バイクインプレ日記

バイク用エアバッグについて

夏頃にバイク用エアバッグジャケットを買ったんだけど、インプレしようにも、幸いまだ作動するような事態になったことはないし、わざわざ事故るわけにもいかんし、どうしたもんかと思ってたらこんなニュースが。時速70マイル(約110km/h)で走る車と正面衝突したとのこと。

ライダーはエアバッグジャケットを装着している。骨折はしたものの命に別状はないとのこと。エアバッグジャケットでなければ助からなかったろう。

 

このジャケットは多分僕が持ってるのと同じ、無限電光製のヒットエアシリーズだと思う(一瞬ロゴが写ってる)。車体とジャケットがワイヤーで繋がってて、ライダーが飛ばされてワイヤーが引っ張られると炭酸ガスがジャケット内に充満してクッションになる仕組み。詳しくはこちらのメーカーサイトを参照されたし。

買う際に、実際に着用しての作動体験もさせてもらったんだけど、ワイヤーが引かれた瞬間にはほぼエアがジャケット内に充満してる。そしてエアが充満すれば頸部は、(少なくともフルフェイスを着用していれば)がっちりと固定される。体幹の前面と背部にもしっかりとエアが回るので、落ちる場所にもよるだろうが、脊椎が直接路面に叩きつけられることはないだろう。背部に関しては頸部から尾てい骨までほぼ守られる。

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ちなみに着用するとこんな感じ。まあスタイリッシュじゃないけど、見た目より安全性だから。

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こちらはタイGPでのマルケスの転倒を伝えるニュース。目立たないけど、マルケスのツナギにもエアバッグが仕込んである。

マルケスのツナギはワイヤー式ではなく、加速度センサーでエアバッグが膨らむタイプ。ただ作動方法こそ違えど、基本的な原理は僕のとほぼ同じ。これもエアバッグ内蔵のツナギだから軽傷で済んだ例と言えるだろう。

 

僕は理学療法士という仕事柄、バイク事故で脊髄損傷になった方を何人も見てきた。彼らのうちの何割かはエアバッグジャケットを着ていれば今でも歩けていたのではないだろうか。

 

無事これ名馬ということわざがあるように、ライディングの上手い下手とは、膝がすれるか、タイヤを端まで使えるか、サーキットでどれだけ速く走れるかではなく、いかに怪我をせず長くバイクを楽しめるかによって決まるのではないだろうか。少なくともプロのレーサーではない我々にとっては。

 

長くバイクを楽しむために、エアバッグジャケットは検討する価値があるのではないだろうか。

 

【追記】

こちらでも記事になってる。

バイクとクルマが正面衝突!衝撃の映像から学びたいこととは!? - Webike Plus

XJR1300(1998)インプレ

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だいたいは2000年型と一緒なんだけど


違うところだけインプレ。

 

乗ったシチュエーション

2013年から1年くらい所有。まったりツーリング4割、ワインディング4割、市街地・高速がそれぞれ1割くらい。

 

取り回し ポジション

2000年型はハンドルがちょっと近くなって、シート高が少し低くなったらしいが、あんまり違いは感じない。

引き起こしや取り回しは僅かだが確実に2000年型の方が軽い。この辺はバネ下の軽量化が効いてるのだろう。

 

エンジン

これは98年型も2000年型もほとんど変わらない。2000年型は多少レスポンスが良くなってるらしいけど、元々パワーもトルクもあるからね。

ちなみにXJR1200の最終型にも乗ってたんだけど、それと比べるとかなり低速トルクが太くなってる。1200は3000回転以下のトルクが細くて3000回転から急にグワッとトルクが立ち上がるので街中ではちょっと乗りにくいことがある。そういう点は1300になって改善している。

 

ハンドリング

これはかなり違う。2000年型はバネ下だけで6kgも軽量化してるってのが大きい。具体的には寝かし込みが軽い。基本的なハンドリングの方向性は変わらないんだけど、98年型と比べて寝かし込みの重さが20%減って感じ。

ついでにバネ下が軽くなったことでサスの動きも良くなってる。おかげで乗り心地がいい。

あと2000年型はブレーキがMOSキャリパーになったこともあって、ブレーキの効きもコントロール性も良くなった。

98年型の重厚さもそれはそれで悪くないけど、いずれにしろバネ下の軽量化ってのはハンドリングに大きく影響するってことがよく分かった。

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まとめ

98年型も悪くないけど、2000年型に乗っちゃうとやっぱりアラが目立つね。

それと僕が買った個体は、いつも世話になってるバイク屋さんに業者オークションで落としてもらったものなんだけど、エンジン左側のフィンが欠けてたり、あんまり状態の良いものではなかった(XJR1300はエンジンが張り出してるので、マフラー交換してるとコケた際に左側がヒットしてフィンが欠ける)。これはそれなりに大きな転倒をした証拠だ。だから外装だけワイズギアのオプションがついてたんだよね。そんなわけでハンドリングにもなんらかの悪影響があったかもしれない。完調だったらもう少し印象も違ったかも。

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スーパーカブ90(1995)インプレ

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乗ったシチュエーション

現在所有中。片道2.5kmの通勤に使用。

 

ポジション 取り回し

スクーターと違って足は前に出さないので、足の位置は普通のバイク。ハンドルはスクーター的な、近くてやや低めな感じ。

足つきはスクーターと同じくらい。

取り回しはホイール径が大きいのでスクーターよりはちょっと小回りが効かない。

 

エンジン

全然パワーがない。40キロくらいまでは4スト50のスクーターより遅い。

ギアが3段しかないうえに1速が低すぎて時速20キロくらいまでしか実用的でないので、事実上2段みたいなもの。当然各ギアは離れてるのでシフトアップするたび回転は落ち込む。だから加速が悪い。

低速トルクはそこそこだけど、上はガーガーうるさいだけで回らないし、振動もそれなりにある。

一応、最高速は平地なら80キロくらいは出る。

始動はキックのみで、それはいいんだけど、寒い日はチョークの引き加減がシビアで、引きすぎてもダメ、引かなすぎてもダメで、何回もキックするハメになったりする。

ロータリー変速は走ってる時にトップからニュートラルに入っちゃわないかって心配する人がいるようだけど、走ってる時は入らないようになってる。ちなみにシフトレバーを完全に踏み込んでいるとクラッチが切れた状態になるので、そこでブリッピングするとシフトダウンの時に回転を合わることができる。

燃費はすごくいいっていう世間のイメージがあるけど、そこまでじゃない。多分125のスクーターと同じくらい。ゆっくり走ればリッター40〜45くらいいくけど、回せば30くらいになっちゃう。

 

ハンドリング

これといって特筆するところはないけど、素直な誰でも扱いやすいハンドリング。スクーターと違ってホイール径が大きいので安定感があり、ギャップにも強い。寝かし込みもスクーターみたいにフラッと倒れ込んでしまうような感じはなく、安定感がある。(ちなみに僕のカブはカマを掘ってフレームが歪んだ結果、キャスターが立ってクイックなハンドリングになったw)

ただフレームは剛性が低いので、スピードを出すと直線でもヨレヨレする。

それとこの型のカブはフロントがボトムリンク式というサスで、テレスコ式とは逆に、ブレーキをかけると前が上がる。だからブレーキ残しながらコーナー進入みたいなのは難しい。まあそういうバイクじゃないんだけど。

ブレーキは全然効かない。ちょっと危険なんじゃないかってレベル。ブレーキアームを武川の長いやつにして、シューをデイトナに変えてようやく多少マシになった。それでもいつも指4本がけ。

 

まとめ

一部の人にはおしゃれバイクとして人気があるようだけど、こいつの本質はなんといっても実用性。誰にでも乗れて、壊れずに、箱でもつければ積載性も高い。日本の技術が生み出した傑作だ。

TZR250(1986)インプレ

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 いわゆる1KT。ヤマハのバイクが好きになったのもこいつがきっかけ。

 

乗ったシチュエーション

1996年頃から1年間くらいと、2000年頃に半年くらい所有。2回目に買った個体は調子が悪くて、クランクケースからすぐにガラガラ音がして壊れてしまった。その頃はほとんど街乗りしかしてなくて、9割市街地、1割ワインディングといった使い方だった。

 

ポジション 取り回し

レプリカのはしりだけど、まだそんなに過激になってない頃で、前傾姿勢もさほどではない。その後に出たNSRとか現代のSSに比べれば全然楽。今のニンジャ250あたりと同じくらいだと思う。ただ今のバイクと比べるとタンクが長くてちょっとハンドルが遠い印象がある。

足つきは良好で、車体が細いこともあって180cmなら両足がべったりついて膝も曲がる。これも今の250スポーツと同じくらい。

車重は乾燥で126kgと軽いんだけど、今のマスの集中したバイクと比べちゃうと数字の割には重いと感じるかもしれない。この前バロンに置いてあったからちょっと起こしてみたらYZF-R25よりずっと重かった。

 

エンジン

YPVSのおかげで当時の2ストとしてはかなり低速トルクが太い(あくまで当時としては)。当時のレプリカってタコメーターに3000回転以下の表示がないのが多かったんだけど、こいつにはちゃんと0から目盛りがふってあった。これも低速トルクの太さの象徴だと思う。

5500~6000回転くらいでYPVSが開いてくるんだけど、YPVSが開ききるまではトルクの中だるみみたいになっちゃうので、そこを避けて回転数をキープするのが速く走るコツ。

YPVSが開ききっちゃえば2ストらしいカーンと抜けの良い吹け上がりになる。

ちなみに後継のR1-Zにもちょっと乗ったことあるけど、さすがに進化しているのか、YPVSの切り替えでのもたつきはほとんど感じなかった。

 

ハンドリング

これがこのバイクの最も優れたところ。とにかく乗りやすい。なんか雑誌の受け売りみたいな言い方になっちゃうけど、2ストらしく寝かし込みが軽いのに、安定感というか安心感がある。

そして寝かしていくに従ってフロントが絶妙に切れてくる。

人間の感性にフィットすることを目指すのがヤマハハンドリングらしいけど、まさにそんな感じ。しかもレプリカだからって街中での扱いやすさを犠牲にしてない、というか街中でも楽しい。

当時流行してたフロント16インチタイヤを採用しなかったのもこういうフィーリングを出したかったからだろう。TZR以降は他のメーカーもみんなフロント17インチを採用し始めたから、ヤマハの方向性は正しかったんだと思う。

後に、同時代にホンダから出てたNS250Fをレストアして、ワインディングとかサーキットを走ったんだけど、言われるほどフロント16インチのクセみたいなのは感じないものの、なんかこう、いまいちフロントの接地感がないっていうか、手応えなく寝てっちゃうっていうか、TZRと比べるとどうもフィードバックが希薄な気がした。

サスは今から思うとちょっと動きが渋い感じ(年式の経った中古だからってのもあるけど)はするけど、街乗りでも乗り心地は良かった。最初に書いたとおりほとんど街乗りにしか使わなかったから高荷重域でどうかは分からない。

ブレーキはマスターの径がでかすぎるのか、タッチはいいけどかなり握らないと効かなかった。320mmの大径ディスクに対向4ポッドキャリパーで構成としては十分なんだけどね。パッドを変えればけっこう違ったのかもしれない。

 

まとめ

本当に乗りやすくていいバイクだった。惜しむらくはほとんど街乗りにしか使わなかったこと。それでも十分楽しめるバイクだったけど、もっとワインディングに連れ出してやればよかった。

今のバイクのタイヤは太すぎやしないか

タイトルの通りなんですけどね。太いことによるメリットもあればデメリットもあるけど、少なくとも実用面においては大抵の人にとってはデメリットの方が大きいと思うんだよね。。タイヤが太いことによるデメリットを列挙すると、

 

①寝かし込みが重くなる

②しっかり荷重できないと細いタイヤよりグリップが悪いことがある

③タイヤ摩耗時のハンドリングの変化が大きい

④タイヤ代が高い

⑤ついでに車体の値段も高くなる

 

①は安定感があるとも言えるので初心者でもメリットになり得るかもしれない。②はしっかり荷重できる上級者にはメリットだけど、それができない人にはデメリットだ。③、④、⑤は誰にとってもデメリットだ。

 

だけどそういう実用上のデメリットを補ってあまりあるメリットがあるんだな。それは

 

カッコいい!!

 

もうそれに尽きるよね。個人的には見た目より実用性を取りたいので細いタイヤの方が好きなんだけど、そんな僕でも見た目がカッコいいってのは否定しようがない。

多分バイクを買う人の8割くらいが見た目で選んでるんだから、ハンドリングなんて二の次だよね。そうなりゃメーカーだってタイヤ太くするよ。一応、現代の高出力のエンジンパワーを活かしてコーナーリングパフォーマンスを上げるためって理屈はあるけど、だったらあの70psしかない、ペラッペラなフレームのMT-07に180のリアなんて必要だと思いますか?あれでハイグリップのタイヤなんて履いたらフレームの方が負けますよ。曲げたけりゃ160くらいの方が絶対にいい。でもそれじゃ売れんからな。 

 

メーカーも売れてナンボだからね。日本に限らず、世界のユーザーが虚より実をとるようになるとも思えんし、まあ仕方ないな。

YZF-R1(2002)インプレ

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(エフワンのツナギが懐かしい)

 

乗ったシチュエーション

2004年に新車で買って、ちょうど2年間所有。ワインディング7割、ツーリング2割、市街地1割、サーキットを少々。30台くらいバイク所有したけど、新車はこれとTDM850、XJR1200しか買ったことがない。

 

ポジション 取り回し

今のSSほどではないにせよ、マスがギュッと集中してて押し引きしても、跨って揺すっても軽い。

ポジションはハンドルが低くていかにもスポーティ。頸椎ヘルニアになった今じゃとても乗れない。ただステップは昔の2ストレプリカみたいに後ろ過ぎず、下半身の支えが効きやすいので、街乗りでも思ったより腕に力がかからない。とはいえ、1時間連続で巡航するのはなかなか辛いが。

エンジンを外側から包み込むフレームのせいでタンクが太くて、普通に真ん中に座ると膝頭のあたりでしかニーグリップできないのはちょっとね。ハングオフすると太ももの内側全体がフィットしていい感じなんだけどね。

足つきは良かったと思う。うろ覚えだけど、たぶんMT-07とかそのあたりと同じくらい。

 

エンジン

 この代からインジェクションになったんだけど、サクションピストン併用のおかげで初期のインジェクション車にありがちなドンツキが全くなく、実に扱いやすい。開け始めのドンツキがないだけで低回転から高回転までアクセルに対する反応はいいし、フラットにトルクが出る。かといってこういうタイプのエンジンにありがちな一定の速度で走るのが苦手で、常に加速したくなるってこともない。公道では高回転はあんまり使えなかったけど、6、7000回転くらいまででも十分パワフル。2500回転くらいから実用域なので街中を走るのも楽。本当によくできたエンジン。

 

ハンドリング

この型からフォークオフセットが35mmから25mmになって、トレールが増えている。そのためか初代R1に見られた極低速でのハンドルの切れ込みがなくなり、どこを走っても扱いやすくなってる。

寝かし込みは軽いのにマスが集中してるから安定感がある。寝かし込んだところからアクセルを開ければグイグイ曲がっていく。今まで乗ったバイクの中で一番よく曲がる。

サスの出来もものすごく良くて低速ではよく動いて乗り心地がいいし、ある程度スピードの乗ったコーナーでアクセルを開ければしっかり踏ん張ってくれる。

この代からフレーム剛性を少し高めて、初代の「ツイスティロード最速」コンセプトから若干サーキットも視野に入れた車体構成になったらしいが、それでも公道で十分楽しめるハンドリングだった。

 

まとめ

先にも書いたけど、この型からサーキットも視野に入れてきたとはいえ、あくまでターゲットは公道。初代にあった気難しさがなくなってワインディングを楽しむということに関しては歴代R1でNo. 1なんじゃなかろうか。この次の型からはピークパワーが20psも上がったかわりに中速トルクに谷ができたし、シャシーも縦剛性が2.5倍も上がってサーキット指向を強めたからね。その後もどんどんレーシーになっていって公道で楽しむって感じじゃなくなった。まあ峠で飛ばすのは色んな意味で難しい時代になってきたしね。

自分語りになるけど、そういう時代の雰囲気と僕のバイクに対する意識もシンクロしてて、2年乗ったところでもう速く走るのはいいかなって感じになったんだよね。とはいえ今でもいいバイクだなとは思ってて、お金と体力に余裕があればまた乗りたいと思う(どっちもないですけど)。

 

SV650(2007)インプレ

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2代目のSV650。国内販売はなくて、ごく僅かな台数が逆輸入されただけだから、乗ったことある人はほとんどいないんじゃなかろうか。さっきバイクブロスで検索したけど、一台しかヒットしなかった。

 

乗ったシチュエーション

2012年から半年間ほど所有。ワインディング7割、ツーリング2割、街乗り1割くらい。高速は走らなかった。

 

ポジション 取り回し

跨って揺すっても、取り回しても軽いと言えば軽いんだけど、今のバイクみたいに車重以上に軽く感じるってことはなかった。そういえば今のSVも今時のバイクにしてはちょっと重く感じるなあ。

ポジションはステップがネイキッドにしては後ろ&高めでスポーティーな設定。V型エンジンの車体らしくタンクがスリムでニーグリップしやすい。

足つきは良好。今のSVと変わらないくらいだったと思う。

 

エンジン

これもこちらで書いた今のSVとあんまり変わらない印象。


ただ今のSVより低中速トルクが細かった。今のSVは5、6000回転くらいまではツインらしいパルス感が味わえるけど、こいつはそういうフィーリングはあんまりなかったと思う。あと、インジェクションが今ほど洗練されてなかったから、アクセル開け始めがドンツキ傾向だった。

高回転では今のSVと同じでトルク感なくダラっと回るだけで、あんまり面白みがない。

 

ハンドリング

ノーマルはフロントタイヤサイズが120/60で、舵角がかなり大きくつく、というかやや切れ込み気味。120/70に変えると今度は舵角のつきが少なすぎて無機質なハンドリングになってしまうのだが、切れ込み大嫌いな僕としてはこっちの方が良かった。

寝かし込みはリアタイヤが160で車重が200キロを切る割には重め。

フレームやサスはやたら硬い印象。写真で見ても初期型と比べてフレームがかなりゴツくなってるのが分かると思う。

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シートも薄くて硬いからバイク全体がガチガチな印象。なんか'02R1の方がもっとしなやかだったような。こちらのサイトによるとヨーロッパ市場からの要請でそういうセッティングにしたようだが。


個人的にはもう少し柔らかい方が好み。ちなみに今のSVは鉄製のトラスフレームになって、適度に剛性が落ちてると感じた。

ブレーキはノーマルは片押し2ポッドキャリパーなんだけど、買った時からニッシンの4ポッドにカスタムされてたから本来の効きがどんなものかは分からない。とりあえず僕の乗ってたやつはよく効いたけど、キャリパー容積に対してマスターシリンダー(カスタムされてた)の径がデカすぎるのか、タッチがやたらと硬かった。ここでも硬いんか!

 

まとめ

一言で言うととにかく硬いバイク。当時の僕はもう少し楽にバイクに乗りたかったから、結局半年で売ってしまった。悪いバイクってわけじゃなくて、サーキットとかワインディングをいいペースで飛ばせば真価を発揮するんだと思う(ただそうすると高回転でイマイチ吹けの悪いエンジンがキャラクターに合ってない気がするが)。月イチくらいでサーキットに行ってた頃ならもっと高評価だったと思う。

XJR1300(2000)インプレ

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乗ったシチュエーション

現在所有中(2020年1月売却)。高速を使って、郊外のワインディングを流すのがメイン。

ちなみにこちらは98年型のインプレ。

 

ポジション 取り回し

引き起こしも取り回しもとにかく重い。車重245kgは伊達じゃない。体感的には同じクラスのCB1300より重い気がする。

ポジションは、ハンドルが遠めなんてよく雑誌とかでは言われてたけど、リッターネイキッドとしてはごく普通だと思う。

足つきはいい。身長180cmで両足べったり+膝が曲がる。MT-09とかMT-07より足つきはいいと思う。

タンクとサイドカバーの形状が良くて、ニーグリップしやすいのもgood。

 

エンジン

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意外と1500回転以下の極低速でのトルクがない。ギア比の関係もあるんだけど、渋滞路なんかでこの領域を使わないといけない場合は半クラ当てないとガクガクしちゃう(ちなみにクラッチはかなり重い)。トルク変動が大きいっていうより単純にギア比に対してトルクが細い。よくビッグバイクはトルクがあって、クラッチ操作だけでオートマ車のクリープみたいに進むと思ってる人がいるけど、そんなことは決してない。トルクがある分、ハイギアードだからね。

2000回転くらいからはトルクがモリモリっと出てきてリッターバイクらしく加速する。上まできれいに回るけど、トルク感があるのは5500回転くらいまでかな。

アクセルに対するツキはあんまり良くないけど、これでいいと思う。このパワーであんまりツキが良すぎると疲れちゃう。

5速しかないうえに各ギアがけっこう離れてる。そのくせファイナルがちょっと低すぎて100キロで4000回転くらい回っちゃってちょっと不満。トルクがあるんだからもう少し抑えてほしい。あるいは6速を設定するか。まあ各ギアの守備範囲が広い分、ワインディングを流す程度なら2速か3速固定で走れちゃうメリット(?)もあるんだけど。

 

ハンドリング

車重の割には軽く感じるけど、基本的にはどっしりしてる。安定性重視のハンドリング。

寝かすと舵角は割とはっきりつく。タイヤの種類や状態によってはちょっと切れ込み気味に感じるけど、基本的には素直。ただエンジンがクソ重いからなんかフロント周りの重さは感じる。最近MT-09あたりの軽いバイクに乗る機会があったからなおさらそう感じるのかも。

アクセルを開けてからの二次旋回はなかなかで、シートからしっかり荷重すればグイグイ曲がる。Rの大きいコーナーをちょっとアクセル開け気味で走るのが最高に楽しい。

サスは硬くもなく柔らかくもなくちょうどいい感じ。オーリンズリアサスとカートリッジ式のフロントフォークは動きがとても良くて、うまくギャップをいなしてくれるから乗り心地は良好。

ブレーキはタッチが柔らかめだけどコントロールしやすい。絶対的な効きも十分。住友のMOSキャリパーは実にいい。

 

まとめ

一言で言えば優等生的バイク。どこをどう走ってもそれなりに走れるが、それが欠点とも言える。パワー、トルクがあるので長距離が得意かと言えばカウルがないから風圧がキツく、高速で一気に移動みたいなのは難しい。ワインディングもそこそこ走れるけどペースが上がると車重がネックになってくる。良く言えばオールマイティだが悪く言えば全て中途半端。こういうのはヨーロッパじゃウケないんだよね。雰囲気重視のガラパゴス的バイク。良くも悪くも日本人的感性にマッチしたバイクと言える。

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【追記】

こちらの記事も似たようなことを書いてるんだが、なんというか、モノは言いようだなって。メディアのインプレってのは基本広告なんだよね。


 

 

 

切れ込むハンドリング その2

ここでハンドルの切れ込みについて色々書いたけど、


じゃあ過剰な切れ込みにどう対処すればいいのよって話なんですけど、切れ込まないバイクに乗り換えることだね。以上。

すみません、冗談です。いや、まあそれが一番手っ取り早いし確実なんだけど、それができりゃ苦労しないよって話なわけで。なので我々一般人ができる範囲での対策を考えてみた。

 

1. サスのセッティングを変える

経験上、すごく変わるってほどじゃないけど、多少は違う。セッティングの方向としては前を上げて後ろを下げる。サスの調整はあんまりできないバイクもあるけど、だいたいリアのプリロードはついてるからそれを一番弱いところにしてみる。フロントにもプリロードがついていればそっちは締めてみる。ただ、フロントのプリロードをかけて前を上げると重心が上がっちゃうのか、荷重入力に対する反応が良くなっちゃうのか、理由はよく分からんけど却って切れ込んじゃうこともあるので、リアを下げることを優先したほうがいい。ダンパーのセッティングはプリロードに比べればオマケみたいなものなので、よく分からなければいじらなくていい。

 

2. タイヤの空気圧を上げる

やりすぎると接地感がなくなっちゃったり偏摩耗したりするけど、標準の+5%くらいまでならまあ許容範囲かな。サスのセッティングより効果は分かりやすいです。

3. タイヤの銘柄を変える

スポーティーなタイヤほどプロファイルが尖っていて低速では切れ込みやすい傾向がある。例えばSSに乗ってて元々スポーツタイヤを履いてたりしたら、ツーリングタイヤに変えてみるのも手。別にSSにツーリングタイヤを履いちゃいけないなんてことないんだし、今どきのツーリングタイヤは公道で常識的な範囲で走るなら十分グリップする(あんまりおおっぴらには言えないけど、XJR1300にミシュランのパイロットロード2で夏場なら膝スリくらいできるよ)。

それと、同じカテゴリーのタイヤでもメーカーによって味付けがけっこう違うから、色々試してみるのもいい。個人的感覚ではブリジストンは比較的舵角がつきやすくて硬いフィーリング、ミシュランはホワっと柔らかくて安定性が高い、ダンロップはその中間みたいな感じ。ものすごく大雑把な印象ですけど。

 

4. 乗り方を変える

バイクってハンドルが切れ込んでくると車体が起きちゃうんですよ。だから起きようとする車体と寝かそうとする力が釣り合いが取れてればいいわけで、ハングオフみたいに重心を思いっきり内側にするとそんなに切れ込みが気にならなくなる。ただ、交差点曲がるたびにハングオフとかちょっとカッコ悪いよね。

 

5. 旋回速度を上げる

切れ込みってだいたい低速で起こるんですよ。だから旋回速度が上がれば切れ込みも減少するわけです。市街地を交通の流れに乗って走るレベルだと、切れ込んでいつもイン側の手で押さないとバランス取れなくても、ワインディングに行くと適度な舵角のつき方で抜群のハンドリングになるバイクってのもあるからね。初代R1とかTRX850がそんな感じだった。そういうバイクは市街地での走りを犠牲にしてワインディングでのファンライドを手に入れているんだと思って割り切りましょう。

 

【追記】

この方とは気が合いそう。

【追記2】

ヘッドパイプより前の部分が重いと切れ込みやすいね。具体的にはネイキッドだとメーターとかライトとか。要するにハンドルと一緒に動く部分が重いと切れ込みやすい。だからこれを軽くしてやると切れ込みは軽減する。

MT-07(2015)インプレ

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乗ったシチュエーション

途中にカーブ3つくらいある簡単なワイディングを挟んだ市街地で10分程度試乗。かなり暑い日だったのでタイヤの温まりに問題はなかったと思う。

 

ポジション 取り回し

普通のネイキッドという感じ。ステップはやや前で低め。ハンドル位置もやや低め。バランス的にはハンドルがバー一本分くらい高い方が個人的には好みかもしれない。

足つきはシート高自体はそこそこだが、シート前側が絞り込まれてるので、前寄りに座れば悪くない。足を降ろした位置にステップがあるから邪魔とのインプレもあるけど全く気にならなかった。ネイキッドのハンドル、シートとステップの位置関係ならこんなモンでしょ。

またがって揺すってみるととにかく軽い。それもそのはず車重179kgとGSR250より軽いんだから。しかもただ軽いんじゃなくて、昔のバイクと違ってマスが集中してるから体感的にはもっと軽く感じる。

取り回しも同様で250クラスって感じ。

 

エンジン

とにかくピックアップがいい。昔乗ったことのあるレーサーのXR200を思い出す(わかりにくくてスミマセン)。SV650よりはるかにツキはいい。ただその分、ギクシャクしやすいのも確かで、市街地ならSVの方が扱いやすい。エンブレもけっこう強く効くからなおさら。

軽い車体にピックアップのいいエンジンの組み合わせのおかけで、1速ならアクセルだけでフロントが楽々上がる。

出力特性としてはトルクで押し出すタイプじゃなくて上まで軽く回る感じ。古い世代なんで、デジタルメーターに慣れなくてどのぐらい回ってるのかはっきり分からなかったんだけど、かなり上まで回しても吹けが鈍ることはなかったと思う。

 

ハンドリング

舵角はあんまり積極的には付かない、寝かせて曲がるタイプ。人によってはもう少しフロントに仕事してほしいと思うかもしれないけど、個人的にはこういう方が好み。タイヤを変えればもっと積極的にフロントから曲がるようにもできるだろう。

寝かし込みはけっこうモサっとしてて、ホーネット250みたいな軽い車体に太いタイヤを履かせたバイクにありがちな挙動。個人的にはリアを160くらいにしてもう少し軽快にしてはと思うけど、安定感という意味では悪くない。

サスは柔らかめで特にフロントはかなり沈み込みが大きい。ちょっとオフ車みたい。乗り心地は悪くないけど、ちょっとバタバタしてるかな。

ブレーキは効きもタッチも良好。小径ディスクながらヤマハ自慢のMOSキャリパーが効いてる。

 

まとめ

 とにかく軽い。車重、吹け上がり、アクセルやクラッチの操作まで全てが軽い。軽いづくし。市街地や低中速ワインディング中心の使い方ならベストなバイクじゃないだろうか。リアタイヤが160ならもう少し軽く寝かすことができてキャラクターに合ってるんじゃないかと思うけど、デザイン的には太い方がかっこいいからね。けっこう本気でほしいバイクです。

 

【追記】

よくMT-09と比べられるけどキャラクターづけは全く異なる。MT-09はひたするにエキサイトメントを追求したバイクで、のんびり走ることは切り捨ててると言っても過言ではない。対してMT-07は徹底的に日常での楽しさ、扱いやすさに特化している(エンジンレスポンスがやや良すぎる感はあるが)。どちらがいいということではなくて、狙う用途が異なるということ。ただどちらもあくまで公道で楽しむことを前提にしている点は重要だと思う。

 

【追記2】

2020年1月に買いました。買ってからのインプレはこちら。

tomatoimp.hatenablog.com

重いのに軽く感じる(マスの集中化)

今日、レッドバロンに行って色んな中古車を見てきた。レッドバロンは幅広い年代のバイクが置いてあって、見ているだけでけっこう楽しかったりする。

で、店員さんの許可を得て何台かサイドスタンドが床から離れるくらいに起こしてみて今のバイクの軽さにホント驚いた。一つ前のニンジャ250とVT250FG(1986)を比べてみたんだけど、体感的な重さが全然違う。スペック的にはニンジャが172kg、VTが162kgとニンジャの方が10kgも重いにも関わらずニンジャの方が断然軽く感じる。それどころか2ストの初期型TZR250(車重142kg)とか、WOLF250(車重147kg)よりも軽く感じるほどだ。

 

なんでこういうことが起きるかというと、新しいバイクはマス、つまり重量物が車体の中心近くに集まってるから。重いものが車体の真ん中に集まって、中心から離れたところにあるパーツ(マフラーとかホイールとか)が軽くなってる。こういうのをマスの集中化という。

マスが集中してるバイクは乗っても軽く感じる。寝かし込みが軽いし、コーナーリング中の安定感も高い。ただ、すごい上級者に言わせると、マスが集中し過ぎてると進入でピッチングが活かせないとかなんとか。まあ普通の人には関係ない話だね。

今回、色々引き起こししてみて、最近のバイク、特にSSは本当に軽く感じた。まあ当たり前と言えば当たり前だけど。意外だったのは'96 GSX-R750がけっこう重かったこと。このバイクはそれまで大型バイクではレプリカ(今で言うSS)でも乾燥重量で200kg近くあるのが当たり前だった時代に、乾燥重量179kg('19 CBR1000RRとほぼ同じ)とエポックメイキングな軽さだったんだけど、今時のSSと比べるとやっぱりはるかに重く感じる。当時は衝撃的なスペックだったんだけどね。時代を感じるなあ。

 

みなさんも、新旧のバイクの重さの違いを是非体感してみてほしい。数字に現れないスペックに驚くから。

 

『インフルエンサー』とゴミの山

某界隈の『インフルエンサー』が、儲けたければブログを毎日書けとか動画を毎日撮れとか言ってるじゃないですか。例えば「○○ちゅう」とか「○○ハヤ」とか。でもさあ、いくら数撃ったってゴミはゴミ、クソはクソでしょ。ネットの広大な海を汚物で汚してほしくないものだわ。まあスカトロ趣味の人もたまにいるのかもしれないけど。

 

ブログは、たくさん書けば文章力は上がるかもね。だけどさあ、書くべき中身がない人間が何書いたって世間から必要とはされないのよ。ダイソーで買ったボールペンの素人によるレビューとか、読みたいと思う?

先日も、ブログで食っていこうと思い大学を辞めましたって若者が、年収が8000円でしたって書いてて悲しくなっちゃったよ。年収ですよ、月収ですらないんですよ。こういう若者を焚きつけた『インフルエンサー』の罪は重いと思うね。

 

ブログとか動画とかで儲けられる人ってのはだいたい3パターンだと思うのね。1つめはそもそも有名人。芸能人とかスポーツ選手とか。

2つめはある分野ですでに優れた技術や知識を持ってる人。例えば、ブログじゃないけど、このサイトの人とか。

https://bike-lineage.org

3つめは文章が抜群に上手い人。例えばこの人とか。

http://delete-all.hatenablog.com

この3つに当てはまらない人はブログとか動画で儲けようと思っちゃダメ。

 

要するに凡人はブログとか動画で儲けようなんて思わないで趣味でやってなさいって話ですよ。金がほしけりゃマックでバイトでもしろ。さもないと「はあ○○○」とか「イケ○○」とかの養分になっちゃうよ。