バイクインプレ日記

KSR110(2004)インプレ



f:id:tomatoimp:20240214122359j:image

乗ったシチュエーション

2023年秋にヤフオクで安く出てたのを落札。足回り中心に修理して乗っている。今のところ街乗りだけ。いずれはミニバイクコース走行やジムカーナーなどもやってみたい。

 

ポジション

見ての通りの小ささなので足つきはベタベタ。

とは言え180cmでも後ろめに座ればそんなに窮屈感はない。

 

ハンドルは高くて近い、スクーターやカブみたいなポジション。

 

ステップはNSR50あたりと比べるとシッティングポジションに対してやや前寄り。

 

シートが前下がりな上に滑りやすい表皮なのでブレーキングのたびに尻が前にずれる。また当時のバイクに多い柔らかすぎるシートなのでリアサスの動きが分かりにくい。

 

エンジン

同じ自動遠心クラッチということで、かつて乗ってたカブ90を比較対象とすると、思ったより低速トルクが太く発進には苦労しない。上も思ったより伸びる。このクラスで20ccの差は大きい。125ccならもっとパワー感があるのだろうが。

 

最高速は多分90km/hくらいは出そうだが試してないのでわからない。

 

気になるのはシフトフィーリング。カブはシフトアップはもちろん、シフトダウンでもアクセルをあおってやれば変速ショックは感じなかったが、KSRはどうもそのあたりが良くない。シフトアップではどう操作しても1速から2速への変速時はショックがあるし、シフトダウンもチェンジペダルを踏み込んだ状態(クラッチが切れた状態)でアクセルをあおって回転を合わせてもギクシャクしやすい。自動遠心クラッチの作りに関しては明らかにホンダの方が一枚上手だ。

 

ハンドリング 車体

これといって特筆することのない、スクーターのような軽いハンドリング。ただ昔乗ってたKSR80と比べると多少フロントが重いような印象を受ける。

 

サスは、フロントに関してはオーバーホールしたついでにオイルをノーマルが10番のところ15番にしてオイル量も増やしているのでノーマルとは違うだろうが、ちょっと突っ張り気味。

リアもノーマルがオイル漏れしていたのでキタコのものにリプレイスしてるが、こちらはややフワついている気がする。ただ先述したとおりシートが柔らかすぎるので、サス単体では評価できない。

 

ブレーキはフロントは効かなさすぎ。デイトナの赤パッド(これしか社外品がない)に変えたが多少マシになったものの満足できるレベルには到底達しない。聞くところによるとKSR80よりディスク径が小さくなっているらしい。エンジンブレーキが効くからいいということなのか。

話が逸れるが、ブレーキに関しては排気量に関わらず一定の水準を保ってほしいものだ。それは別に全てのバイクに対向4ポッドキャリパーを装備しろとかそういう話ではなくて、例えば時速40キロから決められたトルクでレバーを引いたら何メートル以内には止まるということだ。小排気量だから制動距離が長くていいというものではないはずだ。

 

まとめ

コカしても懐も心も痛まないセカンドバイクということで敢えてボロをオークションで買ったのだが、想定通りなかなかに直しがいのある車体である。ただ素性は悪くなさそうなので、オーバーホールついでにパーツを変えていけばいいものになりそうだ。

まずはブレーキ、それからシートをどうにかしたい。

KSR110を買った

 

 

以前からコカしても心が痛まない(なおかつ懐も痛まない)セカンドバイクがほしいと思っていた。

ジムカーナーやサーキット走行などで思いっきり走りたいが、かといってメインにしているMT-07でコケると心も懐も痛んでしまう。それにそれなりに速度域も高くなるから相応のリスクもある。

そんなわけで125cc以下、なおかつ置き場の関係で12インチのバイクを探していたところKSR110をヤフオクで見つけた。最初は98,000円で開始されていたが買い手がつかず、88,000円に値下げされて出品されていたので入札したところ、そのまま88,000円で落札できた。

 

写真でわかるとおりかなりボロボロである。もともとはグリーンだったと思われるが、下手くそに塗装してあるし、タンク外側もサビだらけである。


タイヤはカチンカチンでヒビだらけだし

 

フォークもサビてるのか塗ってあるのかオイルが漏れているのか分からないがとにかく汚い。

 

まあしかしこれだけ汚ければなんの遠慮もなくコカせられるのである意味好都合である。

 

試しに走ってみたが、当然ながらタイヤの接地感はないし、フロントブレーキはマスターのピストンが固着してるのかレバーの動きがやたら渋いし、ステムベアリングがダメなのか真っ直ぐ走らないくせにちょっと寝かすとハンドルがどんどん切れ込んでくる。200mほど走って命の危険を感じたので止めた。

 

まともに走るようにするためにはタイヤを含めた足回り全般をメンテしないとダメなようだ。幸いエンジンは特に変な音もしないので、おそらく大丈夫だろう。

 

これから少しずつ直していくつもりだが、おそらく程度の良いものを買った方が結局は安くつくようなことになるのだろう。ただまあいじっていく楽しみっていうのもあるわけで、そこはプライスレスである。

 

MT-07を買った時もそうだったが、最近はバイクを買うのはたいてい色々と大変なことが重なっている時である。バイクに逃避しているとも言えるかもしれないが、バイクに救われている部分があるのも確かである。金もかかるし、リスクも大きい趣味だが、バイクが好きで良かったと思う。

 

さてさて走れるようになるのはいつになることやら。



 

MT-09SP(2022)インプレ

 

乗ったシチュエーション

店の試乗車で市街地を約5km。時間にして10分程度。暖かったのでタイヤの温まりに問題なし。

 

ポジション

初期型や2型はモタード的にハンドルが近くステップが後ろだったが、現行型はごく普通のネイキッド的である。

足つきはあまり良く無く、身長180cmで両足裏は全体が着くが、膝にさほど余裕はない。

タンクの形状が良くて、幅が広い割には内腿のフィット感がいい。

シートは比較的フラットでブレーキングでもおしりが前にずれにくい。

 

エンジン

モードが4つあって、今回は市街地ということもあってモード3(市街地用)とモード4(レイン用)しか試さなかったがそれでも十分パワフル。

低回転域でのレスポンスは4気筒より優れている印象。それでいて粘りがありドン突きもなく、ギクシャクしない。上の方は7000回転くらいまでしか回せなかったが、市街地では十分すぎるほど速い。

 

ハンドリング

ロール方向の動きがとにかく軽い。自分が普段乗ってるMT-07もかなり軽い部類だが、それよりもさらに軽い。

フロントの動きもクセがなく寝かし込みを邪魔しない。

ブレーキがYZF-R7と同じタイプのラジアルマスターが使われているようだが、非常にコントロールしやすい。市街地ということで試せなかったが、コーナーの進入でのブレーキングコントロールもやりやすそうである。

サスペンションはかなり硬めだが、荒れた路面でも衝撃の角を滑らかにしてくれるような上質な動きをする。速く走った際も安定性が高そうだ。

 

まとめ

市街地のみ僅かな距離を走っただけなのでわからない部分も多いが、少なくとも非常に乗りやすいのは確かである。経験的に市街地で乗りやすいバイクは、サーキットのような特殊な環境に持ち込みでもしない限りたいていどこでも乗りやすい(これほど上質な脚を持っていればサーキットでもかなり走れるだろう)。ややパワフルすぎる感はあるが、誰が乗っても楽しめるバイクだと思う。

【タンクパッド】ストンプグリップレビュー

 


f:id:tomatoimp:20231027113548j:image

 

購入動機

MT-07もそうだが、最近のバイクはタンクの幅が広く、手前に絞られてるのでニーグリップしても内腿がフィットしない。必然膝だけでニーグリップすることになるのだが、それだとやはり身体の安定性が悪い。少しでも安定してニーグリップできるようにと思ってAmazonで下のような安物のタンクパッドを買ったが
f:id:tomatoimp:20231027120356j:image

これだと真ん中に座ったときにはパッドが全く脚に接しない。やむを得ずそのまま乗ってたが、今年の酷暑で剥がれてきたのを期にストンプグリップに交換することにした。

 

取り付け

シールなので貼るだけ。ネットの情報では水貼りは避けたほうが良いようだ。透明タイプだと気泡が目立つらしいが、3日間くらい放置すれば勝手に抜けるらしい。

 

使ってみた感想

シートの真ん中に座ってる際のニーグリップがとても楽になった。前述した通りMT-07のタンクはシートの真ん中に座ると膝でしかニーグリップできないので、膝とタンクの摩擦力が上がるのは効果絶大。街乗りがとても楽になった。ハングオフスタイルでも効果は感じるが、街乗りの方がより分かりやすい。

 

まとめ

この手のモノとしてはかなりお値段が張るが(15000円くらい)、それだけの効果はあると思う。街乗りやツーリング等シートの真ん中に座ることが多いライダーにお勧めだ。

 

 

 

Z400(2019)インプレ ~公道でちょうどいいツイン~

 

乗ったシチュエーション

いつものレンタル819南箱根店で一時間レンタル。ワインディングを中心に試乗。気温は18℃程度で、最初のうちはタイヤが冷えていたはずだが、特に問題は感じなかった。

 

ポジション

ごくごく普通のネイキッドといった印象。街乗りでも楽だし、ワインディングでも自由度が高い。

ただシートがかなり前下がりなので、お尻を置く位置が強制されてしまう感じはある。

 

またタンクが太いうえに手前が絞られているので普通にシートの真ん中に座った状態だとタンクに接するのは膝頭だけで内股はタンクと接しない。ただ腰をずらしてハングオフの姿勢になると膝頭から内股までピタッとフィットする。最近はこういう設定のバイクが多いが、正直なところ真ん中に座った状態でも内股にフィットするようもう少しスリムなタンクにしてほしい。ガソリンを入れる本物のタンクの上にタンクカバーをかぶせる構造だからボリュームが出てしまうのだろうが。

 

足つきに関しては身長180cmで両足裏が全部着いて、なおかつ膝もけっこう曲がる。足つき性はかなり良い方だと思う。

 

エンジン

最大トルクを8000回転、最大出力を10000回転で発揮する高回転型のツインだが下から上までフラットにトルクが出る。どこからでもアクセルに対してダイレクトに反応する。ギクシャクした感じが非常に少ないのにレスポンスがいい。もう少し排気量の大きいツインだと低中回転域ではアクセルに対してトルクフルな感触だが、高回転になるとやや惰性で回っているようなフィーリングのものが多いのに対して、このエンジンは高回転域での伸び切り感も素晴らしい。排気量が小さいのでギア比もそこまで最高速に振っていないため、そういった高回転域でのフィーリングを公道の常識的な速度域でも十分楽しめる。このエンジンは本当にいい。今乗っているMT-07よりいいと思えるほどだ。

 

ハンドリング

同じ車体を持つニンジャ400に乗った時は低速ではやや切れ込み気味かなと思ったのだが、Z400は極めてニュートラルなハンドリング。ハンドル幅がニンジャより広いので体感的に切れ込み感を感じにくいのかもしれない。いずれにしろ軽快感があるのに安定感もある非常に優れたハンドリングだと思う。

サスは前後とも比較的柔らかめで、フロントブレーキの初期制動が強めなこともあってけっこうノーズダイブが大きい。だからといって公道の常識的な範囲内で走る分には不安定になるようなこともなく、乗り心地もいい。

リアサスはリンク式

 

ブレーキは先ほども書いたように、シングルディスクに片押し2ポッドというややプアな構成にも関わらず、初期から効力が立ち上がり、絶対的な効きも強力。しかしコントロールはしやすく、スポーティーに走るならこのくらい効いてくれた方が良い。

逆にリアブレーキはあまり存在感がなく、効きもコントロール性も今一つ。

 

まとめ

とにかく全体的なまとまりがいい。公道で楽しむのにこれほど優れたバイクもそうはないと思う。大型になってしまうとどんなに低中回転にトルクを振っていてもどうしても速度域が高くなってしまって、公道では思うようにアクセルを開けられないことも多い。そういった意味では400という排気量は公道ではベストなのではないだろうか。また400はツインが最適と昔から言われていたが、そのことを改めて感じた。

万が一次に買い替えることがあるとすればZ400にするかもしれない。そう感じさせるくらい楽しいバイクだった。

 

その他

リム幅4.0に150/60というリアタイヤの設定。この細めのリムとタイヤが軽快感に大いに貢献している。

 

メーターはフル液晶。タコメーターの針も液晶表示なのだが、正直物理的な針より見づらい。

 

 

ストリートファイターV2(2022)インプレ 〜ドゥカティのエッセンスがつまった一台〜


f:id:tomatoimp:20231006204333j:image

 

乗ったシチュエーション

いつものレンタル819南箱根店で一時間レンタル。ひとコケ15万円にビビりながら試乗。気温は20℃程度だが、直前まで屋内に置かれていたのでタイヤの温まりに10分ほどかかった。

 

ポジション

幅広でやや低めなストファイらしいハンドルにやや高めのステップという組み合わせ。軽度の前傾姿勢で街乗りでも問題ないレベル。

f:id:tomatoimp:20231006204846j:image

タンクの形状が良くて太ももがピッタリとフィットする。

f:id:tomatoimp:20231006204829j:image

足つきはシートの前方に座れば身長180センチで両足裏まで着くが、そんなに余裕はない。足つきが良い部類ではないだろう。ちなみにシート形状は非常にフラットで、腰の移動がしやすい。

f:id:tomatoimp:20231006233604j:image

 

エンジン

低速トルクが細いから発進でエンストしてコケる人が多いとお店の人に脅かされてたので、恐る恐るクラッチを繋いだが、言うほどではない。確かに油圧クラッチ特有のミートポイントの分かりにくさはあるものの、昔乗ってたTDM850のほうがよっぽど発進に気を使った。

f:id:tomatoimp:20231007105154j:image

とはいえ低速トルクが細いのは事実で、3000回転以下はほぼ使いものにならないと思ったほうがいい。クランクマスが小さいのでレスポンスがいい反面、低回転での粘りもない。そのため遅い車について40キロ以下で走らなければならないような場面では、1 速で過敏なアクセルレスポンスに気を使いながら走るか、2速で半クラ当てながら走ることになる。

5000回転を超えると本領発揮。ツインらしからぬ伸びやかな吹け上がりを見せる。9000回転くらいまでしか回せなかったが、おそらくそれ以上の回転域まで淀みなく回るだろう。

 

ハンドリング

乘ってまず感じるのはフロント周りのどっしり感。まるで直4SSのよう。そのため街中を走るようなペースだと寝かし込みはもっさりしてるし、寝かしてからもイン側のハンドルに力を入れ続けないとバランスが取れないような感じがある。ついでにその速度域だとサスもゴツゴツである。f:id:tomatoimp:20231007175215j:image

f:id:tomatoimp:20231007175233j:image

逆にちょっと強めにブレーキをかけて、そこからフォークが伸びないようにブレーキレバーをリリースしつつ寝かせるとスッと軽く寝てくれる。ハンドリングもニュートラルになる。そしてアクセルを開けてリアにトラクションをかけるとグイグイ曲がる。サスの路面追従性もいい。

ただブレーキリリースのタイミングだったり、重心移動のタイミングだったりがちょっとズレると同じような反応が得られない。前にムルティストラーダに乗った際も若干感じたが、この辺がドゥカティはライダーに正しい乗り方を教えてくれるという所以なんだろう。日本車にはない特性であるが、ちょっとシビアだ。

少し気になったのはブレーキ。ムルティストラーダの時も感じたが、レバーの動きがちょっと渋い気がする。サーキットで飛ばしたりすれば気にならないのかもしれないが、ゆっくり走ってるときはややコントロールしにくい印象だった。f:id:tomatoimp:20231007105045j:image

 

まとめ

文面だけ見るとなんだかやたらととっつきにくいバイクのように思えるかもしれないが、昨日免許取ったばかりの人だって問題なく乗れる。ただ面白さを引き出そうとするとそれなりの乗り方が求められるだろうし走る場所も選ぶ。他は全て我慢してもコーナー1つに快楽を求める人には最高のバイクだろう。

 

その他

スタンドがアルミでできてて、シートの高いオフ車に乗るときみたいに左ステップに足を乗せて跨がろうとすると、ポキンと折れてしまうらしい。そんなに繊細に作らんでも…。
f:id:tomatoimp:20231007175021j:image

 

リアタイヤは180/60という珍しいサイズ。自分が乗るとしたら55扁平に変えて少しリア下がりにするかな。f:id:tomatoimp:20231007175412j:image

 

CBR650R(2022)インプレ 〜ザ・ホンダの直4〜

f:id:tomatoimp:20230607141045j:image

 

 

乗ったシチュエーション

いつものレンタルバイクでワインディングを1時間試乗。気温20℃でなおかつ直前に乗ってた人がいたのでタイヤの暖まりに問題なし。

 

ポジション 足つき

足つきは身長180センチで両足裏べったりで膝もかなり余裕がある。このクラスとしてはかなりいい方ではないか。

 

ポジションはトップブリッジ下についたハンドルがかなり低そうな印象を与えるが、実際にはそこまで前傾姿勢ではない。ニンジャ400のハンドルをちょっと遠くしたくらい。同クラスのYZF-R7と比べると全然楽。市街地でもさほど苦にならないはず。

 

シートは後端がやや盛り上がっているが、さほど前下がりではない。

 

タンクは4気筒の幅広エンジンを包み込んでるだけあってかなり幅が広い。普通に座るとタンクに接するのは膝頭だけで太ももは接しないが、ハングオフの姿勢をとるとアウト側太ももの内側がピタッと接する。

 

エンジン

さすがにこのクラスになると4気筒でも低中回転域からアクセルにちゃんとついてくる。4000回転以上回していれば十分スポーティーに走れる。

高回転域での伸びは昔の600ccスーパースポーツと比べるとやや頭打ち感が早いが、それでも十分パワフル。本領発揮は8000回転くらいからだが、この回転域になると相当速度が出ているので公道ではなかなか使えないだろう。

 

全域で振動が少なく、アクセルに対するドンつきもないので非常に扱いやすい。2000回転以下くらいの極低回転でも粘りがあってスナッチーな感じが全くない。いかにもホンダの4気筒といった感じだ。

 

ハンドリング

寝かすとけっこうしっかりと舵角がつくタイプのハンドリング。かといってむやみに切れ込むわけではなく、コーナーリングの最中ずっとイン側のハンドルを押し続けなければならないとか、ハンドルが切れすぎて車体が起き上がってしまうようはことはない。

 

寝かし込みは4気筒故にクランクマスが大きいこと、前述したように舵角がしっかりつくことから、それなりに手応えがある。ただ闇雲に軽いよりは多くの人にとって安心感のあるものだと思う。

 

寝かせてからアクセルを開けていくときれいに狙ったラインをトレースしてくれる。ホンダのハンドリングはオンザレール感覚などと昔よく言われたが、まさにそんな感じ。適度につく舵角のお陰で無駄に深く寝かさなくてもきれいに曲がれる。

 

サスは前後とも柔らかめで乗り心地がいいが、フワフワした感じはない。特にフロントは秀逸で柔らかめにも関わらず強めのブレーキでもしっかり踏ん張ってくれる。

 

ブレーキは、フロントは特筆すべきことはないが効きもコントロール性も及第点といったところか。リアは低速で走っているときには効力の立ち上がりがやや唐突に感じられたが、速度がある程度乗るコーナーではスピードのコントロールがしやすかった。

 

まとめ

非常に完成度の高いバイクだ。市街地から長距離ツーリング、ワインディングは言うに及ばず、おそらくサーキットでもかなり走れるだろう。

ただ、もうちょっとプラスアルファがほしいのもまた事実。例えばブレーキをうまく使うとスパッと寝かせられるとか、アクセルを開けるとグングン曲がるとか。

とはいえ大型初心者にとってはベストチョイスになりうるし、ベテランでも大きな不満を持つことはないだろう。ホンダの直4は伝統的に間口が広いものが多いが、このCBR650Rもまさにその系譜である。

 

ディテール

CBRシリーズ共通イメージのフロント。大変かっこいい。

 

フロントサスはSFF-BP。とてもいい動きをする。

 

リアサスはリンクレスだが、何の問題もない。

 

スイッチ類は指のかかりが良くて扱いやすい。

 

フロントのマスターシリンダーは普通の横型。

 

昔のCBR600Fはアルミフレームだったけど、650Rは鉄フレーム。

 

ZX-25R(2022)インプレ 〜日常で味わえる超高回転〜

f:id:tomatoimp:20230517132320j:image

 

 

乗ったシチュエーション

いつものレンタル819南箱根店にて1時間レンタル。ワインディング中心に走った。暖かかったのでタイヤはすぐに温まった。

 

ポジション

ハンドルはそれなりに低いがタンクが短くシートとハンドルの位置が近いのでさほどきつい前傾ではない。

直4の幅広なエンジンに合わせてフレームも幅が広いので、タンクもけっこう太め。ただ不思議とニーグリップしにくいという感じはあまりない。ハングオフした際には太ももがうまくフィットしてくれる。

左右のステップには大きめのヒールガードが付いているのだが、コーナーリングの際にアウト側の踵をここに押し当てるとマシンホールドが非常にしやすい。

シートが多少前下がりだがそこまで極端ではなく、シート全体を使ってライディングできる。

 

足つきはバッチリで身長180センチで足裏べったり、膝にもかなり余裕がある。YZF-R25と同等かもうちょっと低いくらい。

 

エンジン

3000回転くらいからレッドゾーンの17000回転まで淀みなく回る。全域で振動も少ない。明確なパワーバンドはないのだが、強いて言えば12000回転以上が比較的アクセルに対する反応がいい。

12000回転以上の、咆哮とも言える排気音を日常域で感じられるのは今やこのバイクだけ。もっと大きな排気量の4気筒でも10000回転以上回るバイクはいくらもあるが、その時の速度はとても公道で扱えるものじゃない。

ただ同排気量のツインやシングルに比べると全域でアクセルに対するツキはぼんやりしている。

しかしこれは必ずしも悪いことばかりではなく、アクセルのオンオフに対してエンジンが過敏に反応しないので街中を走る時などはアクセルワークに神経質にならなくて済む。

また4気筒らしく低回転でも粘りがありギクシャクしにくいので、そういった意味では初心者向けとも言える。

 

ハンドリング

4気筒らしくフロント周りにどっしりとした安定感がある。

同クラスのシングルやツインと比べると寝かし込みはやや重め。ヒラヒラした感じではないが安定感はある。

寝かし込みに伴うフロントの動きは極めてナチュラルでどんな場面でも切れ込んだりせず、ちょうどいい舵角がつく。

先述したとおりアクセルに対するツキが鈍いのでコーナー立ち上がりでリアにグッと荷重して旋回する感覚はやや希薄。この辺は普段700ccツインに乗ってる身からするとちょっと物足りなさを感じる部分である。

 

ちょっと気になったのはフロントブレーキで、初期にかなりガツンと効く。またリリースしていく際の微妙なコントロールもやや難しい印象を受けた。ただこれは試乗車のブレーキレバーがかなり上向きにセットされていたことも影響していると思う。適切な位置にセットされていればもっとコントローラブルなはずだ。

 

サスは前後とも思ったより柔らかめな印象。前述したとおりフロントブレーキの効力がかなり唐突に立ち上がるので、ブレーキをかけた際のノーズダイブが大きい。ただ柔らかいといってもフワフワしているわけではなく、ギャップに乗ってもお釣りが来ることもなくうまくショックを吸収してくれる。思うにこうしたサスセッティングにしたのはZX-4Rとフレームを共通にするためではないか。80馬力を受け止めるフレームは250にはさすがにオーバースペックでやや硬さを感じる。それをサスを動かすことで相殺してるのではなかろうか(知らんけど)。

 

まとめ

このバイク、速く走らせるのはなかなか難しいのではないかと思う。48馬力あるとはいえトルクは排気量なりで、かなり回さないとアクセルに対するツキは悪く良好な二次旋回を引き出せない。この辺はパワーバンドの広いツインの方が有利だ。突っ込みも車重がツインやシングルより重いので分が悪い。要するにコーナーリングでは不利が目立つのだ。峠は言うまでもなく、サーキットでも1周2000メートルくらいまでの直線が短いコースならツイン(もっと具体的に言えばCBR)の方が速いだろう。

ただ先ほども書いたようにアクセルに対するツキの鈍さや、4気筒特有の低回転での粘りが乗りやすさに繋がっている面もある。また超高回転を公道レベルで堪能できるのは現行バイクではZX-25Rだけだ。

ライバルのCBR250RRとどちらが楽しいかと聞かれれば個人的にはCBRだが、初心者や唯一の250直4という個性を求める人にはZX-25Rが向いているかもしれない。

 

ディテール

ステップについてるこのでかいヒールガードがマシンホールドに役立つ。

カワサキお得意のホリゾンタルバックリンクサス。作動良好。

 

フロントサスはSFF-BP。ちょっと柔らかめだがスムーズに動く。

 

シングルながらラジアルマウントのキャリパーはかなり強力に効く。

 

タコメーターはアナログ。古い人間にはこちらのが馴染む。

 

ノーマルで装着されてるGPR300は割と平べったい形なのか、そんなにバンクさせてないのに端に近いところまで接地する。

250DUKE(2022)インプレ〜ジェントルハートなKTM〜

f:id:tomatoimp:20230429181644j:image

f:id:tomatoimp:20230429181735j:image

 

 

 

乗ったシチュエーション

教習所で行われた試乗会にて試乗。オーバル状のコースを左回りに2周。距離にして500メートル程度。気温はそこそこ高くて、なおかつ直前まで乗ってる人がいたのでタイヤの温まりに問題なし。

 

ポジション

足つきは身長180センチで両足裏がついて膝にもそこそこ余裕があるくらい。CB250Rと同じくらい。250としては標準的だと思う。

 

ポジションはちょっと独特で、ハンドルが近くてステップはかなり後方かつやや低め。MT-09等と同様のモタード的ポジションだが、MT-09よりもやや極端な感じ。

ハンドル幅が810mmもあるらしくかなり幅広なはずだが、着座位置に近いせいかそこまで広くは感じない。

シートはほぼ完全にフラットで、かつ着座面積が広め。スポンジが少なめでスポーティーに走るにはサスの動きが分かりやすくて良いが、長く乗るとお尻が痛くなりそう。

 

エンジン

KTMというとガツンとパンチのあるエンジンというイメージだが、250は意外なほどジェントルで扱いやすい。アクセルのオンオフに対してギクシャクしない。振動も少なくスムーズに吹け上がる印象が強い。

試乗会場が教習所ということもあってレブの半分程度までしか回せなかったが、少なくとも平地であれば力不足を感じない程度にトルクフルであった。ただ250ccという排気量ゆえに峠の上りではひょっとしたらもう少しパワーがほしいと思うかもしれない。

 

ハンドリング 車体

とにかく軽い。寝かし込みは125レベルの軽さだと思う。少なくともジクサー150よりは軽かった。

寝かし込みに伴うフロントの動きは、自分が乗ってるMT-07に比べるとやや舵角が大きめにつくが、切れ込みといった感じは皆無で、程よくスポーティーな動きだと思う。

 

ブレーキはほとんど減速する必要がない程度の速度でしか走ってないのでよく分からないが、少なくともリアに関しては無駄なストロークがなくコントロールしやすかった。

 

サスもあれこれ言えるほどのスピードは出してないのだが、跨った際の沈み込みはまあまあ大きい印象で低荷重域では割とよく動くサスなのかなと感じた。

 

まとめ

極めて低速での試乗だが、乗りやすさと軽さが強く印象に残った。KTMというと手強いイメージだったが、250に関しては初心者にもおすすめできると感じた。

しかしこの軽さにパワフルなエンジンを載せた車体を試してみたい気持ちになるのも事実。いつか機会があれば390にも乗ってみたいものだ。

AIに記事をリライトしてもらった。

XSR900のインプレをBing AIにリライトしてもらったらこんな感じになった。

tomatoimp.hatenablog.com

 

 

 

```
「XSR900(2020)インプレ - バイクインプレ日記

こんにちは。今回はレンタル819南箱根店で試乗したXSR900(2020)のインプレをお届けします。XSR900はMT-09をベースにしたレトロモダンなネイキッドバイクですが、見た目だけでなく走りもMT-09とは違う魅力があります。その魅力を詳しく解説していきます。

【乗ったシチュエーション】
まず、どんな状況で乗ったかを説明します。私は1時間レンタルで、主にワインディングを走りました。気温は14℃で、走り始めはタイヤの温まりに注意しましたが、すぐに問題なく走れるようになりました。

【ポジション・取り回し】
次に、ポジションや取り回しについてです。XSR900の最大の特徴は、内股にフィットするタンク形状です。最近のバイクは前側が幅広くて手前が絞られているものが多いので、ニーグリップしようにも膝しかタンクに接しないことが多いですが、XSR900は膝から脚の付け根までピタッとフィットします。これは非常に良いポイントで、ニーグリップしやすくて身体の余計なところに力が入らないので疲れにくいです。

ハンドル位置はごく普通のネイキッドといった感じですが、ステップ位置はMT-09同様低めで後ろ目です。個人的にはもう少し高い方が好みかもしれません。ハンドル幅は普段乗ってるMT07(2015)と比べるとけっこう幅広ですが、このくらいの方がコントロールがしやすくていいと思います。

シートは腰があってリアタイヤに荷重をかけやすいです。路面からのフィードバックも良好です。多少の前下がりはありますが、ブレーキングのたびにお尻が前にずれちゃうほどではなく、全然許容範囲です。

足つきは身長180cmで両足裏がついて膝がほんのちょっと曲がるくらいです。このクラスとしては特別良くもないけど悪くもないといったところでしょうか。

取り回しは軽いけど、最近のバイクはどれも軽いから今時としては普通くらいかもしれません。ただハンドルが高い位置にあるので力は入れやすいと思います。

【エンジン】
エンジンについてです。XSR・・・」

```

確かに万人受けしそうな文章ではあるね。AIの方がいいかしら?

YZF-R7(2022)インプレ〜令和のツイスティロード最強〜

f:id:tomatoimp:20230325184456j:image

前から気になってたMT-07ベースのSS。その走りは如何に。

 

 

乗ったシチュエーション

ヤマハのレンタルバイクで4時間試乗。ワインディングが7割、市街地が3割くらい。気温17℃くらいでタイヤの温まりは悪くなかった。

 

ポジション 取り回し

かなりの前傾姿勢。ハンドルが低いこともあるが、垂れ角が大きいことの影響が大きい。最近乗ったバイクではホーク11が割と前傾姿勢だったが、ホークはハンドル垂れ角が少ないのでそこまで辛くはなかった。ただR7はタンクの前後長が短く、シートとハンドルの位置が近いのは救い。ハンドルが近いおかげで乗車位置の自由度も高い。

それとMTと比べるとタンクの太ももに対するフィット感がいいのもGOODポイント。

 

実際に走ってみると予想通り市街地ではかなりの辛抱を強いられる。工事渋滞にはまる場面があったのだが、手首が痛くなってしまい、停車するたびにハンドルから手を離して休憩を入れる必要があった。

 

逆にワインディングではこの前傾姿勢が効いてきて、バイクとの高い一体感が得られる。アウト側の肘でタンクをホールドすることができるのも好印象。

久々にハンドルの低いバイクに乗ったので、アイポイントの低さから路面が近く感じて、それが少々怖かったが慣れればむしろメリットになりそうだ。

 

足つきは身長180センチでシートの前寄りに座ると両足裏が全部着く。ただ膝にはそこまで余裕はない感じ。ベースとなったMTとほぼ変わらないくらい。

 

取り回しは、冒頭の写真を撮るため砂利道で押し引きしたのだが、車重が軽いためかなり楽。ハンドルが低いことも特に影響ない。以前に同じ場所でムルティストラーダを取り回したのだが、それと比べると半分くらいの重さに感じた。

 

エンジン

ベースとなったMT-07と比べると3000回転以下の粘りがある。自分のMT(初期型)はECUを書き換えてあってノーマルよりは低速での粘りがあるんだが、それよりもさらに粘る。1速2000回転以下でもさほどギクシャクすることなく走れたのには驚いた。

またそうした低回転での振動もMTより僅かに小さい気がした。

3000回転以上はMTとさほど変わらない印象。ワインディングで回転が多少落ちてもアクセルについてくる余裕と、上まで回しても怖くない、手のうちに収まる扱いやすさがそのまま踏襲されている。

今回椿ラインも走ったのだが、上りでも流すレベルならほぼ3速固定で走り切ることができた。

 

ハンドリング 車体

乗って最初に感じるのはフロントの接地感の高さ。MTの軽さもいいがそれなりにスポーティーに走ろうとするとちょっとフロントが軽すぎる感じがする。その辺がいい按配にリセッティングされている。

とは言えMTの乗りやすさは踏襲されていて、軽さの中にもほどほどに手応えのある寝かし込みや、寝かした際のちょうどいいフロントの切れ方など扱いやすさはそのまま。扱いやすさそのままに少しスポーティーに振った感じと言えばいいだろうか。

接地感が高くある程度寝かし込みに手応えがあるので、初見のバイクでありながらワインディングで膝が擦れるのではないかと思うほど安心感がある。

ただそれなりに速度の乗るコーナーの切り返しなどは割と重い感じがある。このあたりはあえてヒラヒラ、パタパタとはならないようにセッティングしてあるんだろう。想定している速度域が公道で楽しめるようにやや低めなんだと思う。

 

前後サスの動きは特筆して上質というわけではないのだが、前述したようにフロントはとても接地感が高い。リアもMTに比べるとはるかに動きが分かりやすい。この辺はブリヂストンのS22というタイヤの特性もあるだろう。

 

ブレーキはこれまたフロントが秀逸で、コーナー進入時のフロントの面圧を右手で自由自在に操れるようだ。YSPの店員さんは、ちょっと効力の立ち上がりが唐突ではないかというようなことを言っていたが、十分にコントロールしやすいと思う。リアはMTと同じものではないかと思われるが、タイヤとサスセッティングが違うためか、MTよりやはりコントロールしやすい印象だった。

 

まとめ

一言で言うと公道における理想的なスポーツバイク。

YZF-R1は今でこそサーキットでの最速を追求したバイクだが、初代は「ツイスティロード最強」を謳っていた。この「最速」ではなく「最強」というのがミソで、速く走るだけではなく、ワインディングで乗って楽しいを追求したバイクだったのだ(だからサーキットではフレーム剛性が全然足らなかった)。ただ乗りこなすのはそれなりに難しく、ブレーキやアクセルで前後の荷重配分をコントロールしなければうまく曲がれなかった。また市街地などの極低速でハンドルが切れ込むなど扱いにくさもあった。

YZF-R7は初代R1のそうした遺伝子を遺しつつ扱いやすさも兼ね備えた、さしずめ「令和のツイスティロード最強」といったところか。25年分の進化を感じる完成度の高さだ。スポーツ志向を持つユーザーであれば幅広くお勧めできるバイクである(ただハンドルだけはもうちょっと高くしてほしいな)。

 

ディテール

秀逸なフロントブレーキ

 

イニシャルとダンパーが調整できるフロントフォーク。ダンパーは右で伸び側、左で圧側を調整できる。

ステップ位置はMTよりかなり高くて後ろ。

 

左右スイッチは普通だが、MTよりはかなり高級感がある。

ブレンボ製のラジアルマスターシリンダー。フロントブレーキのコントロール性に大きく貢献している。

 

シンプルで見やすいメーター。

 

タンデムシート下にスペースはほぼない。ETCがあったのだがフレームのようなパーツを外さないとカードの抜き差しができないとのこと。

 

レギュレーターが左サイドカウルの内側にある。スペースを確保するのに苦労した様子がうかがえる。

 

【MT-07カスタム】ハンドルをやたら幅広にしてみた

 

 

交換の動機

効果が分かりやすいこともあって元々ポジション関係をいじるのは大好き。MT-07に関して言えばノーマルにそこまで不満があったわけではないが、可能ならもう少しフロントに荷重を乗せやすくできればとは思っていた。

で、以前にちょっと低めのハンドルに交換してみたんだが残念ながらちょっと遠すぎる気がした。

tomatoimp.hatenablog.com

その後ハンドルを手前にオフセットするスペーサーを入れたりとか

色々やってみたんだが今一つしっくりこないでいた。そんな時に行きつけのバイク屋さんからドゥカティモンスターの純正ハンドル(と思われるもの)を譲り受けたので試しに着けてみることにした。

 

交換したハンドル

上の写真はうちにあったハンドルを並べたもの。一番上がノーマルで、上から3番目が今回交換したハンドル。ノーマルが幅670mmなのに対して交換したハンドルは約770mm。写真で見てわかるとおり絞り角が少なくて、ノーマルが23°なのでおそらく20°をちょっと切るくらいか。高さは写真では分からないが、だいたいノーマルよりバー1本分(約2cm)くらい低い。

本来ならノーマルから10cmも長ければ少なくとも5cmくらいはカットして使うのが妥当なのだろうが、今回は実験の意味も込めてあえてそのまま使ってみることにした。

 

装着

特別なことはないが、MTはタンクが盛り上がっていて右にいっぱいにハンドルを切るとマスターシリンダーのバンジョーボルトが当たってしまう。ハンドルの取り付け角度を色々調整してみたが結局どうにもならないので、バンジョーボルトに下のようなボルト用保護キャップをかぶせてタンクに当たっても傷つきにくいようにした。

 

乗ってみての感想

最初のうちはあまりに広くなったハンドル幅に違和感ありまくり。腕が広がって手に体重がかかるので、30分ほど走っていると手が痛くなってくる始末。シートに座る位置も腕が広がるせいか前の方に固定されてしまう感じ。

こりゃ乗ってられないと思ったが慣れてくると不思議と軽快にバイクを操れる。おそらく無意識に行っているハンドル操作(主に逆操舵)がハンドル幅が広がってテコが効いたことにより強まっているのだろう。

絞り角が少ないため脇が広がったような姿勢になるがそれも上体が動かしやすく悪くない。

市街地では思ったより印象が良かったが、ワインディングに入るとちょっと事情が変わってくる。腰をずらしてハングオフのスタイルをとるとイン側の腕がどうも収まりが悪い。またシート上での乗車位置が固定されやすいのもスポーツするにはあまり都合がよろしくない。

ただそういったネガももう少し幅をつめれば解消される気がする。言い換えればハンドルの絞り角や高さ、引き幅などはかなりいい感じなのだ。そういえば昔XJR1200につけてたハンドルも同じように絞りが少なくてやや低めのものだった気がする。ノーマルに比べて非常にマシンを操りやすかった記憶がある。そういう形状が自分は好きなのかもしれない。

 

そういうわけでいずれ幅を700mmくらいまでカットしたい。その時はまたレビューを書こうと思う。

 

HAWK11(2022)インプレ~異形の者だが中身は優等生~

 

 

乗ったシチュエーション

レンタル819南箱根店でレンタル。大小さまざまなコーナーのワインディングで1時間試乗。気温は12~14℃でやや低めだったが、走り始めからタイヤのグリップは良好だった。

 

ポジション

ロー&ロングのスタイルから昔のカタナ1100みたいにハンドルが遠いのかと思ったが予想よりはるかにコンパクト。高さも極端に低いわけではなく市街地でも1時間くらいならなんとか許容できる程度。

ステップ位置は最近のバイクにしては高めで後ろめ。最近のバイクはSSでもステップは比較的前方かつ下方にあるものが多いが、個人的にはハンドルとの位置関係で言えばこのくらいが好み。

タンクの形状はぱっと見より前方が張り出ていて、普通にシートに座ってニーグリップすると膝しかタンクに接しない。ここはもう少し前方を絞って内股全体にフィットするようにしてほしかった。

 

足つきはシートの前方に座れば身長180cmで両足裏全体が着くが膝に余裕があるほどではない。特別足つきが良いわけではないだろう。

 

ちょっと困ったのは跨った状態でサイドスタンドを出そうとすると足がステップにぶつかってしまうこと。降りてからスタンドをかけるという方法もないではないが、足つきが厳しい人にとってはそれも難しいだろう。ここはもう少しどうにかしてほしかった。

 

エンジン

どの回転域でもフラットにトルクが出て、なおかつアクセルに対するツキも良すぎないので非常に扱いやすい。

高回転まで淀みなく回るが、一番気持ちいいのは4000~6000回転くらい。アクセルを開けた分だけリアタイヤが路面を蹴っ飛ばすといった感じでツインらしさが最も味わえる。

クセのないエンジンではあるが、あえて粗を探すとすると2000回転くらいで速度一定に保つのがやや難しいところか。アクセル開度を一定にしているつもりでもわずかにアクセルが動くとツインらしい強めのエンブレがかかったり、逆にトルクがドンと出てギクシャクすることがないわけではない。ただ大型二輪の免許を持っている人であれば一日乗っていれば慣れるレベルである。

サウンドは270°クランクらしい歯切れのいいものだが、ややバサバサした感じがある。

 

ハンドリング 車体

極めてニュートラルなハンドリングが印象的。どんな速度域でも、上りでも下りでもコーナーの大小に関わらずフロントの動きが常に一定している。ハンドルが切れ込み過ぎるでもなく、切れなさ過ぎて車体が寝過ぎてしまうでもなく非常に扱いやすい。このフロントの動きのニュートラルさは近年乗ったバイクの中で間違いなくナンバーワンである。

寝かし込みは割と手応えがある感じだが鈍重というわけではない。そして寝かし込めばすぐに車体は向きを変えてくれる。

寝かしてからアクセルを開けての2次旋回はさほどグイグイ曲がっていくわけではないが、長めのホイールベースが奏功してか、前後タイヤがビシッと整列している感じですばらしく安心感がある。

腰をずらしたハングオフ姿勢のみでなく、リーンウィズで遅い車の後を走ってもコーナーリングを楽しむことができる。これは公道においては理想的なハンドリングではないだろうか。

 

サスは前後とも比較的柔らかめで乗り心地が良い。個人的にはもう少しダンパーを効かせて、リアのプリロードもかけた方が良いような気がするが、その辺は個人の好みで調整すればよい。

 

ブレーキは、効きは特別強力ではないものの、コントロールが抜群にしやすい。ラジアルマウントのキャリパーとラジアルマスターの恩恵だろう。特にフロントブレーキのコントロールがしやすいので、コーナー進入時のフロント荷重の調整が非常に行いやすい。

 

まとめ

HAWK11は「速くない、でも少し速い」というどこぞの調味料みたいなコンセプトで開発した「大人の上がりのバイク」だそうである。上がりのバイクかどうかは分からないが、確かに自分のように「しゃかりきに速く走るのはもう望まないけど、操る感動を公道でも味わいたい」と感じているアラフィフには最適解かもしれない。いや、年齢は関係ないな。サーキットではなく公道で走りを楽しみたいと思う人なら誰にでもお勧めできるバイクだ。もしも今100万円をポンと渡されてどれか一台バイクを選べと言われたらこれを選ぶかもしれない。

 

最近の大型バイクは海外(主にヨーロッパ)がメインの市場で、バイクの設計においても日本の道路事情にあまり合ってないのではないかと思うものも少なくないが、このバイクは日本市場のみでの展開であり、まさに日本の道路事情にフィットした車体設計になっている。1200台限定とのことなので、もし気になっているなら買ってしまって損はないと思う。

 

ディテール

ショーワ製のフロントフォーク。柔らかめだが動きは良い。

 

シートはフラットでお尻が前にずれてこない。座面の面積は大型バイクとしてはやや小さめで、普通に座ると左右の座骨がシートの端にきてしまう。

 

アフリカツインと共通のエンジン。セッティングも変えていないらしい。

 

コントロール性が抜群のフロントブレーキ。

 

マスターはラジアルタイプ。

 

リアサスはダイヤルでイニシャル調整ができる。

 

ミラーは意外と見やすい。

 

メーターは小さめだがちょっと情報量多め。

 

スイングアームのチェーン引きはOW-01タイプだが、別バーツを溶接するのではなくスイングアームと一体成型。

 

アフリカツイン同様スイッチでモード切り替えができる。モードはレイン、スタンダード、スポーツの3種類。

 

f:id:tomatoimp:20230311140101j:image

【MT-07カスタム】クラッチレバーをショートタイプに交換

f:id:tomatoimp:20230222200019j:image

 

 

交換の動機

MT-07に乗る前はXJR1300などクラッチが重い車両が多かったこともあり、クラッチ操作は指4本で行っていた。しかしMTに乗るようになってからクラッチが軽いこともあって人差し指と中指の2本でクラッチ操作するようになった。そうなるとレバーが長いより短い方が操作しやすい。Amazonを漁っていたところ中華製レバーが安く売っていたので購入してみることにした。

 

取り付け

ワイヤーを外してレバーを交換するだけ。特別なことは何もなし。

 

乗ってみての感想

ロングタイプと比べると人差し指と中指のかかる位置がいい。そのおかげで非常にクラッチ操作がやりやすくなった。発進、渋滞での半クラッチ操作からウィリーまで細かいコントロールがとてもやりやすい。中華製とはいえさほどガタつきもない。クラッチが重くなるかと思ったがむしろ軽く感じられるくらいだ。3000円でこれなら十分だ。

 

ディテール

f:id:tomatoimp:20230222195541j:image

ロングタイプと比べるとこんな感じ。形状はあまり変わらないようだけど、実際に乗ってみるとかなり感覚は違う。

 

f:id:tomatoimp:20230222195745j:image

今回は使わなかったけどブレーキ側もセット。

 

f:id:tomatoimp:20230222195943j:image

無駄に豪華な箱に入ってる。

 

※全く同じものは販売終了になってしまったようだ。一番近いのでこれかなあ。だいぶ高いな。

【MT-07カスタム】MT-07のブレーキホースを(半分だけ)ステンメッシュに交換

 

 

交換の動機

以前マスターシリンダーをラジアルマスターに交換したのだが、その際にホースの取り出し口が変わってしまい、ノーマルのホースのままではつながらないため、下のようなエクステンションを用いて取り付けた。

f:id:tomatoimp:20230208200328j:image

しかしそれでも写真のようにかなり強引な取り回しになってしまい、

f:id:tomatoimp:20230208175849j:image

精神衛生上よろしくないのでブレーキホースを交換することにした。

他車種流用でホースの長さやバンジョーの曲げ、捻りがピッタリ合うものがあればいいんだけど、探すのが大変なのでショップでステンメッシュをオーダーすることにした。

MT-07のフロントブレーキホースはマスターから左キャリパーに入り、そこから右キャリパーに分岐する「h」型なので、hの縦棒に相当する部分だけ交換する。それでも目的は達成できる。

 

取り付け作業は問題続出

ブレーキホースを一本交換するくらい簡単だろうと思っていたが、そうは問屋が卸さなかった。

 

まず普通にバンジョーと油圧スイッチ(マスターに機械式スイッチがないので使っている)を着けると、ハンドルを右に目一杯切った時に油圧スイッチの頭がタンクに当たる。

 

やむを得ず油圧スイッチをもう少し頭が低いタイプに交換してみたがそれでもやはり当たる。

 

仕方ないので写真のように油圧スイッチをマスター側ではなくキャリパー側に装着して、マスター側はバンジョーだけにしてもまだダメ。

f:id:tomatoimp:20230208210443j:image

結局、薄めのバンジョーと短めのバンジョーボルトを使うことでギリギリ干渉を回避することができた。

f:id:tomatoimp:20230208213624j:image
f:id:tomatoimp:20230208213628j:image

ホース一本の交換だけなら作業時間1時間半、パーツ代込みで15,000円くらいで済むはずが、6時間くらいかかって料金も全部で30,000円くらいかかってしまった。

f:id:tomatoimp:20230209214730j:image

 

交換後の感想

月並みだけどタッチがかなりかっちりした。ラジアルマスターのコントロール性の良さがさらに引き出せるようになった。半分だけの交換でもけっこう効果があるもんだ。

今はスイッチが油圧で、タッチに悪影響を及ぼしているうえにかなり握らないとブレーキランプが点灯しないので、今後はスイッチを機械式に変えたい。