動いただけで強いエンブレがかかってしまう。そのため市街地をゆっくり2速で走っている時などにギクシャクしてしまうことがある。まあ半クラ当てて調整すればいいんだけど。DCT仕様ならこうした煩わしさからも解放されるのだろうが。

 

ハンドリング

フロント21インチが生み出すゆったりとした切れ込み感皆無の舵角のつき方がいい。普段4気筒のリッターバイクに乗ってたりするとフロントの接地感だったり舵角のつき方に違和感があるかもしれないけど、個人的には公道ではこのくらいの穏やかなハンドリングがいいと思う。寝かし込みはゆったりしているが重いという感じではない。とにかく全般的に安心感がある。舵角が積極的につくタイプではないので必然的にバンク角は深くなりがちだが、深く寝かせても恐怖心はない。その深く寝かせた状態からトラクションをかけて立ち上がるのが最高に気持ちいい。前述したとおり上体をやや起こしてリーンアウト気味にするとしっかりとリアタイヤに荷重がかけられる。オフ車的に股下で車体をコントロールするような乗り方が似合う。

 

直進安定性は抜群で西湘バイパスで強い横風を受けてもびくともしなかった。

ちなみに高めのスクリーンのおかげで高速域では首から下はほぼ無風。しかしその分頭部に風が集中する感じで、ヘルメットが小刻みに揺さぶられるような感じがある。伏せてスクリーンの中にヘルメットを入れてしまえばほぼ風の抵抗は感じなくなる。

 

サスは前後ともオフロード走行を意識してるため、かなりストロークが大きいが、ダンパーがしっかり効いているのでフワつきは皆無。値段に見合った上質なサスである。ブレーキとアクセルによるピッチングモーションを利用し、リズムに乗ってコーナーリングするのが楽しい。

 

ブレーキはさほど強力というわけではないが、サスの動きの良さとあいまって素晴らしくコントロールがしやすい。こんなふうにブレーキングが楽しいバイクはそうはない。

 

フロント21インチは同クラスの19インチや17インチのアドベンチャーと比べて明らかにオフでの走破性を意識していると思われる。今回はレンタルバイクなのでダートは走らなかったけど、他社のアドベンチャーがオフは通過する程度だとしたら、CRFは多分そこそこ攻めることができると思う。そう思わせるくらい車体のバランスがいい。ダートで軽く寝かせた状態からアクセルを開けて、トルクに任せてリアを流しながら走ったらさぞかし気持ちいいだろう。

 

まとめ

良くできているとしか言いようがない。公道で楽しむうえで必要な要素を全て持っていると言っても過言ではない。

しかし残念なのはとにかく値段が高いこと。ホンダのフラッグシップとも言えるモデルだから当然と言えば当然だが、一番安いグレードで160万円くらい、一番高いと200万円超えは庶民にはそうそう手が出せない。僕が乗ってる車が新車で買えちゃうからね。ベースの車体が非常にいいから、ABS以外の電子制御を取っ払った廉価版みたいなの出してくれんかな(まあそれでも手が出ないだろうが)。

ディテール

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精悍な面構え。ウインカーにはホンダの良心であるポジション灯つき。多少は被視認性の向上につながってるはず。

 

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やたらとスイッチの多いハンドル左側。一通り説明を受けたけど全く覚えられなかった。

 

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写りが悪くて申し訳ないが、多機能なメーター。情報量がすごい。

 

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小ぶりだけど後方視界の良いミラー。

 

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USB電源の取り出し口。反対側にはシガーソケットもある。

 

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シフトペグはオフロードでの転倒を考慮して可倒式。ステップのラバーは取り外し可能で、オフロードブーツでのライディングに対応。

 

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クルコンのスイッチ。グレーの丸いスイッチを押すとスタンバイ状態になり、隣のレバーを下に押すとクルコンオンで、その時の速度で巡航する。巡航速度はレバーを上に押すたび1キロずつ上がり、下に押すたび1キロずつ下がる。アクセルを開けても増速するが、そこからアクセルを戻しても減速はしない。なのでアイサイトみたいに巡航していて前の車に追いついた時にアクセル開けて追い越し、アクセル戻して元の速度で巡航ということができない。

 

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セルスイッチは最近流行りのワンプッシュタイプ。

 

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リアのプリロードはダイヤルで簡単に調整可能。

 

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ファンクションスイッチ。スマホと連動すると色々なことができるらしい。

 

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オフロード 走行を意識してアンダーガード装備。

 

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フロント周りはかなりボリュームがある。普段MT-07に乗ってることもあり最初はちょっと気になった。

 

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タンクは18ℓ。ニーグリップしやすい形状。

 

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剛性が高いがしなやかに動くフロントサス。

【タイヤ】PILOT ROAD2インプレ

(※この記事は過去に「PILOT ROAD3インプレ」として掲載していたものですが、その後履いていたのはPILOT ROAD3ではなくPILOT ROAD2だと判明したので訂正、アップロードし直したものです)

 

 

過去に乗っていたXJR1300に履いていたので記憶を頼りにインプレ

グリップ

限界まで攻めるなんて公道じゃできないんだけど、少なくとも夏場の気温が高い時にXJRで膝擦る程度は余裕。

温まりも早く、冬場でも走り始めからグリップ感を感じられ不安感がなかった。

 

それにしても色んなタイヤのインプレ読んでると「滑り出しが早い」なんて書いてる方をけっこう目にする。ワタクシも若い頃はツナギ着て峠の膝擦り小僧なんぞしておりましたが、はっきりとタイヤが滑ったと感じたのはYZF-R1にBT012履かせて1速で立ち上がった時くらいしかない。みなさん一体どんな走りしてるのやら。

 

ハンドリング

直前まで履いていたBT021があっという間にフロントが減って切れ込むようになっちゃったんで、その後に履いたこいつは本当に素直なハンドリングに感じた。市街地でも峠でもバイクを寝かすのに抵抗がなくなったし、狙ったラインをきれいにトレースできるようになった。結果として疲れが少なくツーリングタイヤとしては理想的なハンドリングだと思う。

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乗り心地

やたらと硬かったBT021と比べると実に乗り心地が良かった。ブリジストンはケース剛性命なのに対してミシュランはエアボリュームで剛性を保つと言われているけど、実際にそんな感じだった。これもツーリングタイヤには望ましい特性だと思う。

 

耐久性

3000km程度しか使わないうちに車両を売却してしまったので、正直よく分からないのだが、少なくともその程度の距離では見た目にはほとんど摩耗を感じさせなかった。乗り方によっては30000kmもつなんて言われてるらしいけど、あながちそれも嘘ではない気がする。

 

まとめ

パイロットロードシリーズもすでに6になり、現在売っていないタイヤのインプレするのもどうかと思ったけど、シリーズが新しくなっても基本コンセプトは受け継がれているのではないだろうか。そういう意味では多少の参考にはなるのではないかと思う。

KATANA(2020)インプレ

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乗ったシチュエーション

いつものレンタルバイクで1時間、ワインディング中心に試乗。気温は12℃くらいでタイヤの本来の性能は発揮できていなかったかもしれない。

 

ポジション 取り回し

車重が215kgとそこそこあるけどマスが集中してるためそんなに重くは感じない。

 

ハンドルがかなり高くて幅がある。そのため上半身が直立したいわゆる殿様乗りになる。Z900RSもかなり起きた姿勢だったが、ひょっとするともっと起きてるかもしれない。ステップ位置はハンドルの高さからするとやや後ろな印象。ただそれはシートがかなり前下がりで座る位置が前に強制されるからというのもあるかもしれない。

 

足つきはそれなり。前述したようにシートがかなり前下がりなので必然的に一番前の方に座る形になるんだが、その位置であればシート形状がかなり絞られているので、身長180cmだと両足の踵がギリギリ着くかつかないかといったところ。

 

エンジン

SSとしては異例にロングストロークなGSX-R1000(K5)のエンジンがベースなので4気筒としてはかなりトルクがある。低速からレスポンスが良くて2気筒や3気筒に近いフィーリングがありつつ4気筒らしく高回転の伸びもいい。不快な振動はない。Z900RSが伸びやかさが印象的だったのに対して、KATANAはもっとトルクで押し出してくるような感じ。

サウンドは音量規制に対応しているにも関わらずかなり野太い。これもトルク感を感じさせる要因になっている。

 

ハンドリング 車体

寝かしこむと4気筒らしくフロントにやや重さを感じるが、その時のハンドルの動きは素直。交差点を曲がるような速度から、ある程度速度の乗るワインディンまで舵角の付き方は一定している。個人的には普段2気筒に乗っているのでもう少しフロントが軽くてヒラヒラ寝かせられる方がいいなと思うけど、接地感があって安定しているとも言える。

サスは割と硬めだけど路面が荒れたところでも強い突き上げはうまく吸収してくれて安定感がある。サスの出来がいいおかけでブレーキも安心してかけられる。

ブレーキはフロント、リアともにコントロール性も効きも素晴らしい。さすがにこの価格帯のバイクはいい部品を使っている。

 

デザイン

普段デザインには言及しないんだけど、こいつは「カタナ」だからね、そこに触れないわけにはいかないでしょ。あくまで個人の主観だけど、正直に言ってかっこ悪いです。上の写真のアングルから見ればまあまあなんだけど、それ以外はダメすぎ。まずいくら今のトレンドとはいえテールが短すぎる。あまりにバランスが悪い。CBR650Rみたいにテール自体は短くてもフェンダーが伸びてればまだマシだったろうけど、スイングアームにつけちゃったからなあ。それとスクリーンが短すぎるうえに角度が寝すぎてる。これがもう少し長くて起きてればそれだけでもだいぶ印象が違ったと思う。ハンドルが高すぎるという意見もあるけど、それに関しては上記2点が改善されてればさほど違和感はないと思う。とにかく「カタナ」ということを抜きにしてもかっこ悪い。なんなら現行のGSX-S1000の方がバイクとしてのデザインもまとまってるし「カタナ」っぽい気すらする。

こちら↓はヨシムラがカスタムしたKATANAだけど、さすがヨシムラ、デザインに関してもツボを心得てる。カタナとしてのイメージを強く残しつつ現代的なフォルムにブラッシュアップしてる。この形だったらひょっとしたら購入を検討してたかもしれない。

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まとめ

バイクとしては良くできてる。しかし「カタナ」の名前を冠しちゃったからにはどうしてもデザインに目が向かざるを得ない。そうすると20万円も多く払ってGSX-Sじゃなくてこっちを選ぶ意味は個人的には全くない。せめて同価格だったらあとからカスタムでとも思えたろうに。残念だ。

ニンジャ650(2019)インプレ

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前回の投稿から半年も放置してしまった。とにかく忙しくて、やりたいことやらなきゃいけないことがたくさんあると、どうしてもブログの更新は優先順位が下がっちゃうんだよなあ。

まあ前置きはこの辺で今回はNinja650を、現在所有しているMT-07、過去に乗ったSV650Xと比較しながらインプレしたいと思う。

 

 

 

乗ったシチュエーション

いつものレンタルバイクで1時間、ワインディング中心に試乗。かなり暑かったのでタイヤのグリップに問題なし。

 

ポジション 取り回し

取り回しはMTに比べるとけっこう重い。SVと比べてもちょっと重い。車重でいうとNinjaが194kg、MTが179kg、SVが199kg。MTより重く感じるのは当然として、SVより重く感じるのはカウルがある分体感的に大きく感じるからかな。

 

ポジションはセパハンだから前傾するかなと思ったけどそうでもない。MTと同じくらい。ネイキッドでもGSX-S750みたいなストリートファイター系のバイクの方が前傾は強いと思う。ハンドル位置はやや遠目でバーハンのバイクよりはやや幅が狭い。ステップはけっこう前で高め。シートの前傾が強くて座る位置が固定されちゃうような感じがちょっと残念だけど、長距離も快適だしそこそこスポーティーにも攻められる万能ポジションだと思う。

 

足つきはシートの前部がかなり絞られてるので良好。身長180cmの僕だと両足べったりでなおかつ膝が曲がる。150cm台の方が乗ってもそんなに不安を感じない足つき性だと思う。

 

エンジン

これはMTやSVと比べるとかなりキャラクターが違う。MTがアクセルに対するダイレクトな反応、SVが高回転でのパワー感という共にスポーティーさを売りにしているのに対して、Ninjaはとにかくマイルド。低回転でも粘りがあるので2気筒のエンジンにありがちなエンストしそうな神経質さがないし、どの回転域でも適度にダルくて唐突さがない。だから長く乗っても疲れないと思う。2気筒らしい瞬発力を求める人には向かないかもしれないけど、バイクのキャラクターによく合ってると思う。

4500回転くらいで微振動があってカウルをビリつかせるけど、個人的にはさほど気にならなかった。

またアシスト&スリッパークラッチのおかげでとにかくクラッチ操作が軽い。これもストップ&ゴーの多い市街地では疲労軽減にかなり有効なはずだ。

 

ハンドリング 車体

寝かしたときの変な切れ込みは一切なく素直。寝かし込みはゆったりしていて、フロントにけっこう接地感があることもあって安心感がある。

サスは前後ともやや柔らかめで、なおかつあんまり性能のいいものを使ってなさそうなので、ワインディングによくある減速帯みたいなギャップに乗るとそれなりに揺すられたりもする。しかし上述した通り基本的に安心感のある車体なのでよっぽど飛ばさない限り怖い思いをすることはないはずだ。

ブレーキは特筆することはないけど、必要にして十分という感じ。

車体設計もエンジン同様マイルドで長距離でも疲れないことを目指しているようだ。ゆったりした動きなので飛ばしたい人には向いてないかもしれないが、その分大きなアクションでも神経質に反応しないので、車体を操っている感覚は得やすいと思う。

 

まとめ

とにかく神経質なところがなくていい。カウルのおかげで長距離の高速移動も疲れないし、万能なポジションもいい。こういうふうに書くとなんだか鈍くてつまらないバイクのような印象を持たれてしまいそうだけど、そんなことはない。公道での常識的な範囲であれば十分速く走れるし、マイルドな性格だから寝かし込みの体重移動にしろアクセル操作にしろ大胆なアクションを許容してくれる。公道の常識的なペースでもスポーティーさを味わえるというのはレーサー以外のバイクにとってとても重要なことではないだろうか。

いいバイクですよ、Ninja650。気に入りました。

ディテール

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最近はネイキッドに乗ることが多いので、フロント周りにかなりボリュームを感じる。

 

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カラー液晶のメーター。とても見やすい。

 

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シートの前傾がやや強めでお尻が前にずれやすいのが残念。

 

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ハンドルはセパハンとしてはかなり高め。スポーティーさと快適さがうまくバランスしてる。

 

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リアタイヤは160だが、リアホイールのリム幅が4.50なので幅が太めの銘柄だとラウンド形状がやや強めになるかもしれない。

 

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ブレーキはごく普通。

 

ニンジャ400(2019)インプレ

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乗ったシチュエーション

レンタルバイクで1時間、ワインディング中心に試乗。気温12℃でタイヤの温まりはすこし悪かった。

 

ポジション 取り回し

リッターSSほどじゃないけどハンドルはけっこう低め。YZF-R25と同じくらい。バーハンに慣れた身としては長時間乗るのはちょっとしんどい。と言っても大方の人は慣れでどうにかなっちゃうレベル。

 

足つきはかなりいい。

 

取り回しは250と車体を共通にするだけあってめちゃくちゃ軽い。

 

エンジン

下から上までトルクの出方がすごくフラット。同じ日にCB400SFも試乗したんだけど、CBは普段大型バイク乗ってると低回転でのトルクの細さが気になったけど、こいつは全くそんなことはない。アクセルに対するツキがとてもいいのでアクセルを開けるのが気持ちいいし、車体のコントロールもしやすい。高回転では4気筒の伸びには若干劣るものの頭打ち感はあまりなくレッドゾーンまで淀みなく吹け上がる。

 

ハンドリング 車体

若干切れ込み気味。温度が低かったせいもあるかもしれないが、フロントが切れ込んで立ちが強いので車重から想像するよりもヒラヒラ感はなかった。ペースを上げてスパッと寝かし込めば違うのかもしれないけど、車の流れに乗るようなペースだと割とモッサリしてる。

 

ブレーキはシングルディスクに片押し2ポッドキャリパーというスペック的にはたいしたことない装備ながら、コントロール性も絶対的な効きもバッチリ。車重が軽いのが効いてると思う。

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サスは割と腰があってスポーティー。若干硬さを感じるけどあんまりフニャフニャしてるよりこのくらいの方が長距離走っても疲れないと思う。

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まとめ

デザインはとてもいいし、エンジンやブレーキもいいんだけどハンドリングがいまいち好きになれない。ただこれはタイヤによるところも大きいんじゃないかと思う。標準タイヤがダンロップのGPR300なんだけど、このタイヤどうも切れ込みグセがある気がする。今まで試乗して切れ込むなって感じるバイクはたいていこのタイヤ履いてるんだよなあ(Z900RSとかね)。ミシュランあたりのタイヤに変えたらかなり良くなる気がする。

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ハンドリングの良かったバイク

「ハンドリングがいい」の定義は、低速でも高速でもハンドルが切れ込まず、切れなさ過ぎず適度なこと(あくまで個人的には)。他にも細かくは色々あるけど、とりあえずそれさえクリアしてればOK。

 

 

 

特に良かったのは

MT-07(2015)

 

XJR400(1993)

 

FZ400(1997)

 

TZR250(1986)

 

YZF-R1(2002)

 

CBR400RR(1993)

 

MT-09(2019)

 

ジクサーSF250(2019)

 

ニンジャ650(2019)

 

ヤマハが多いね。一番良いのはMT-07。やっぱり買って良かった。